職業差別
テンプレート:出典の明記 職業差別(しょくぎょうさべつ)とは、個人や集団の偏見に基づいて、特定の職業またその従事者に対して差別的な扱いをすること、その造語である。一般に経済的・社会的弱者の問題と考えられがちだが、社会的評価とは別の、特定の職業に向けられる差別意識を指す。
職業は各人のステイタス・シンボル(社会的評価を象徴するもの)と見なされている場合が多い。社会的評価が高い職業に就いた者は、個人の能力や人格を超えた高い社会的信用を得られることが多い。逆に、社会的評価が低い職業に就いている者は、人格まで軽視されることも多い。
概要
職業に対する価値は、時代や文化によって異なる。ある職業がA国では高く評価される一方で、B国では低く評価されるということもある。例えば、米欧日では医師の社会的地位は高いが、中華人民共和国では必ずしもそうではない。
出生により、従事できる職業が限られるといった事例は先進国でも珍しくない(職に就けない者に職を与える行為は救済であり、差別の限りではない)。日本においては、かつて被差別部落の問題があり、藩政時代(江戸時代)に牛馬の屠殺や死体処理の役目を強制されており、こういった職業ゆえに、制度的差別が撤廃された明治以降も社会的に差別された。
差別の理由も均一ではない。所得格差に起因する職業差別もあれば、学歴、宗教的、道徳的な理由による職業差別もある。これが差別ではあるかは社会の形成に寄るところが大きい。日本では教育費のうち家計が負担する部分が大きいため、昨今の不況で、親権者の収入が減り、子供の教育の機会が奪われるといった問題が表面化している。
雇用形態における差別
近年、正社員と非正規雇用の格差が社会問題化している。同じ仕事をしているにも関わらず、給与や待遇に差があり、前者の雇用は守られ、昨今の派遣切りのように後者は軽んじられている傾向にある。いわゆる同一労働同一賃金の法整備が急がれている。報道では正社員が容疑者になった場合は、会社名と役職が実名の前に出るが、派遣社員やアルバイトの場合はその肩書きで公表されている。