タランテラ
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タランテラ(tarantella) はイタリア、ナポリの舞曲。3/8または6/8拍子のテンポの速い曲である。タランテラという名前は、タラントという町の名前に由来するという。または同じ町の名を由来とする毒蜘蛛のタランチュラに噛まれると、その毒を抜くために踊りつづけなければならないとする話から付けられたという説もある。
タランテラの歴史は中世にまで遡ることができ、より古い形式のダンスが起源とされる。マンドリンやタンバリンの演奏に合わせて踊られるが、一つのスタイルに固まるまでいろいろなリズムが存在したらしい。 ショパンやリストなどもタランテラを作曲している。
タランテラは一人で踊ることよりはグループ、特にカップルや女性のペアで踊られることが多い円舞曲である。最初は右回りに踊るが、曲の一区切り毎に回る方向も左になりテンポも速くなる。これが何回か繰り返され、遅れずについていくのがだんだん難しくなっていく。
タランテラは小説ではイプセンの人形の家、映画ではゴッドファーザーなどに登場する。
タランテラの有名な曲
- ブルクミュラー:25の練習曲の第20曲「タランテラ」
- ロッシーニ:歌曲集「音楽の夜会」第8曲『踊り―ナポリのタランテラ』
- オットリーノ・レスピーギが「風変わりな店」として編曲している。
- シューベルト:交響曲第3番の第4楽章、弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」の第4楽章、ピアノソナタ第19番の第4楽章
- メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」の第4楽章、無言歌集第8巻の第3曲
- ショパン:タランテラ作品43
- リスト:巡礼の年 第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」の第3曲
- サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番の第3楽章
- チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」のグラン・パ・ド・ドゥの第2曲、管弦楽曲「イタリア奇想曲」の第3・5部
- ドビュッシー:ピアノ曲「舞曲(スティリー風タランテラ)」
- ラフマニノフ:2台ピアノ用組曲第2番の第4楽章
- ストラヴィンスキー:バレエ音楽「プルチネルラ」、それを基にしたプルチネルラ組曲、イタリア組曲に含まれる
- ボッテジーニ:タランテラ イ短調 (コントラバスとピアノ)