ヴァーリ (オーディンの息子)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴァーリ(ヴァリとも)(Vali、Váli)は、北欧神話に登場する司法神の一人。
『エッダ』
『古エッダ』の『巫女の予言』[1]および『バルドルの夢』[2]によると、バルドルがロキにだまされたヘズ(ホズとも)に殺された後、父オーディンは巨人の女[注釈 1]の予言に従って、復讐者となる息子ヴァーリを女性リンドに産ませた。ヴァーリは一夜にして成人し、腹違いの兄であるヘズを殺した。
『ヴァフスルーズニルの言葉』[3]および『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』[4]によれば、ヴィーザルとともにラグナロクを生き延びるとされる。伝承では、再生したバルドルとヘズとも出会うといわれている。
なお『詩語法』ではヴァーリを表すケニングとして、「オーディンとリンドの子」、「バルドルの復讐者のアース」、「ホズの敵で殺し手」などを紹介している[5]。
『デンマーク人の事績』
サクソ・グラマティクスが著した歴史書『デンマーク人の事績』では、オーティヌス(オーディン)とリンダ(リンド)の息子・ボーウス[6](またはボウ[7])として登場し、最終的にホテルス(ヘズ)と相討ちになる[8]。 テンプレート:節stub
脚注
注釈
出典
参考文献
- サクソ・グラマティクス『デンマーク人の事績』谷口幸男訳、東海大学出版会、1993年、ISBN 978-4-486-01224-5。
- V.G.ネッケル他編 『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4103137016。