藤原仲平

藤原 仲平（ふじわら の なかひら、貞観17年（875年） - 天慶8年9月1日（945年10月9日））は、平安時代前期の貴族。藤原北家、摂政関白・藤原基経の三男。官位は正二位・左大臣。左京一条にある枇杷第を伝領したことから、枇杷左大臣と呼ばれる。

経歴

光孝天皇の加冠によって元服した長兄時平とは対照的に、寛平2年（890年）に宇多天皇の加冠により殿上で元服。同年讃岐守。昌泰2年（899年）に昇殿し、延喜元年（901年）蔵人頭、同17年保明親王の春宮大夫に就任。按察使大納言、左右大将を経て、朱雀天皇代、承平3年（933年）右大臣、同八年左に転じ、後に成明親王（村上天皇）の皇太子傅を兼ねた。位階は正二位に至る。次男でありながら末弟の忠平に比べ20年も大臣昇進が遅れ、終生彼の後塵を拝した。温和敦厚な人柄と伝わる仲平も、こればかりは心苦く思っていたという。

延喜19年（919年）、醍醐天皇の勅命を奉じて大宰府に下り、奉行として当所の天満宮の社殿を造営。呉越王に天慶3年（940年）に書を送っている。歌人として優れ、『古今和歌集』には若年でありながら1首入集、勅撰和歌集に11首入集。姉藤原温子の女官伊勢との恋愛でも知られる。また、仲平の死後、名邸枇杷第は女系を伝って、のちに藤原道長が入手した。

官位歴

• 仁和3年2月13日（887年3月15日）　正五位下。
• 寛平2年9月20日（890年10月7日）　右衛門佐。
• 寛平4年2月26日（892年3月28日）　右近衛少将。
• 寛平5年正月11日（893年2月1日）　兼讃岐権守。蔵人。
• 寛平6年正月7日（894年2月16日）　従四位下。
• 寛平8年正月26日（896年2月13日）　右近衛中将。
• 寛平9年6月19日（897年7月22日）　迂左近衛中将。
• 寛平10年正月29日（898年2月23日）　兼紀伊権守。
• 昌泰2年3月7日（899年4月20日）　兼中宮大夫。
• 昌泰3年正月11日（900年2月14日）　兼讃岐権守。
• 昌泰4年
  • 正月7日（901年1月29日）　従四位上。
  • 3月19日（901年4月10日）　蔵人頭。
• 延喜6年2月23日（906年3月20日）　兼備前守。
• 延喜7年
  • 正月7日（907年2月21日）　正四位下。
  • 6月（907年-月-日）　中宮大夫。
• 延喜8年
  • 正月12日（908年2月16日）　兼近江権守。
  • 2月24日（908年3月28日）　任参議。左近衛中将、近江権守等如元。
• 延喜9年9月27日（909年11月12日）　左兵衛督。参議、近江権守如元。
• 延喜10年正月28日（910年3月12日）　備前権守。参議、左兵衛督如元。
• 延喜13年4月15日（913年5月23日）　兼春宮大夫。参議、左兵衛督如元。
• 延喜17年
  • 正月7日（917年2月1日）　従三位。
  • 正月29日（917年2月23日）　任中納言。春宮大夫、左兵衛督如元。
• 延喜21年正月30日（921年3月12日）　迂左衛門督。中納言、春宮大夫如元。
• 延喜23年3月（923年-月-日）　止大夫。
• 延長2年3月1日（924年4月7日）　兼陸奥出羽按察使。中納言、左衛門督如元。
• 延長4年正月7日（926年2月21日）　正三位。
• 延長5年正月12日（927年2月16日）　任大納言。陸奥出羽按察使如元。
• 延長8年12月17日（931年1月8日）　兼右近衛大将。大納言、陸奥出羽按察使如元。
• 承平2年8月30日（932年10月2日）　任左近衛大将。大納言、陸奥出羽按察使如元。
• 承平3年2月13日（933年3月11日）　任右大臣。左近衛大将如元。
• 承平5年正月23日（935年2月28日）　従二位。
• 承平6年12月8日（937年1月22日）　為蔵人所別当。右大臣、左近衛大将如元
• 承平7年正月22日（937年3月6日）　任左大臣。左近衛大将如元。
• 天慶6年正月7日（943年2月14日）　正二位。
• 天慶7年4月22日（944年5月17日）　兼東宮傅。左大臣、左近衛大将如元。
• 天慶8年9月1日（945年10月9日）　薨御。

系譜

• 父：藤原基経（昭宣公） - 摂政関白太政大臣
• 母：操子女王（人康親王の娘）

• 妻：藤原善子（?-943）
  • 男子：遍勃（902-976）
  • 女子：藤原暁子 - 有明親王室）
  • 女子：藤原明子 - 藤原敦忠室、のち藤原師氏室

脚注

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テンプレート:S-off |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代：
藤原忠平 |style="width:40%; text-align:center"|左大臣
937 - 945 |style="width:30%"|次代：
藤原実頼 |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代：
藤原定方 |style="width:40%; text-align:center"|右大臣
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藤原恒佐 |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代：
藤原定方 |style="width:40%; text-align:center"|陸奥出羽按察使
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藤原保忠 テンプレート:S-mil |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代：
藤原定方 |style="width:40%; text-align:center"|左近衛大将
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藤原実頼 |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代：
藤原定方 |style="width:40%; text-align:center"|右近衛大将
931 - 932 |style="width:30%"|次代：
藤原保忠 |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代：
藤原清貫 |style="width:40%; text-align:center"|左衛門督
921 - 927 |style="width:30%"|次代：
藤原保忠 |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代：
藤原忠平 |style="width:40%; text-align:center"|左兵衛督
910 - 921 |style="width:30%"|次代：
藤原兼茂

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2. 『勅撰作者部類』