イイズナ

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イイズナ(飯綱、学名:Mustela nivalis)は、食肉目イタチ科イタチ属に属する哺乳類。食肉目最小の種である。北米、北アフリカ、ユーラシア大陸中部から北部に広く分布し、日本では北海道青森県岩手県秋田県に分布する[1]。コエゾイタチとも呼ばれる[2]

形態

雄は頭胴長14-26cm、尾長1.6-3.5cm、体重25-250g[3]。雌は雄よりやや小さい。夏は背側が茶色で腹側が白色。冬は全身純白になる。

生態

気性が荒く動きは俊敏。生息地は深い森林や平野、田畑など。また日本では村里にも生息する。ネズミ類が主食だが、小鳥、昆虫類、両生類、死肉も食べる。

亜種

ニホンイイズナ M. n. namiyei Kuroda, 1921
青森県、岩手県、秋田県に分布。頭胴長16cm、尾長2.5cmほど。
キタイイズナ M. n. nivalis Linnaeus, 1766
北海道に分布。ニホンイイズナより大型。

保全状態評価

イイズナ Mustela nivalis
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
亜種 ニホンイイズナ Mustela nivalis namiyei
絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト) -本州の個体群

伝承

東北地方や信州では「飯綱(いづな、イイズナ)使い」「狐持ち」として管狐(くだぎつね)を駆使する術を使う家系があると信じられていた。長野県飯綱(いいづな)山からその術を会得する故の名とされる[4]

民俗学者武藤鉄城は「秋田県仙北地方ではイヅナと称しテンプレート:Refnest、それを使う巫女(エチコ)〔イタコ〕も」いるとする[5]。また北秋田郡地方では、モウスケ(猛助)とよばれ、妖怪としての狐よりも恐れられていた[5]

知里真志保は、アイヌ語でエゾイタチは、「ウパシ・チロシヌプ」または「サチリ(sáčiri)」 と称するが、コエゾイタチ(イイズナ)もまた「サチリ」と呼ばれたらしいとしており、「ポイ・サチリ・カムイ(poy-sáčiri-kamuy)」の尊称(「ポイ、ポン」は「小」の意)はコエゾイタチを指すのだろうと推論した[6]

大衆文化

  • 白土三平が1965年に発表した、忍者を主人公にした漫画「カムイ外伝」では、主人公のカムイはイイズナが跳び上がって鳥を捕食するのを見て必殺の忍術「飯綱落し」を閃く。

脚注

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補注

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出典

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関連項目

  • 米田政明 「イイズナ」『日本の哺乳類 改訂2版』自然環境研究センター編、東海大学出版会、2008年 ISBN 978-4486018025
  • 広辞苑 第4版』(1991年)、岩波書店「いいずな」の項
  • 今泉吉典監修(1991年)『世界の動物 分類と飼育 第2巻〔食肉目〕』財団法人東京動物園協会、ISBN 978-4886220615
  • 広辞苑 第4版』(1991年)、岩波書店「いづなつかい【飯綱使・飯縄遣】」の項
  • 5.0 5.1 テンプレート:Citation
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