ロック・ハワード
テンプレート:対戦型格闘ゲームキャラクター ロック・ハワード (Rock Howard) はSNK(SNKプレイモア)の対戦型格闘ゲーム『餓狼 MARK OF THE WOLVES』などに登場する架空の人物。担当声優は竹本英史。
目次
キャラクターの設定
『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(以下『MOW』と表記)の主人公にして、『餓狼伝説』シリーズの悪役であるギース・ハワードの実の息子。しかし母を省みなかったギースを恨んでいる[1]。
病身の母との2人暮らしを経て、その母の死後はテリー・ボガードを養父として育つ。なお、その頃は既にギースもテリーに倒されて死亡しており、ギースの死を知ったロックはやり場のない怒りをぶつけるためテリーに戦いを挑んだという。
格闘技の手解きは養父のテリーに受けているため、テリーと同じ技(ライジングタックル)を使うが、父と同じ技(烈風拳やレイジングストームなど)も使う[2]。『MOW』のロック自身のエンディングにおいて、母に関する秘密がほのめかされたが、続編が作られていないため謎のままに終わっている[3]。
男だらけの中で育てられたため、女性が苦手であり、双葉ほたるやB.ジェニーと戦った時の勝利メッセージにもそれが表れている。
養父の弟であるアンディ・ボガードとは面識がなかったらしく、アンディの弟子の北斗丸と対戦した際に「どこかで聞いたような流派の使い手だ」という趣旨の発言をしている。ちなみに、ドンファン・ジェイフン兄弟とは旧知の関係。
客演作品
『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下『KOF』と表記)シリーズの『KOF2001』と『KOF2002』ではテリーの勝利ポーズに登場する。ここでは若い姿のテリーに応じて、ロックも子供の姿である。一方オリジナルシリーズとはパラレル関係にある『KOF MAXIMUM IMPACT』(以下『MI』と表記)シリーズでは『MOW』と同じ姿で登場し、『MI』とオリジナルシリーズの『KOF XI』の両方の後日談であるアニメ『The King of Fighters: Another Day』でも成長した姿となっている。
『CAPCOM VS. SNK 2』(以下『カプエス2』と表記)では『MOW』とは違い女性キャラクターへの対応は普通なものになっているが、それでもグラマラスで露出度の高いモリガン・アーンスランドに言い寄られたさいにはシャイな反応が見られる。
一方『MI』シリーズにて不知火舞との会話で「俺がテリーの息子だとすると、舞さんは自分にとってはおば・・・」と言った時点で舞にたしなめられて、勝利後は「こんな人と一緒でアンディさんも苦労するな」とつぶやいている。『KOF MAXIMUM IMPACT2』(以下『MI2』と表記)ではニノン・ベアールには不気味さから少し怖気づいていた(ニノンにとってロックは異性として好みのタイプである)。ただ『KOF MIXIMUM IMPACT REGULATION "A"』に出場しているブルー・マリーとはテリーを通じて顔見知り程度になっているため、対応は普通な上、マリーの本名も知っている。
『MI2』やアニメ『Another Day』では、実父の側近であったビリー・カーンに執着されており、ビリーからは「あのお方の息子」と呼ばれ、その発言に声を荒らげて「あの男の息子なんかじゃない」と反論する。
また、恋愛シミュレーションゲーム『Days of Memories』シリーズにも登場している。初登場となる『Days of Memories 〜彼と私の熱い夏〜』は『Days of Memories』シリーズ唯一の女性向きストーリー作品で、ロックは江坂の雷門学園(高等学校)にやってきた転校生という設定。そのルックスから転入早々、女子生徒たちのアイドル的存在となり影で「王子」と呼ばれファンクラブが結成されている。だがシャイな性格の設定がここでも健在で、あまり居心地よく思っていない。テリーがコーチを務めるバスケ部に入るが、その天性の才能のためか周囲と対立、親しい友人はいない様子。保護者代わりでもあるテリーだけを信頼している。テリーと一緒に寮で生活している。公式設定では17歳である年齢が、この作品では16歳になっている。その他『Days of Memories 〜風舞う都でつかまえて!〜』『Days of Memories 〜世界で一番熱い冬〜』にも出演している。ちなみにキャラクター設定は原作に忠実だが、『Days of Memories』自体はパラレルワールドである。
キャラクターの性能
必殺技の種類は実父のギースと養父のテリーの物が混在した取り合わせになっていて、多彩な技を使うことができる。
しかし、プレイヤーデビュー作品の『MOW』では各種技の判定が弱い、リーチが短く、避け攻撃の無敵時間が短い、「デッドリーレイブ」や「レイジングストーム」等の必殺技の攻撃力が低い事から、主人公でありながら最弱キャラクターに位置している。
各種技の解説
通常投げ
- 虚空閃
- いわゆる背負い投げ。
- グラッブリングアッパー
- 『カプエス2』でのみ使用する。相手をつかみアッパーで殴り飛ばす。
特殊技
- アークキック
- 『MOW』では下段避け攻撃。前進しながら振り上げた踵を落とす。
- 技名は『カプエス2』でのもの。
必殺技
- 烈風拳
- 掌に気を溜め、地面に気をぶつけ気の波を作り相手に放つ。ギースの同名の技とほぼ同じ。
- ダブル烈風拳
- 両掌に気を溜め、片手ずつ地面に気をぶつけた後に気の波を重ね大きな気の波を作り相手に放つ。これもギースの同名の技とほぼ同じ。
- ダブル烈風拳・改
- 『MI2』から使用。目の前に射程の短い「ダブル烈風拳」を作りだす。
- 「ダブル烈風拳」を出した直後にコマンドを入力すると、この技に移行する。こちらは相手を吹き飛ばし、他の必殺技でキャンセルが出来る。
- 真空投げ
- 相手を掴んで素早い動作で後方高くに投げ飛ばす技。ギースの同名の技とほぼ同じだが、ブレーキングが可能で、それにより投げた相手に空中追撃ができる。「レイジラン・type「シフト」(後述する)」から出すと投げた相手が飛ばされる軌道が変わり、近くに落ちてくるようになる。
- 羅刹
- 「真空投げ」のブレーキングからさらに移行する専用の追撃技(『MI2』ではブレーキングとは別のコマンド)。片手に気を溜めて突き出し発射する。投げて浮いた相手に腕を回した後で気をまとった掌底を放つ動作はギースの「羅生門」に似ているが関連性は不明。
- ライジングタックル
- 足を上に向けて錐揉み回転しながら飛び上がる技。テリーのものとほぼ同じだが、ヒット数は少なめ。
- ハードエッジ
- 肘打ちで突進する技。強で出すと肘打ちの後に気を込めた掌底も決める。動作はギースの「邪影拳」に似ているが、性能としてはテリーの「バーンナックル」に近い。
- クラックカウンター
- 相手の攻撃を受け止め、テリーの「クラックシュート」のような踵落としを決める。
- ギースの「当て身投げ」とテリーの「クラックシュート」を合わせたような技。
- ボルディング
- 『MI』シリーズのみに存在する、「クラックカウンター」からの追撃技。踵落としでダウンさせた相手を蹴り飛ばす。
- レイジラン
- 素早くダッシュする。ボタンの強弱で接近後の行動と技名が変わる。
- レイジラン・type「ダンク」
- テリーの「パワーダンク」のように飛びながら拳を打ち下ろす。
- レイジラン・type「シフト」
- さらに加速し相手の後ろに回り込む。回り込んだ後に「真空投げ」に派生可能。
- レイジラン・type「セーブ」
- 『カプエス2』のみの技。攻撃をせずに停止する。
- レイジラン・type「アッパー」
- 『MI2』からの技。アッパーカットで相手を打ち上げる。
T.O.P.アタック
- オーバーヘッドキック
- 高い放物線の軌道で跳んで繰り出す。『MI』シリーズでは特殊技になっている。
超必殺技(潜在能力)
- レイジングストーム
- 両腕を地面に振り下ろし、自分の周りに勢い良く気を立ち上らせる技。ギースのものとは違い、気の奔流とでもいうべきエフェクトになっている。ギースより出しやすいコマンドになっているが、威力は低い。
- この技で勝利すると専用の勝利ポーズとなり、体から溢れ出る気を納められずに苦しむ。『MOW』では勝利画面のメッセージも専用のものとなる。
- 『MOW』の潜在能力、『カプエス2』のLV3バージョンなどは溜めて出すことも出来る。
- シャインナックル
- 拳に光を纏わせ突進する。潜在版は突進後、肘打ち(上段避け攻撃と同じ動作)から「ライジングタックル」に繋ぐ。
- この技にも専用の勝利ポーズがあり、こちらは上着を相手に投げる。
- デッドリーレイブ・ネオ
- 相手に突進して連続攻撃を叩き込む技。ギースの「デッドリーレイブ」とほぼ同じだが、最後に気を込めた一撃を放つ際に、その反動で自分の体勢を若干崩す演出がある。
- この技で勝利した場合、「レイジングストーム」同様の勝利ポーズになる。
- ネオ・レイジングストーム
- 『MI2』から使用。「ダブル烈風拳・改」で相手を空中に打ち上げ、落ちてくると同時に「レイジングストーム」を放つ。
その他
- 『KOF』製作スタッフが『KOF2000』にロックを出演させようと『餓狼』製作スタッフに頼んだところ「ロックはこれから育てていくキャラクターなので出させないで欲しい」と断られた。これに悔しい思いをした『KOF』製作スタッフは、「『KOF』にロックは出さない」という意思表明として『KOF2001』で子供姿のロックを登場させた[4]。ただし後の『MI』シリーズではロックがプレイヤーキャラクターとして登場している。
- 『MI』シリーズではアナザーコスチュームとして『月華の剣士』の主人公、楓のコスチュームを着たロックが使用できる。
- パチスロ機『餓狼伝説Special』ではレア演出としてテリーステージでロックが登場する。さらに2009年1月に導入が開始されたパチスロ機『マキシマムインパクト』にも登場。キャラクターをソワレ・メイラに選択した場合、バトル演出STAGE2の対戦相手となる。
脚注
- ↑ 本編と直接関係があるわけではないが、『バトルファイターズ餓狼伝説』の2作目では、ギース自身も父に捨てられ、母親が死んだことで父を恨んでいるという設定が加えられている。この父というのは、ヴォルフガング・クラウザーの父ルドルフであり、ギースとクラウザーは異母兄弟の設定になっている。
- ↑ ギースの技を使えるのは「血のなせる技」であり、特にレイジングストームやデッドリーレイブは知らぬうちに習得していたと『MOW』の公式サイトに記されていた。
- ↑ この続編はSNKが倒産する前まで7割ほど開発が進んでいたが、倒産の影響による資料の紛失や設定を知る開発スタッフの流出などで有耶無耶になってしまったとの事。
- ↑ 『THE KING OF FIGHTERS 2001 FIGHTING OBSESSION』 エンターブレイン発行
関連人物
- テリー・ボガード - 養父
- ギース・ハワード - 実父
- カイン・R・ハインライン - 母方の叔父
- ヴォルフガング・クラウザー - 実父の異母兄弟
- ビリー・カーン - 「ギースの息子」という事実に執着している敵役(ロックにとっては迷惑この上ない存在)
- ニノン・ベアール - 想いを寄せられている(不気味な)少女、『MI』キャラクター