メルセデス・ベンツ CLSクラス

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CLSクラス(シーエルエスクラス、Mercedes-Benz CLS-Class)は、メルセデス・ベンツが2005年から販売しているセダン型の大型高級乗用車である。

先代Eクラス(W211型)と基本的な構造を共有する、いわゆる4ドアハードトップ(4HT)型の乗用車であり、メルセデスベンツではこれを「4ドアクーペ」と呼称している。

概要

セダンながらクーペのようなエクステリアを特徴としており、サッシュレス4ドアが採用されている。先代Eクラスセダン(W211型)からの派生車両であり、シャーシおよび内装の基本部分を同車と共有する[1]。全長と全幅は同車よりも大きい[2]が、後部座席は2名用であり、乗車定員は4人である。モデル名の「CLS」は、CLクラスSクラスを掛け合わせたものである。

CLSの登場は、欧州の自動車メーカーからアウディ・A7フォルクスワーゲン・パサートCCポルシェ・パナメーラBMW・X6BMW・6シリーズグランクーペといった追従モデルを生んだ。

初代 C219(2005年-2010年)

2004年サロン・アンテルナショナル・ド・ロトで量産型が発表された。欧州市場では2004年秋に発売開始となり、下記の日本導入モデルに加えて、3.0L V6ディーゼルエンジンを積む「CLS320 CDI」がある。

2006年2月、時計メーカーのIWCとのコラボレーションモデルである「CLS55 AMG IWC INGENIEUR」を世界限定165台で発売した。塗装や内装が特別仕様となり、オーナーにはオリジナルの腕時計がプレゼントされる。

世界最速の4ドア車のベース車として

メルセデス・ベンツ専門のチューニングメーカー、ブラバスがCLSをベースにBRABUS CLS-V12S ROCKETを開発、発売した。この車輌はブラバス特製のV型12気筒ツインターボエンジンブレーキなどを搭載し、最大出力730ps/5,100rpm、最大トルク110kg・m/2,100rpm~2,900rpmを発生する。0-100Km/h加速が4.0秒、最高速度は365.71km/hという記録によって、世界最速の4ドア車としてギネスブックに登録されている。

日本での販売

2005年2月から販売が始まり、まず「CLS350」「CLS500」「CLS55 AMG」が導入された。AMGモデルである「CLS55 AMG」にはAMG製の強化ブレーキや、専用のエアサスペンションが装備されていた。

2006年9月、マイナーチェンジ。「CLS500」「CLS55 AMG」が消失し、「CLS550」「CLS63 AMG」が新たに設定された。全車が7速AT(7G-TRONIC)である。「CLS63 AMG」にはAMGが独自開発した6.3L V8エンジンが搭載され、強化ブレーキ、専用のエアサスペンション、パドルシフトが装備された。また、「CLS63 AMG」には専用デザインのアルミホイールや本革ステアリングが装着される「パフォーマンスパッケージ」が、「CLS550」「CLS350」にはAMG製のエアロパーツ、アルミホイールやパドルシフト(加えて「CLS350」には「CLS550」に標準装備のエアサスペンション)を装備する「スポーツパッケージ」が存在する。

日本でのグレードおよびスペック
グレード エンジン 排気量 最高出力・最大トルク 変速機 駆動方式 販売期間
CLS55 AMG 113AMG型 V型8気筒
SOHCスーパーチャージャー
5438cc 476ps/71.4kg・m 5速AT FR 2005年2月-2006年9月
CLS500 113型V型8気筒SOHC 4965cc 306ps/46.9kg・m 7Gトロニック
CLS63 AMG 156型V型8気筒DOHC 6208cc 514ps/64.2kg・m 2006年9月-2011年5月
CLS550 273型V型8気筒DOHC 5461cc 387ps/54.0kg・m
CLS350 272型V型6気筒DOHC 3497cc 272ps/35.7kg・m 2005年2月-2011年5月

2代目 C218(2011年-) X218(2012年-)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2010年8月、メルセデスベンツは2代目CLSクラスを発表した。デザインは3代目SLKクラスからの新しいメルセデスベンツのデザインの方向性にそったものとなる。ドイツでは4気筒および6気筒のディーゼル版と6気筒のガソリン版が発売され、追って8気筒ガソリン版(CLS 500/550)およびAMG版(63 AMG)の販売が予定されている[3]

2012年6月29日、シリーズ初のステーションワゴンモデルとしてCLSシューティングブレイクを発表した[4]。テールランプのデザイン上、開口部は狭くなるが荷室容量は最大1550Lの容量を得ている。シューティングブレイクの特徴の一つである荷室の木製の床は、桜の木を使用したオプションの「デジーノウッドフロア」仕様。

日本での販売

2011年2月から販売が始まり[5]、まず「CLS350 ブルーエフィシェンシー」と「CLS63 AMG」が導入された。

なお、「CLS350 ブルーエフィシェンシー」は2011年5月に型式取得され、日本国内初の「平成21年度排出ガス基準+75%(☆☆☆☆)」を達成[6]。あわせて、「平成22年度燃費基準+15%」も同時に達成した(なお、ガラス・スライディングルーフかAMGスポーツパッケージを装着した場合「平成22年度燃費基準+25%」達成となる)。

同年10月24日には新たに「CLS550 ブルーエフィシェンシー」を追加。エンジンは従来の5.5Lから4.7Lにダウンサイジングしつつ、最先端テクノロジーを駆使することで最高出力・最大トルク共に向上。さらに、7速AT「7G-TRONIC PLUS」やECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)も備えることで燃費も上昇した。

2012年1月16日に、2代目モデルの日本発売から1周年を記念して、「CLS350 ブルーエフィシェンシー」をベースに、最上位モデルの「CLS63 AMG」に設定されているdesignoレザーを特別設定するとともに、人気の高いAMGスポーツパッケージとガラス・スライディングルーフを標準装備した特別仕様車「CLS350 ブルーエフィシェンシー designo Limited」を発売。同年2月15日受注分までの期間限定販売となる。

同年8月22日に一部改良を実施。安全支援システム「レーダーセーフティーパッケージ」とリアシートヒーターを新たに標準装備し、「CLS350 ブルーエフィシェンシー」、「CLS550 ブルーエフィシェンシー」は後席分割可倒式シートも標準装備された。ボディカラーにはオプションカラーのマンガナイトグレーを追加したほか、一部オプションパッケージの値下げも行った。

同年10月12日には5名の乗員スペースと最大容量1,550Lのラゲッジルームを確保した「スポーツ クーペツアラー」をコンセプトとしたステーションワゴンモデル「CLSシューティングブレーク」を発売。グレード体系は「CLS350 ブルーエフィシェンシー シューティングブレーク」、CLSクラス初の4MATIC(フルマチック四輪駆動システム)搭載グレード「CLS550 4MATIC ブルーエフィシェンシー シューティングブレーク」、ハイパフォーマンスグレード「CLS63 AMG シューティングブレーク」の3グレードを用意。併せて、「CLS63 AMG シューティングブレーク」には「CLSシューティングブレーク」の発売を記念してAMGパフォーマンスパッケージ、designo DINAMICA ブラックルーフライナー、専用フロアマットを装備し、内装色にdesigno プラチナホワイトパールを採用した特別仕様車「CLS63 AMG シューティングブレーク Edition 1」を発売(50台の限定販売)。

2013年5月9日にハイパフォーマンスモデルの「CLS63 AMG」を一部改良。従来の左ハンドルから右ハンドルに変更し、最高出力・最大トルク共に向上。さらに、縦列駐車時のステアリング操作をサポートする「アクティブパーキングアシスト」を追加。併せて、新開発のパフォーマンス志向四輪駆動機構「AMG 4MATIC」を搭載し、スポーツ走行時のトラクション性能を高めた4WD車「CLS63 AMG 4MATIC」・「CLS63 AMG 4MATIC シューティングブレーク」、ターボエンジンに専用チューニングを施し、従来オプション設定されていた「パフォーマンスパッケージ」を超える圧倒的な動力性能を実現した「CLS63 AMG S」・「CLS63 AMG S 4MATIC」・「CLS63 AMG S 4MATIC シューティングブレーク」の計5モデルを追加した。

2014年1月16日に、新グレードとして、「CLS350 Sports」を追加発売。クーペ・シューティングブレーク両方に設定され、「AMGスポーツパッケージ(フロントスポイラー、リアスカート)」に加え、スクエアデザインのツインクロームエグゾーストエンドや新デザイングレーペイントを施した18インチ5スポークアルミホイールを採用した。なお、納車は同年4月下旬以降となるため、同年4月1日からの消費税率引き上げに伴う新税率(8%)が適応されるが、他のグレードの増税後の車両本体価格を考慮しても、既存の「CLS 350」とほぼ変わらない価格設定となっている。また、セットオプションである「AMGスポーツパッケージ」に関しては装備内容の見直しを行うとともに、本体価格を大幅に値下げしたため、増税分を加味しても16.8万円の大幅値下げとなった。

日本での現行グレードおよびスペック
グレード エンジン 排気量 最高出力・最大トルク 変速機 駆動方式 発売時期
CLS 63 AMG 157型 V型8気筒
DOHCツインターボ
5461cc 557ps/73.4kg・m AMGスピードシフト7速-MCT FR 2013年5月 -
CLS 63 AMG 4MATIC 4WD
CLS 63 AMG S 585ps/81.6kg・m FR
CLS 63 AMG S 4MATIC 4WD
CLS 550 278型 V型8気筒
DOHCツインターボ
4663cc 408ps/61.2kg・m 7Gトロニックプラス FR 2011年10月 -
CLS 350 Sports 276型 V型6気筒DOHC 3499cc 306ps/37.7kg・m 7Gトロニック 2014年1月 -
CLS 350 2011年5月 -
シューティングブレイク
CLS 63 AMG
シューティングブレーク
157型 V型8気筒
DOHCツインターボ
5461cc 524ps/71.3kg・m AMGスピードシフト7速-MCT FR 2012年10月 -
CLS 63 AMG 4MATIC
シューティングブレーク
557ps/73.4kg・m 4WD 2013年5月 -
CLS 63 AMG S 4MATIC
シューティングブレーク
585ps/81.6kg・m
CLS 550 4MATIC
シューティングブレーク
278型 V型8気筒
DOHCツインターボ
4663cc 408ps/61.2kg・m 7Gトロニックプラス 2012年10月 -
CLS 350
シューティングブレーク Sports
276型 V型6気筒DOHC 3499cc 306ps/37.7kg・m 7Gトロニック FR 2014年1月 -
CLS 350
シューティングブレーク
2012年10月 -
日本での過去のグレードおよびスペック
CLS 63 AMG 157型 V型8気筒
DOHCツインターボ
5461cc 525ps/71.4kg・m AMGスピードシフト7速-MCT FR 2011年5月 - 2013年4月

脚注・出典

  1. サスペンションSLクラスの流用である。
  2. 日本のタワーパーキングなどにはぎりぎり入らないことが多い。
  3. テンプレート:Cite web
  4. メルセデスベンツ CLSにシューティングブレーク登場
  5. 発表時には型式認定の取得が行われていないために納車は6月以降の予定とアナウンスされた。
  6. テンプレート:PDFlink - メルセデス・ベンツ日本 ニュースリリース 2011年5月10日(2011年5月12日閲覧)

外部リンク

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