サクサク
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テンプレート:出典の明記 サクサクは日本語の擬音語、擬態語。
ある種の野菜やクッキーなどのように砕けやすく脆い構造のものを押し切ったり崩したりするときに、軽快で小気味よい音が立つことがある。この音をサクサクと表現する。食べ物の形容などによく登場し、ほとんどの場合よい意味で使われる。適度な歯ごたえが心地よく、簡単に崩れるので食べやすい。硬いせんべいを噛むときのバリバリという音や、脆すぎるものが崩れたときのボロボロという音、口の中でとろけるようなホロホロという音とも違う。
また、物事が快調に進行しているさまを表す擬態語としてもよく用いられる。擬態語として用いるのは比較的最近の用法である。古い辞書には掲載されていない。この用法がいつ頃から広まったかは明らかでない。一つのきっかけは麻雀でよく使われる表現となったことだろう。麻雀の摸打の一連の動作を遅滞なく行うことがサクサクと表現された。1980年代に片山まさゆきが描いた麻雀漫画『ぎゅわんぶらあ自己中心派』や『スーパーヅガン』にもすでにサクサクという表現が登場している。もう一つのきっかけはおそらくパソコンの普及である。特に初期のパソコンは動作がスムーズでなく、しばしば画面の前で長時間待たされたり、システムクラッシュ(異常終了)することが多かった。機械的処理の時間に合わせて待機したり退屈させられることなく、人間の思考や身体の動きに即応して情報が処理されることは大きな快感を生む。つまりサクサクという擬態語の定着はわれわれが機械に取り囲まれた時代に生きていることの裏返しなのである。