ローブ・クラシカルライブラリー
ローブ・クラシカルライブラリー (The Loeb Classical Library; [loub],ローブ古典文庫,ローブ古典叢書) は、ハーヴァード大学出版局から現在は刊行されているギリシア語、ラテン語の古典的な文献のシリーズである。ギリシア・ローマの古典の主要なものを収録する。収録する文献は豊富で、英語との対訳もあって広く普及しているシリーズである。オリジナルと英語訳の対照になっており、誰もが古典にふれることができるように考えられたものである。シリーズは古代の必読の古典と、14世紀にわたる抒情詩、叙事詩、悲劇、哲学、古典的な雄弁の記録を網羅し、中世の教父たちの著作までを収める。
起源
このシリーズは元々はジェームズ・ローブによって構想され、開始された。第1巻は、1912年にウィリアム・ハイネマン&Coにより刊行された。当初からギリシア語文献は緑、ラテン語文献は赤の印象的な装幀のハードカバーで刊行されていた。これは今日と同じである。新しいタイトルが追加されていく中で、以前のものは何度か改訂を重ねている。近年は旧版の復刻も出ている。これらの刊行物の収益はハーヴァード大学の学部学生の奨学金の基金にあてられている。
受容
ハーヴァード大学は、1989年以降、このシリーズに対する責任を全面的に意識するようになり、この数年、毎年4冊から5冊の改訂版が刊行されている。2001年には、このライブラリーの第3のシリーズの刊行が始まった。イ・タッティ・ルネサンス叢書(I Tatti Renaissance Library)がそれで、中世からルネサンスの主要な文献がシリーズとして刊行されることになっている。原語、通常はラテン語であるが、それと英語の翻訳の対照版で、ローブ・クラシックと同様の装幀で、青のカバーがそえられる。従来の版よりもやや大きな版になっている。