アーノルド・バックス
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テンプレート:Portal クラシック音楽 サー・アーノルド・エドワード・トレヴァー・バックス(Sir Arnold Edward Trevor Bax, KCVO, 1883年11月8日 ロンドン - 1953年10月3日 アイルランド、コーク)は、イギリスの作曲家。
人物
若い頃から音楽の才に恵まれ、どんな管弦楽作品でも一度聞いただけでピアノに編曲できたという[1]。
やがて王立音楽アカデミー・王立音楽大学に進み、スタンフォードやパリーらに学ぶ[1]。この頃にイェイツのアイルランド民話集『ケルトの薄明』に接し、自身のルーツがアイルランド系であることもあいまって、ロマン主義・印象主義の中にケルトの要素を取り入れた独自の作風を確立する[1]。
ケルト文化以上にバックスの作品に強く影響を及ぼしているのは、ピアニストのハリエット・コーエンへの慕情である[1]。バックスは既に妻子のある身でありながらコーエンと恋に落ち、その当時に作曲した作品中には、恋愛感情を反映したロマンティックな雰囲気が見て取れる[1]。
その後、第二次世界大戦前夜の暗い世相の中でバックスの創作意欲は薄らぎ、開戦以降に作曲された作品はごくわずかである[1]。
没後長らく半ば忘れられた存在であったが、シャンドス・レーベルからCD発売された作品集で、近年その名を知られるようになった[1]。
同じくイギリスの作曲家グスターヴ・ホルストに占星術の手ほどきをした劇作家テンプレート:仮リンクは弟であり、アーノルド自身もホルストとは親しい間柄であったという。
作品
バレエ
- ロシア人の踊り子の真実
交響曲
- 交響曲第1番
- 交響曲第2番
- 交響曲第3番
- 交響曲第4番
- 交響曲第5番
- 交響曲第6番
- 交響曲第7番
管弦楽曲
- 管弦楽のための4つのスケッチ
- 交響詩3部作「黄昏に」「妖精の丘で」「Rosc-Catha」(1908年-1910年)
- 交響詩「クリスマス・イヴ」(1912年)
- 交響詩「ファンドの園」(1913年)
- 交響詩「春の火」(1913年)
- 交響詩「十一月の森」(1917年)
- 交響詩「夏の音楽」(1921年)
- 交響詩「ティンタジェル」(1919年)
- 交響詩「レジェンド(伝説)」(1944年)
- 「北方のバラード」第1番(1927年)
- 「北方のバラード」第2番(1934年)
- 序曲「哀歌とロンド」(1927年)
- ピカレスク・コメディのための序曲(1930年)
- 劇付随音楽「黄金の鷲」(1945年)
- エリザベス王女とエディンバラ公の婚礼のためのファンファーレ(1947年)
- 戴冠式行進曲(1952年)
映画音楽
- オリヴァ・ツイスト Oliver Twist (1948)
協奏曲・協奏的作品
- ロマンティック序曲
- ヴィオラと管弦楽のための「幻想曲」ニ短調 Phantasy(1920年)
- 冬の伝説
- ヴァイオリン協奏曲(1938年)
- 左手のためのピアノ協奏曲
室内楽・器楽曲
- ヴィオラとピアノのための「演奏会用小品」Concert Piece(1904年)
- ヴァイオリンソナタ第1番(1910年)
- ヴァイオリンソナタ第2番(1915年、改訂1922年)
- コーラングレ、ハープと弦楽四重奏のための「追悼」(1916年)
- フルート、ヴィオラとハープの「悲歌の三重奏曲」Elegiac Trio(1916年)
- ハープと弦楽のための五重奏曲 ヘ短調(1918年)
- チェロとピアノのための「民話」Folk-Tale(1918年)
- ヴィオラソナタ ハ短調(1921–1922年)
- オーボエと弦楽のための五重奏曲(1922年)(レオン・グーセンスの委嘱)
- ヴァイオリンソナタ第3番(1927年)
- ヴィオラとハープのための「幻想ソナタ」Fantasy Sonata(1927年)
- ヴァイオリンソナタ ヘ調(1928年)
- フルートとハープのためのソナタ(1928年)
- 九重奏曲(1928年–1930年)
- ヴィオラとピアノのための「伝説」Legend(1929年)
- チェロとピアノのためのソナティナ ニ長調(1933年)
- 弦楽五重奏曲(1933年)
- 八重奏曲(1934年)
- クラリネットとピアノのためのソナタ(1934年)
- セレノビーとスケルツォ Threnody and Scherzo(1936年)
- チェロとピアノのための「伝説ソナタ」嬰へ短調 Legend Sonata(1948年)
ピアノ曲
- トッカータ
- ピアノソナタ第1番
- ピアノソナタ第2番
- ピアノソナタ第3番
- ピアノソナタ第4番