ジョージ・ギッシング
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テンプレート:Portal ジョージ・ギッシング(George Robert Gissing, 1857年11月22日 - 1903年12月28日)は、19世紀イギリスの小説家。
イングランド北部のヨークシャー・ウェイクフィールドに生まれる。生まれながらの秀才で古典教養も深かったが、マンチェスターにあるオーエンズ・カレッジ(2004年にマンチェスター大学に合併)在籍時に、街の女を助けるために窃盗を犯し、学者としての人生を棒にふった。その後一時期渡米し、『シカゴ・トリビューン』誌に短編を寄稿していた時期がある。最初の結婚は夫人のアルコール依存症などで失敗し、2回目の結婚もうまくいかなかった。
労働者階級の悲惨さを実証主義的に描いた初期作品は売れずに苦労したが、そうした売れない作家の実生活を描いた『三文文士』が皮肉なことに文壇の注意を引いた。本作と、階級的な疎外で苦しむ知的な若者の心境を語る『流謫の地に生まれて』、そして19世紀後半に登場した「新しい女」との関連で論じられることが多い『余計者の女たち』が、ギッシングの3大小説と言われる。
日本では従来は、最晩年の随想作品『ヘンリー・ライクロフトの私記』、紀行文『イオニア海のほとり』、評論『チャールズ・ディケンズ論』の作者として有名だったが、近年は小説作品が再評価されている。
主要作品
- 暁の労働者たち(Workers in the Dawn, 1880年)
- 無階級の人々(The Unclassed, 1884年)
- 民衆(Demos, 1886年)
- イザベル・クラレンドン(Isabel Clarendon, 1886年)
- サーザ(Thyrza, 1887年)
- 人生の夜明け(A Life's Morning, 1888年)
- ネザー・ワールド(The Nether World, 1889年)
- 因襲にとらわれない人々(The Emancipated, 1890年)
- 三文文士(New Grub Street, 1891年)
- デンジル・クウォリア(Denzil Quarrier, 1892年)
- 流謫の地に生まれて(Born in Exile, 1892年)
- 余計者の女たち(The Odd Women, 1893年)
- 女王即位50年祭の年に(In the Year of Jubilee, 1894年)
- イヴの身代金(Eve's Ransom, 1895年)
- 埋火(Sleeping Fires, 1895年)
- 下宿人(The Paying Guest, 1895年)
- 渦(The Whirlpool, 1897年)
- 都会のセールスマン(The Town Traveller, 1898年)
- 人間がらくた文庫(Human Odds and Ends, 1898年)
- チャールズ・ディケンズ論(Charles Dickens, 1898年)
- 命の冠(The Crown of Life, 1899年)
- 我らが大風呂敷の友(Our Friend the Charlatan, 1901年)
- イオニア海のほとり(By the Ionian Sea, 1901年)
- ヘンリー・ライクロフトの私記(The Private Papers of Henry Ryecroft, 1903年)
- ヴェラニルダ(Veranilda, 1904年)
- ウィル・ウォーバートン(Will Warburton, 1905年)
- 蜘蛛の巣の家(The House of Cobwebs and Other Stories, 短篇集、1906年)
- 境遇の犠牲者(A Victim of Circumstances and Other Stories, 短篇集、1927年)
主な日本語訳
- 『ヘンリ・ライクロフトの私記』 平井正穂訳、岩波文庫/同ワイド版も刊、1991年
- 『ヘンリー・ライクロフトの私記』 池央耿訳、光文社古典新訳文庫、2013年
- 『南イタリア周遊記』 小池滋訳、岩波文庫、1994年(元版は下記「イオニア海のほとり」)
- 『ギッシング短篇集』 小池滋編訳、岩波文庫、1997年-後期の8篇を収録
- 『ギッシング選集』全5巻 小池滋責任編集、秀文インターナショナル、1988年
- 『第一巻 三文文士』 土井治訳
- 『第二巻 流謫の地に生まれて』 溝川和雄訳
- 『第三巻 余計者の女たち』 太田良子訳
- 『第四巻 埋火、イオニア海のほとり』 土井治訳/小池滋訳
- 『第五巻 チャールズ・ディケンズ論』 小池滋・金山亮太訳
- 『渦』 太田良子訳、ヒロインの時代・国書刊行会、1989年
- 『余った女たち』 倉持三郎・倉持晴美訳、ニューカレントインターナショナル、1988年
- 『ネザー・ワールド』 倉持三郎・倉持晴美訳、彩流社、1992年