アパラチア山脈
概要
複雑に褶曲した山脈で、侵食が進んだ丘陵性の古い山脈である。北端はカナダニューファンドランド島で、そこから北アメリカ大陸東部を南西方向に縦断し、南端はアラバマ州の中央に至る。また、その裾野はミシシッピ州北西部にまで及んでいる。個々の山の標高は平均して1,000m前後で、最高峰はノースカロライナ州にあるテンプレート:仮リンク(標高2,037m)。
山脈の西部では石油・石炭が盛んに採掘されているなど地下資源が豊富。山脈の東側には都市が発達している。
国立公園が多く、グレート・スモーキー山脈国立公園やシェナンドー国立公園が有名である。
命名
1528年にスペイン人探検隊が現在のフロリダ半島タラハシー付近の原住民から部族名をアパラチェンと聞いたのが最初で、後にさらに北方一帯の地域名に使われていった。地図上で山脈名として記されたのは1565年であるが、今の山脈全体に使われるのは19世紀になってからである。アレゲーニー山脈とも呼ばれる。
地質
山脈を構成する岩石は海成の堆積岩と火山岩および古い海洋底で、激しく褶曲・断層作用を受けている。山脈の形成は古生代オルドビス紀に大陸縁辺部に海洋プレートが衝突し始め、北アメリカ大陸に潜り込んだことによる。火山の活発化と、浸食による周辺への堆積が生じた。これは現在の北アメリカ大陸とアフリカ大陸が一体化したアパラチア造山運動で最高潮に達した。つまり、超大陸パンゲア形成の中心に位置し、アパラチア山脈とモロッコのアトラス山脈、さらにイギリスのスコットランド地方は一連の地質構造であった(カレドニア造山運動)。中生代末までに山脈は浸食され平原化したが、新生代に隆起し、現在の形に浸食が進んだ。
かつては、造山運動のメカニズムを説明する有力な学説のひとつであった地向斜説の標準地として扱われていた。
ギャラリー
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ノースカロライナ州北部
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雨の日のグレート・スモーキー山脈(ノースカロライナ州西部)