スクーンの石
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スクーンの石(スクーンのいし、Stone of Scone)は、代々のスコットランド王が、この石の上で戴冠式を挙げたとされる石。運命の石 (Stone of Destiny) とも呼ばれる。聖地パレスチナにあって聖ヤコブが頭に乗せたという伝承がある。重量は、およそ230kgある。
運命の石は、500年ごろ、スコット人ファーガス・モー・マク・エルクによってアイルランドから持ち込まれた。ファーガスはキンタイア半島付近に上陸し、ダルリアダ王国を建国、ファーガス2世となった。以来この石は、スコットランド王家の守護石とされた。
846年にケネス1世がオールバ王国の王を兼ねるようになると、運命の石もダルリアダ王国の首都ダンスタフニッジより新首都スクーン(現在のパース近郊)の王宮に移された。これより、スクーンの石と呼ばれるようになる。
スクーンの石は、1296年にエドワード1世によってイングランドに戦利品として奪い去られた。その後この石は木製の椅子にはめ込まれ、ウェストミンスター寺院に置かれることになった。その後、この椅子は戴冠式に用いられるようになり、代々のイングランド王は、スコットランド王の象徴であるこの石を尻に敷いて即位することになる。
スクーンの石がイングランドに奪われたことは、スコットランドの人々にとってはイングランドへの敵対意識を高めることになり、1950年にはスコットランド民族主義者による盗難事件が発生している。最終的に石は発見され回収されたが、犯人グループによる運搬中に、2つに割れてしまっていた。
1996年、トニー・ブレア政権によりスクーンの石は700年ぶりにスコットランドに返還された。現在は、エディンバラ城に保管されている。