現代物理学
現代物理学(Modern Physics)は、おおむね20世紀以降の物理学のこと。量子力学以後の物理学を指し、古典物理学に属する相対性理論も現代物理学に加えることが多い。相対性理論を除いて量子論に限定し、古典物理学の対義語とする場合もある。
概要
19世紀までの物理学の存在や時空に対する立場は、我々の素朴な直感、すなわち「モノ」が存在しているのは自明であり、一様な時間と空間は宇宙のあらゆる場所で存在している、という立場の中に概ね収まるものであった。しかしその一方で、19世紀には従来の物理学の体系では説明不可能な現象があることが理論的・実験的に知られるようになってきた。
これらの困難は、量子力学や相対性理論といった、我々の素朴な直感とは容易には相容れない理論の構築によって解決され、これらの理論体系が新たに自然の本質に据えられることになった。これらの新たな理論体系に基づく現代物理学、特に量子力学は、物理学・化学をはじめとした自然科学全体に爆発的な進歩をもたらし、工業的にも極めて重要なものとなった。現代物理学は数学と相互に発展しあい、哲学にも重要な問題提起を投げかけた。
現代物理学の始まりは、アルベルト・アインシュタインが光電効果、ブラウン運動、特殊相対性理論の3つの重要な理論を発表した1905年とすることが普通であり、物理学の奇蹟の年といわれる。
微視的(ミクロ)
観測という行為が対象物に何らの変化ももたらさない立場に立っている古典物理学[1]に対して、量子力学は観測によって対象物の状態が変化するという立場をとる。 量子力学的効果は、電子や原子核などの微視的な粒子において顕著となる。
量子力学は、粒子と波動の二重性や確率解釈、不確定性原理、シュレーディンガー方程式等の、それまでの古典物理の常識が通用しない理論体系からなっている。量子力学における
といった古典物理のパラダイムが転換されたことに文脈上重きを置く場合、古典物理学と現代物理学をこの狭義の意味合いで区別する。
巨視的(マクロ)
一方、相対性理論は、時間と空間が相対的なものであるという立場をとる。 光速に近い速度での運動では特殊相対性理論による効果が、強い重力場においては一般相対性理論による効果が顕著となる。特殊相対性理論からは「時間の進み方は絶対的なものではなく観測者に依存して決まる」、一般相対性理論からは「重力の正体は時空に生じる歪みである」といった結論が得られ、これらもまた古典物理の前提を大きく変更する。
現代物理学の特質
テンプレート:See also 一般に現代物理学の中核に関連すると考えられる話題としては、以下がある。 テンプレート:Col-begin テンプレート:Col-2
- 原子模型
- 黒体放射
- フランク=ヘルツの実験
- ガイガー=マースデンの実験(ラザフォードの実験)
- 重力レンズ
- マイケルソン・モーリーの実験
出典
関連項目
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