深谷賢治
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
深谷 賢治(ふかや けんじ、1959年3月12日 - )は数学者。京都大学教授。神奈川県生まれ。東京大学卒(1981年)。同大学院修士課程修了(1983年)。博士号取得(1986年)。日本学士院会員。
専門は幾何学で、リーマン多様体の崩壊、アーノルド予想の解決、ミラー対称性予想への貢献、深谷圏(A∞圏)の定義等の業績がある。
専門は、最初のころは大域リーマン幾何学(空間の「曲がり方」を調べる分野)、その後、ゲージ理論(数学的側面は近年位相幾何学にも応用されている)も研究し、現在の専門はシンプレクティック幾何学(解析力学の数学的基礎でその大域的な側面を研究)。
受賞・講演歴
- 1987年 - 井上科学振興財団井上研究奨励賞:一定数より直径と曲率が小さいリーマン多様体の集合の境界
- 1989年 - 日本数学会幾何学分科会幾何学賞:リーマン多様体の崩壊理論とその応用に関する一連の独創的な業績
- 1990年 - 日本数学会春季賞:Floer ホモロジー理論の研究
- 1990年 - ICM招待講演
- 1994年 - 日本数学会春季賞:Floer ホモロジー理論の研究
- 2002年 - 井上科学振興財団井上学術賞:量子化の手法による幾何学の研究
- 2003年 - 日本学士院日本学士院賞:微分・位相幾何学の研究
- 2006年 - ICM全体講演
- 2009年 - 朝日新聞文化財団朝日賞
著作
- 「ゲージ理論とトポロジー」 シュプリンガー・フェアラーク東京
- 「数学者の視点」岩波書店
- 「これからの幾何学」 日本評論社
- 「電磁場とベクトル解析」 岩波書店
- 「解析力学と微分形式」 岩波書店
- 「双曲幾何」 岩波書店
- 「シンプレクティック幾何学」 岩波書店