ニューヨーク市地下鉄
ニューヨーク市地下鉄(ニューヨークしちかてつ、New York City Subway)は、ニューヨークシティー・トランジット・オーソリティー (New York City Transit Authority: NYCTA) によって運営されている地下鉄。路線網はマンハッタンを中心にスタテンアイランドを除くニューヨーク市内のほぼ全域に広がっており、路線総延長は1355kmに及ぶ。
目次
歴史
ニューヨークの地下鉄は現在、公営のニューヨーク市都市交通局が路線を管理・運営しているが、元は3つの鉄道会社が独自に路線網を展開していた。都市高速交通会社 (Interborough Rapid Transit Company、IRT) が1904年に最初の地下鉄路線 (City Hall - 145th Street) を開業して以降、ニューヨーク市は、ブルックリン高速交通 (Brooklyn Rapid Transit、BRT)(1923年に一旦倒産し、ブルックリン・マンハッタン交通会社 (Brooklyn-Manhattan Transit Corporation、BMT) と改称)とも別個の地下鉄建設契約を1913年に締結し (Dual Contracts)、この2社に競わせる形で市内の地下鉄の建設を推進した。またニューヨーク市も独自に独立地下鉄網 (Independent Subway System、IND) を1932年に開業させ、路線の更なる拡充を図った。こうして20世紀初頭から中期にかけて、ニューヨーク市において、3つの異なる鉄道会社が地下鉄と高架鉄道を中心とする路線を拡大した。なお、高架鉄道は1871年に最初の路線が開業したが、地下鉄の整備が進むにつれて多くの路線がそれに接続されるか廃止され、マンハッタン島内では1956年に全廃された。
しかし、1940年に、ニューヨーク市は両社を買収し、IRTとBMTの路線の公社路線化とINDへの統合を決定した後、一部の路線を廃止し、一つの鉄道網を構築することになった。車体長15mの小型車を使用するIRTの路線はDivision A として、19m以上の大型車を使用するBMTとINDの路線はDivision B と称して運営されている。その後、ニューヨーク市は、1953年にニューヨーク市都市交通局を開設し、全路線をその管轄下に置いた。また、ロングアイランド鉄道 (LIRR) から老朽化した一部の高架路線を買収・修復して既存のAラインと接続した。NYCTAは、1968年にニューヨーク州都市交通局 (Metropolitan Transportation Authority: MTA) の管轄下に組み込まれ、米国内では珍しい充実した公共交通ネットワークを持つ、ニューヨーク都市圏の重要な交通体系を担っている。
ニューヨーク市地下鉄は、24時間運行や複々線による急行運転で高い評価を受けてきたが、1970年代以降、施設の老朽化・車体全体を覆いつくすことすらあった車両へのスプレー落書き(グラフィティ)・車内、駅構内での凶悪犯罪行為が目立つようになった。これらは米国内のみならず、メディアを通じ海外にも広く知れ渡る悪評と化していた。このため1980年代中盤以降、駅のリニューアル工事・ステンレス車両の導入・警備体制の強化等が行われ、犯罪や落書きは減少し、評価を取り戻した。しかし未だに世界の他の都市のそれに比べると駅や電車は不衛生で電車の時刻はいい加減、現業職員の接客態度の悪さなど課題は多数残っている。特に2005年に行われたストライキは、利用者を顧みない現業職員の身勝手な行為として市民の不評を買った。
ロワー・マンハッタンにはA・Cラインのブロードウェイ/ナッソー通り駅と、J・M・Zラインのフルトン通り駅、2・3ラインのフルトン通り駅、4・5ラインのフルトン通り駅が至近距離にあるにもかかわらずバラバラに存在するため、これら四つの駅を統合して総合駅 (Complex) 化する Fulton St Transit Center Project が2009年の完成に向け進行中だが、予算をオーバーしたため当初の計画より縮小される。
2007年4月には、1972年に着工されたが、直後に中断されていた 2番街地下鉄(en:Second Avenue Subway) (125丁目 - ハノーヴァー・スクウェア)の建設が30年ぶりに再開された。まずは一部区間(Qラインの延長という形で2番街96丁目まで)が開通する予定で、全線が開通した時は、北半分を走るこのQラインに加え、全線通しのTライン(ラインカラーは水色)がお目見えする計画である。
また、7ラインが2013年までに現在の終点であるタイムズ・スクウェア42丁目駅から11番街34丁目駅まで延伸される計画だが、途中に設けられる予定だった10番街41丁目駅については予算の問題で建設しないことが検討されている。
路線と運転系統
特徴
日本の地下鉄とは異なり、ニューヨーク市地下鉄では運転系統と路線名称が一致しない場合が多く、営業案内や日常会話では東京都電車や大阪市電のように、もっぱら運転系統が重視されている。2014年3月現在は24の系統が設定されているが、路線名称としては34路線が存在する。
各系統は運転区間や停車駅によって急行(Express または EXP)、各駅停車(Local または LCL)、シャトル(Shuttle)の3種類に分類されるている。各系統の独立性は高く、7系統と42丁目シャトル、J系統とZ系統のように、全く同じ区間を走行する場合でも停車駅が違うため別々の系統として扱われることがある。また急行運転区間は全区間が複々線ないし三線となっており、急行系統と各駅停車系統が接続を取ったり、通過待ちを行うといったことは行われない。
24時間運転を行っていることも特徴の一つであり、ニューヨーク市地下鉄の優れている点として挙げられることが多い。ただしフルトン通り線ロッカウェイ・ブルバード駅~オゾン・パーク-レファーツ・ブルバード駅間などのように深夜から早朝にかけて運休したり、各駅停車が運休して急行が代替として各駅に停車する区間も存在するため、深夜の利用には治安以外の観点でも注意が必要である。
また、
- 事故や災害、保線作業などで本来の経路を経由できないため、当該区間を迂回して運行を継続する
- 著しい遅延が発生したため、各駅停車の系統であっても臨時に急行運転を行い間隔を調整する
- 沿線ないし線路設備に事故が発生したため、最寄の駅を通過する
などかなり臨機応変に変更がなされるため、駅や車内の放送、MTAのホームページなどで運行情報に注意を払う必要である。保線作業や工事の場合は事前にMTAの公式ホームページ内にある「Subway Service Changes」の項目にて告知されるため、確認することができる。
- 告示の例
- No trains between A and B. --- A から B までの区間は運休。
- Service operates between A and B --- A から B までの間のみ運行。
駅案内
駅名には独特の表記方法が用いられており、例として42丁目は一般的に“42nd Street”という書きかたをするが、“42 Street”または“42 St”という表記が使われ、読みかたは通常どおり“Fourty Second”である。Avenueの場合も省略形が通常の“Ave.” ではなく、eとピリオドが消えて“7 Av”のように表記される。
また、駅名表示が統一されていないのも特徴で、ファーロッカウェイ・モットアベニュー駅ではホーム上の駅名板では「ファーロッカウェイ」となっているが、同じホームにある柱には「モットアベニュー」と表示されていて、駅自体の出入口には場所により「ファーロッカウェイ駅」と「モットアベニュー駅」という2種類の表示がある。他にも、207丁目-インウッド駅では、一カ所の出入口を除き「207丁目」と表記されている。これら以外にもまちまちな表記法が散見され、車両によっては同じ駅ながら「コニー・アイランド」と「スティルウェルアベニュー」などと、一見別の行き先であるかの様な表記が混在しており、不慣れな乗客の誤乗の一因となっている。
警察官が常駐している駅
駅名(フルネーム表示) | 路線記号(太字は24時間運行) |
---|---|
59 Street - Columbus Circle / 8 Avenue | A・B・C・D・1 |
145 Street / Saint Nicholas Avenue | A・B・C・D |
161 Street - Yankee Stadium / River Avenue | B・D・4 |
Broadway Junction (Eastern Parkway) | A・C・L・Z |
Briarwood / Van Wyck Boulevard / Main Street | E・F |
Canal Street / 6 Avenue | A・C・E |
Coney Island-Stillwell Avenue / Surf Avenue | D・F・N・Q |
East 180 Street / Morris Park Avenue | 2・5 |
Franklin Avenue / Eastern Parkway | 2・3・4・5 |
Hoyt Street-Schermerhorn Street | A・C・G |
Rockaway Park / Beach 116 Street | A・S |
駅構内の電光行き先案内
一部の大きな駅のホームには、電光行き先案内設備が備え付けられている。左側から、「終点の駅名(行き先)」・「分表示」と表示されている。 「分表示」の意味は、「何分後にこの行き先の地下鉄が来るのか」を表示している。例として「5min(5分)」を表示されていれば、「5分後にこの行き先の地下鉄が来ます」という意味である。 なお、黄色い文字が1番目、緑色の文字が2番目に来る地下鉄である。
運行時間帯
運行時間帯は5つに分けられる。
- Rush Hours --- 混雑時間帯。6:30~9:30までの間と、15:30~20:00までの間。月曜日から金曜日まで適用。
- Middays --- 昼間時間帯。9:30~15:30までの間。月曜日から金曜日まで適用。
- Evenings --- 夜間時間帯。20:00~深夜0:00までの間。月曜日から金曜日まで適用。
- Weekends --- 週末時間帯。6:30~深夜0:00までの間。土曜日と日曜日のみ適用。
- Late Nights --- 深夜時間帯。深夜0:00~6:30までの間。毎日適用。
運行系統一覧
各系統は色付きの丸の中に記番号(6・7ラインの急行のみ、菱形の中に番号)で表される。2010年6月28日にV線、W線が廃止され、B,D,F線やN,R,Q線の運航形式が変更された。またM線が、V線の後を継ぎラインカラーをオレンジに変更する。G線もクィーンズの一部区間を廃止する。Z線の廃止については現在未定。
記番号 | 系統名 | 運営時間 | 区間・その他備考 |
---|---|---|---|
20px | 8 Avenue Express 8番街線・急行 |
24時間運行、0:00~6:30までの深夜時間帯は各駅停車 | インウッド207丁目 - オゾン・パーク/レファーツ大通り までと、インウッド207丁目 -ブロード・チャネル - ロッカウェイ大通り - ファー・ロッカウェイ/モッツ街(この区間は6:30~0:00までの間運行) インウッド207丁目 - ロッカウェイ大通り - ファー・ロッカウェイ/モッツ街(この区間は0:00~6:30までの間運行) |
20px | 8 Avenue Local 8番街線・各駅停車 |
6:30~0:00まで運行、0:00~6:30までは運休。 | ワシントンハイツ/168丁目 - ユークリッド街 0:00~6:30までは、A線利用。 |
20px | Queens Boulevard Express-8 Avenue Local クイーンズ大通り線・急行/8番街線・各駅停車 |
24時間運行、0:00~6:30の時間帯は各停運転、6:30~0:00の時間帯は、急行運転。 | ジャマイカ・センター/パーソンズ・アーチャー - ブライアーウッド/ヴァン・ウィック大通り - チェンバーズ通り/ワールドトレードセンター |
20px | Concourse-6 Avenue-Brighton Express コンコース線/6番街線/ブライトン線・急行 |
6:30~0:00まで運行。(平日のみ) | ベッドフォード・パーク大通り - 145丁目 - ブライトン・ビーチ間は6:30~9:30と15:30~20:00のラッシュ時のみ運行。マンハッタン地区は急行運転。それ以外は各駅停車。 145丁目 - ブライトン・ビーチ間は9:30~0:00まで運転。マンハッタン地区の上がりのみ各駅停車で、ブルックリン地区とマンハッタン地区の下りのみ、急行運転。
|
20px | Concourse-6 Avenue-West End Expess コンコース線/6番街線/ウェスト・エンド線・急行 |
24時間運行、0:00~6:30までの間はブルックリン地区各駅停車。 | ノーウッド205丁目 - コニーアイランド/スティルウェル街 |
20px | Queens Boulevard-6 Avenue-Culver Local クイーンズ大通り線/6番街線/カルヴァー線・各駅停車 |
24時間運行 | ジャマイカ/179丁目 - コニーアイランド/スティルウェル街 フォレスト・ヒルズ/71番街からクイーンズ橋/21番街までの区間は急行運転。マンハッタン地区とブルックリン地区は各駅停車。 |
20px | Queens Boulevard-6 Avenue Local クイーンズ大通り線/6番街線・各駅停車 |
平日日中のみ運行 | フォレスト・ヒルズ/71番街 - ロワー・イースト・サイド/2番街 2010年6月28日に廃止され、M線が後を引き継ぐ。 |
20px | Astoria-Broadway-Sea Beach Express アストリア線/ブロードウェイ線/海岸線・急行 |
24時間運行、0:00~6:30の間は各駅停車 | アストリア/ディトマース大通り - 運河通り - パシフィック通り - コニーアイランド/スティルウェル街 (運河通り - パシフィック通り間、日中はマンハッタン橋経由、深夜はモンタギュー通りトンネル経由) |
20px | Broadway Express-Brighton Local ブロードウェイ線・急行/ブライトン線・各駅停車 |
24時間運行 | アストリア/ディトマース大通り - コニーアイランド・スティルウェル街までは、6:30~0:00までの平日および土曜日・日曜日において運行。マンハッタン地区は急行運転、クィーンスとブルックリン地区は各駅停車。 57丁目 - コニーアイランド・スティルウェル街までは、0:00~6:30までの平日と、6:30~0:00までの土曜日・日曜日において運行。 |
20px | Queens Boulevard-Broadway-4 Av Local クイーンズ大通り線/ブロードウェイ線/4番街線・各駅停車 |
24時間運行 | 0:00~6:30は36丁目 - ベイ・リッジ95丁目までのシャトル運行となる。それ以遠はN線とR線を利用する。 フォレスト・ヒルズ71番街 - 36丁目 - ベイ・リッジ95丁目 |
20px | Astoria-Broadway Local アストリア線/ブロードウェイ線・各駅停車 |
平日日中のみ運行 | アストリア/ディトマース大通り - ホワイトホール通り 2010年6月28日に廃止。 |
20px | Jamaica-Nassau Street Local ジャマイカ/ナッソー通り線・各駅停車 |
6:30~9:30と、15:30~20:00の間のみ千鳥急行 | ジャマイカ・センター/パーソンズ・アーチャー - チェンバーズ通り - ブロード通り (チェンバーズ通り - ブロード通り間は平日のみ) |
20px | Myrtle-Nassau Street-West End Local マートル街線/ナッソー通り線/ウェスト・エンド線・各駅停車 |
土曜日・日曜日と0:00~6:30までの間はマートル街のみのシャトル運行。それ以遠はJ線利用 | ミドル・ヴィレッジ/メトロポリタン街 - マートル街 - チェンバーズ通り - ベイ・パークウェイ (チェンバーズ通り - ベイ・パークウェイ間はラッシュ時のみ運行。マートル街 - チェンバーズ通り間は平日のみ運行) |
20px | Jamaica-Nassau Street Skip-Stop Express ジャマイカ/ナッソー通り線・千鳥急行 |
6:30~9:30までの間と、15:30~20:00までの間のみ運行。この時間帯以外は、J線利用。 | ジャマイカ・センター/パーソンズ・アーチャー - ブロード通り |
20px | Crosstown Local クロスタウン線・各駅停車 |
24時間運行 | チョーチ通り - ロング・アイランド・シティ/コート・スクウェア - スミス9丁目 2010年6月28日より、終点をロングアイランド・シティ/コート・スクウェアに変更。フォレスト・ヒルズーロングアイランド・シティの運行を廃止。 |
20px | 14 Street-Canarsie Local 14丁目/カナーシー線・各駅停車 |
24時間運行 | 8番街 - カナーシー/ロッカウェイ・パークウェイ |
20px | 42 Street Shuttle 42丁目シャトル |
6:30~0:00(平日・土曜日・日曜日) 0:00~6:30の間は運休 |
タイムズスクエア / 42丁目 - グランド・セントラル / 42丁目 運休となる0:00~6:30は、重複している7線を利用する。 |
Franklin Avenue Shuttle フランクリン街シャトル |
24時間運行 | フランクリン街 - プロスペクト・パーク | |
Rockaway Park Shuttle ロッカウェイ・パーク・シャトル |
24時間運行 | ブロード・チャネル - ロッカウェイ・パーク/海岸116丁目 | |
20px | Broadway-7 Avenue Local ブロードウェイ線/7番街線・各駅停車 |
24時間運行 | ヴァン・コートランド・パーク/242丁目 - サウス・フェリー |
20px | White Plains Road-7 Avenue Express ホワイト・プレーンズ街道線/7番街線・急行 |
24時間運行 | ウェイクフィールド / 241丁目 - フランクリン街 - フラットブッシュ街 / ブルックリン大学 区間を運行。 平日と土曜日・日曜日は、マンハッタン地区は急行運転。ブロンクス地区とブリックリン地区は各駅停車。 |
20px | Lenox Avenue-7 Avenue Express レノックス街線/7番街線・急行 |
24時間運行 0:00~6:30までの間は区間運転 |
ハーレム/148丁目 - タイムズ・スクウェア / 42丁目 - ニュー・ロッツ街 (0:00~6:30までの時間帯は148丁目 - タイムズ・スクウェア / 42丁目間のみで、マンハッタン地区は急行運転。) マンハッタン地区は急行運転。ブルックリン地区各駅停車。 |
20px | Jerome Avenue-Lexington Avenue Express ジェローム街線/レキシントン街線・急行 |
24時間運行、0:00~6:30までの間は各駅停車 | ウッドローン - クラウン・ハイツ/ユーティカ街 - ニュー・ロッツ街 (クラウン・ハイツ - ニュー・ロッツ街間はラッシュ時および深夜のみ) |
20px | Dyre Avenue-Lexington Avenue Express ダイアー街線/レキシントン街線・急行 |
0:00~6:30までの間はダイアー街のみのシャトル運行。 | イーストチェスター/ダイアー街 - 東180丁目 - ボウリング・グリーン - フランクリン街 - フラットブッシュ街/ブルックリン大学(ボウリング・グリーン - ブルックリン大学間はラッシュ時のみ、0:00~6:30までの間はダイアー街 - 東180丁目間のみ) - フランクリン街 - クラウン・ハイツ/ユーティカ街またはニュー・ロッツ街 |
20px | Pelham-Lexington Avenue Local ペラム線/レキシントン街線・各駅停車 |
24時間運行 | ペラム・ベイ・パーク - パークチェスター - ブルックリン橋/シティ・ホール間は、20:00~0:00の平日、0:00~6:30までの毎日、6:30~0:00までの土曜日・日曜日運転。 パークチェスター または、ペラム・ベイ・パーク - ブルックリン橋/シティ・ホール間は、6:30~20:00までの平日のみ運転。 |
20px | Pelham Express-Lexington Avenue Local ペラム線・急行/レキシントン街線・各駅停車 |
6:30~20:00までの時間帯で、平日 | パークチェスター または、ペラム・ベイ・パーク - ブルックリン橋/シティ・ホール パークチェスター行きは各駅停車にて運転。ペラム・ベイ・パーク行きはブロンクス地区のみ急行運転、マンハッタン地区は各駅停車。 |
20px | Flushing Local フラッシング線・各駅停車 |
24時間運行 | フラッシング/メインストリート - タイムズスクエア/ 42丁目 |
20px | Flushing Express フラッシング線・急行 |
6:30~9:30までの間と、15:30~20:00までの間のみ、夜間は22:00まで運行 | フラッシング/メインストリート - タイムズスクエア / 42丁目 |
車両
営業用車
ニューヨーク市地下鉄は、2002年の段階で6,400両以上に及ぶ車両数を抱えている。1940年にニューヨーク市がすべての地下鉄路線を公営化して以降、車両の発注は、すべてニューヨーク市が行っている。ニューヨーク市地下鉄の車両は、車両番号の前に「R」をつける慣習があり、また車両番号は市当局と車両メーカーとの購入契約時の番号に依っている。Rが何を意味するのかについては、以下の3つの説があるが、未だに不明である。
- Revenue(=Passenger Equipment、客車)という鉄道用語から来た説
- Rolling stock(=車両)という鉄道用語から来た説
- Rapid transit(高速輸送車)という一般用語から来た説
ニューヨークの地下鉄は、その発展段階で、IRTとBMT&INDという2つの異なる鉄道システムを構築したために、車両もDivsion AとDivision Bで異なる規格の車両が導入されている。なお、Division Bの車両(横3m、長さ18.4m及び22.8m)は、Divsion Aの車両(横2.67m、長さ15.5m)よりも大きめに造られている。
現有車両は、以下のとおり。すでに廃車された車両を含めたすべての車両リストは、en:New York City Subway rolling stockを参照。
- Division A: R62、R62A, R142、R142A、R142S, R188
- Division B: R32, R32A,R42, R44, R46, R68, R68A, R143, R160A、R160B
この他、退役した代表的な形式がNYCTAにより多数保存されており、ブルックリンにある地下廃駅を活用したニューヨーク交通博物館に展示されているほか、コニーアイランド車両基地の専用ヤードにも多くが保管されている。また、稼動状態に整備されている
- BMT Brooklyn Union Gate Cars
- BMT D-Type Triplex
- IRT Low-V
- R1-R9
- R12-R36 SMEE
といった各車は、しばしば休日を中心に本線走行することもある。特に2004年の地下鉄開業100周年の際は、これら動態保存車がフル稼働し、一部は42丁目シャトルなどで一般営業列車にも使用された。
車内案内表示装置
R142やR160などの新しい車両には、出入口ドアの上に新式の路線案内(車内案内表示装置)が取りつけられた。A Divisionの路線にはStrip Mapと呼ばれる案内用LED付の路線図、B Divisionの路線にはFIND (Flexible Information and Notice Display) と呼ばれる現在の地点より先の部分が表示されていくもの(日本に単体ではこのタイプはないものの、液晶の表示としては存在する)が採用された。
車内案内表示装置に表示される文章の意味
- 「LAST STOP」・・・直訳すると「最終停止」、意訳すると「終点」となる。つまり、この車両編成は、この駅にて終点であってなおかつ折り返し運転する。
- 「EXP」・・・「EXPRESS」の略語で、急行運転。
- 「LCL」・・・「LOCAL」の略語で、各駅停車。
事業用車
事業用車両も存在して、変わったところでは現金輸送車 (Cash Carry Coach/Money Train) や各駅のホームから発生するゴミ収集塵芥用無蓋貨車 (Garbage Train)、工事用クレーン車 (Understruction Train)、廃車予定車からの転用工事車両、そしてゴミ収集塵芥用無蓋貨車とクレーン車を牽引するためのGE(ゼネラル・エレクトリック社)製のディーゼル機関車もある。日本の地下鉄における機関車といえば東京都交通局のE5000形電気機関車を上げられるが、こちらは電車を自走できない区間を回送する際に牽引するのみ。
切符情報
メトロカードを使用する。 購入は駅や一部の街中にあるNewsstandなどで比較的購入は容易。ただしGrand Central(42nd Street)を筆頭とする大きな駅では不慣れな旅行者のせいで券売機の前に行列ができることも多く注意が必要。地下鉄やバスを多く利用する場合はチャージの出来るタイプのMetroCardを買うと楽。 運賃方式は日本と異なり一律。BronxからBrooklynまでのっても、一駅しか乗らなくても同じ$2.50(2013年11月現在)である。
その他
メジャーリーグにおいて、ニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツとの試合は、2チームの本拠地球場をニューヨーク市地下鉄で行き来できることから、サブウェイ・シリーズ(地下鉄シリーズ)と呼ばれる。
関連項目
- Graphical New York City Subway timeline(英語版)
- ニューヨーク市地下鉄の駅一覧
- アメリカ合衆国の鉄道
- マンハッタンの地下鉄 (Subway)
- 地下鉄
- パストレイン
- マンハッタン橋 - B, D, N, Qラインが通っている。
- ウィリアムズバーグ橋 - J, M, Zラインが通っている。
- A列車で行こう - ニューヨーク地下鉄Aラインに乗ってハーレムに行こう、という内容の曲。
- 営団500形電車 - ニューヨーク地下鉄の車両を元に開発された丸ノ内線の車両。
- サブウェイ・パニック、サブウェイ123 激突 - ペラム・ベイ・パーク13時23分始発の便がハイジャックされる。
- ジョンストン・マッカレー - ニューヨークの地下鉄を舞台とした小説「地下鉄サム」シリーズの作者。