ロゴス (ガンダムシリーズ)

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ロゴスLogos)は、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の組織。


概要

劇中ロゴスは、ブルーコスモス盟主を含む10人の幹部で構成する組織で、ブルーコスモスの支持母体であるとされている。代表者の肩書きは「代表」。ブルーコスモスがコズミック・イラに入って誕生したのに対しロゴスの歴史は古く、人類の有史以来[1]存在し続けてきた[2]という。

組織性格について、「秘密結社ロゴス」と呼ばれる他、「軍産複合体ロゴス」と記している資料もあるが、ロゴスは軍需産業兵器がこの世に出現する遥か以前から存在し、また軍需産業以外の企業関係者も含まれるので、前者のほうが表現としては矛盾が少ない。しかし、デュランダルは戦争の元凶とのイメージを定着させるためか、告発の際には「軍需産業複合体・死の商人」として公表している。

劇中、ロゴスとブルーコスモスは組織上の区別があいまいに描かれているが、これはC.E.70年代に入ってムルタ・アズラエルロード・ジブリールがブルーコスモス盟主とロゴス代表を兼任したためであり、恒常的なことではない模様(『データコレクション機動戦士ガンダムSEED DESTINY下巻』による)。

地球各国の軍部と深いつながりがあるとされる。劇中ではユニウスセブン落下テロ事件の頃からその活動が描かれるが、デュランダルによる暴露があるまでは、一般社会にはその存在自体全く知られていなかった(同『データコレクション機動戦士ガンダムSEED DESTINY下巻』)。

幹部メンバーは、前ブルーコスモス盟主であった国防産業連合理事ムルタ・アズラエルの他、ロード・ジブリール、アダム・ヴァミリア、アルヴィン・リッター、グラハム・ネレイス、セレスティン・グロード、ダンカン・L・モッケルバーグ、ブルーノ・アズラエル、ラリー・マクウィリアムズ、ルクス・コーラー[3]で、地球連合軍の実質的な権力を何らかの手段、手続きで手に入れていた。

彼らの表の顔は軍事金融化学、穀物生産といった産業の大物経営者たちであり、ロゴスは利潤確保を目的とする裏の業界団体として結成された。ムルタ・アズラエルやロード・ジブリールは実利よりもコーディネイター殲滅という理念を優先したが、この2人のような人物は例外的なものである模様(『データコレクション機動戦士ガンダムSEED DESTINY下巻』)であり、ロゴス自体は明確な反コーディネイターという訳ではない。また、大西洋連邦大統領ジョゼフ・コープランドは、先代大統領アーヴィングの退任後、ロゴスの後押しで当選したため、傀儡的な立場になっていた。なお、コープランドは穏健派として知られる人物で、選挙公約は「プラントも含めた地球圏統一国家樹立」であった。

最終的に、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルから「死の商人」、「人類が戦うべき世界の真の敵」と断罪され、ロゴスのメンバーは民衆に襲撃を受け、アダム・ヴァミリア、ダンカン・L・モッケルバーグ、セレスティン・グロード、グラハム・ネレイスが死亡、もしくはヘブンズベースへ逃れたものの、ヘブンスベース攻防戦により、ブルーノ・アズラエル、ラリー・マクウィリアムズ、アルヴィン・リッター、ルクス・コーラーが拘束された。唯一逃亡したジブリールもレクイエム攻防戦において死亡した。暴徒の私刑を免れて拘束されたメンバーは国際法廷にかけられたため(どのような判決が下されたかは不明)、ロゴスは実質的に壊滅した。

反ロゴス暴動による各国の反応

地球連合

地球連合と敵対関係にあるプラントの指導者ギルバート・デュランダルの演説直後に発生した反ロゴス暴動に対して、地球連合加盟各国はロード・ジブリールの邸宅にまで襲撃されるに至っても沈黙を保ち続けた。しかし、ジブリール邸を襲撃したゲリラは銃火器のみならず、自走砲まで投入しており、一部軍関係者も暴動に協力したとみられる。また、演説のかなり以前から地球連合内部の一部勢力がデュランダルへロゴス関連の情報を提供していた。最終的にデュランダル側についた地球連合は、ヘブンズベース攻防戦前にプラント、地球連合双方の公式声明として、ロゴスメンバーの引渡しとヘブンズベースの武装解除を通告した。

オーブ

代表首長カガリ・ユラ・アスハの元で、セイラン家は実質的な政治的指導者の立場にあり、ロゴスの影響力がある宰相ウナト・エマ・セイランは地球連合寄りの政治を行っていた。当初は他の地球連合加盟国各国と同じく沈黙を保っていたが、ヘブンズベース攻防戦後にセイラン家はロード・ジブリールをオーブに匿うことになり、大義名分を得たプラントの軍事介入によってウナト以下主要閣僚が死亡した。直前にカガリやキラ・ヤマトラクス・クラインオーブに戻って来ており、ジブリールを取り逃がしたが、辛うじてオーブ解体を防ぐことに成功した。

プラント

反ロゴス暴動以降、ギルバート・デュランダルにより急進的な行動が目立ち始める。ロゴス壊滅後はデスティニープランへの反対を表明、あるいはデュランダルが反デスティニー・プラン勢力と認定した勢力や個人を「人類最後の救済策に反対する」、「人類の敵」として抹殺の対象(一部のザフト兵はアークエンジェルと本来ザフト艦であるエターナルさえもロゴスの残党と扱った)としたが、結局それによりデュランダルは敗死する事になった。

余談

  • 機動戦士ガンダムSEED』第14話「果てし無き時の中で」でラウ・ル・クルーゼのモノローグするところによれば、ブルーコスモスはバイオエシックス的論議や異物への恐怖から自然発生的に生じたイデオローグである。ロゴスがいつからブルーコスモスの「支持母体」になったのかは不明である。
  • 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第1話「怒れる瞳」において、ブルーコスモスはギルバート・デュランダルにより「組織というより主義者」と説明されている。が、その後第33話「示される世界」でのデュランダルの演説によると、ブルーコスモスはロゴスが「支持母体」になっている集団であると述べられ、ロゴスの「罪状は明らかだ」としている。劇中では、具体的なその「罪状」は明示的に語られていない。ラクス・クラインはゲリラ放送にて、戦争が全てロゴスのせいだというのは誇張である旨述べ(第43話 - 第44話)、また、オーブ連合首長国首脳部もこのロゴス断罪、ブルーコスモス狩りを、「魔女狩り」であると明言(ただし同時にロゴスやブルーコスモスを支持してはいないと表明)、さらにその後間もなくデュランダル政権自体がオーブ+クライン派連合軍によって倒された。このため、くだんの「国際法廷」が実際に開かれ「罪状」が開示されたかどうかは定かでない。
  • 『SEED DESTINY』の小説版では、ロゴスは地球のほぼ全ての企業に関与しており、ロゴスの壊滅後、地球圏の経済界は大混乱に陥り、空前のインフレーションを招いたとされている。

脚注

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  1. ロゴスという言葉はヘラクレイトスが作ったものなので、紀元前540年頃〜紀元前480年頃よりは後ということになる。
  2. 『パーフェクトアーカイブス機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(竹書房・2006)掲載の設定担当の森田繁のインタビューによればロゴスはアメリカ批判、反米メッセージのために設定された組織であり、歴代のアメリカ大統領を決め、戦争を起こすのも終わらすのも彼らであり、人類の悪意が集まっているような存在だという。が、千葉智宏は自作品『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で、歴史の中で人類に戦争をさせてきたのは実は「一族」であるとし、「一族」がロゴスを手玉に取っていたのだとしていた。このあたりでアニメ本編スタッフと『ASTRAY』スタッフの間で多少解釈が食い違っていた。
  3. この9名のうち6名は、ジブリール(ガブリエル)、ラリー、アズラエル、コーラー、アルヴィン、アダムという、具体的なユダヤ人の名を持っている。

関連項目

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