SH-AWD

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SH-AWDSuper Handling All-Wheel-Drive)は、本田技研工業四輪駆動システムである。日本語表記は「四輪駆動力自在制御システム」

概要

SH-AWDはセンターデフを持たず、リアドライブ部には左右の駆動力を調整する電磁ソレノイドで駆動される湿式多板クラッチを持つ。その点では同社のVTM-4と酷似しているが、異なる部分はそれらが旋回性能を向上するために利用される点にある。旋回加速時には外側後輪の接地荷重が増大するため、より多くの駆動力を配分することにより内側へのヨーモーメントを発生させている。

プロペラシャフトとリアドライブとの間に遊星ギアを組み込み、後輪への回転数を直結状態では0.6%、旋回時に5.7%高め、リアドライブ内のクラッチにより積極的に外側の後輪に駆動力を配分している。(駆動力配分は、前後で30対70→70対30、後輪左右で0対100→100対0まで無段階で可変することが可能。)後輪は旋回時に外輪が100%、内輪0%まで配分が可能で、この配分により生じる後輪左右のトルク差によって旋回時の動力性能を向上させた。ただし、効果が期待出来るのは加速時及び定速走行時(アクセルオン)のみであり、減速時(アクセル全閉時)には横滑り防止装置との協調制御により挙動の安定を確保している。

2006年に登場したRDX及び2代目MDXには、リアドライブ前にあった2段増速機構を廃止した軽量仕様が適用された。後輪は常時1.7%増速され、直進状態での前後輪の回転差は、リアデフが吸収している。

開発史

芝端康二が最初に提案した四輪駆動システムは前輪と後輪の間で駆動力を配分するものであった。しかし、それはすでに他社が開発に着手しており、ホンダとしての独自性がないとして上層部に却下された。芝端は左右の車輪間での駆動力配分の可能性を見いだし、四輪駆動のシビックを改造し、後輪の片側だけに駆動力を伝える三輪駆動の試作車で実走し後輪の左右でのトルク配分の効果を確認し、本格的な開発に至った。

その後、2代目レジェンドに後輪左右駆動力配分システムを搭載した試作車を開発し、1991年には東京モーターショーコンセプトカーであるFS-Xを発表。3代目インテグラにこのシステムを搭載すべく開発を進めたが、市販を断念した[1]

1996年には左右駆動力配分システムを後輪ではなく前輪に搭載したATTSプレリュードで市販化した。

搭載車種

脚注

  1. インテグラの高性能モデルは、自然吸気エンジンの前輪駆動モデルのインテグラタイプRとなった。

関連項目

外部リンク

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