ツィゴイネルワイゼン
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テンプレート:出典の明記 テンプレート:Portal クラシック音楽 『ツィゴイネルワイゼン』(独:Zigeunerweisen )作品20は、スペイン生まれのヴァイオリニストであるサラサーテが作曲、1878年に完成した管弦楽伴奏付きのヴァイオリン曲である。
非常に派手で劇的なヴァイオリン曲として知られる。題名は「ジプシー(ロマ)の旋律」という意味である。ドイツ語では「ツィゴイナ(ー)ヴァイゼン」とするほうが現代の発音に近く、また日本語ではチゴイネルワイゼンとも表記される(なお日本語の題名表記は語尾の「-er」を母音化させない古典的な舞台ドイツ語の発音を基にしたものである)。 いくつかのハンガリー民謡・大衆音楽の旋律を組み合わせて作曲されている。オリジナルはヴァイオリンと管弦楽であるが、ヴァイオリンとピアノで演奏する機会も多い。
出版はLeipzigのSenff社により、そのオリジナル版は、その後Simrock社に買い取られたが、ヴァイオリンパートはほどなくAugust Wilhelmj校訂のものに差し替えられ、現在に至っている。現在入手の容易なBroude Brothers、Carl Fischer、Edwin F. Kalmus等のリプリント版スコアはいずれもSenffまたはSimrockを基にしたものである。
編成
独奏ヴァイオリン、フルート2、オーボエ2、クラリネット2(B♭管)、ファゴット2、ホルン2(F管)トランペット(F管)、ティンパニ、トライアングル(ad libitum/任意)、弦5部
構成
協奏曲の3楽章に相当する3部からなる。演奏時間は約8分
- Moderato - Lento
- ハ短調、4分の4拍子。悲しげながらも堂々とした旋律。管弦楽の斉奏のあと独奏が主題を表す。非常に装飾音符が多く、見せ場には事欠かない。
- Un poco più lento
- Allegro molto vivace
その他
- 吉本新喜劇において、桑原和男の「神様~」ネタが出てくる時にBGMとして流れる曲も、この「ツィゴイネルワイゼン」である。冒頭のG-C-D-Es-D-Cという悲劇的で大げさな斉奏が出囃子として効果をあげている。
- 富士ゼロックスのCM「一人一音の演奏会」ギター編において、この曲が使われている。
- ジネディーヌ・ジダンが地団駄を踏むシーンで知られる日清食品「カップヌードル」のCMのBGMにもこの曲が使われた。
- サラサーテ自身が演奏した1904年録音のレコードが残されている。この録音には、途中でサラサーテの声とも言われる謎の呟き声が入っていることで知られる。
- 上記のレコードの呟き声をモチーフとし、[[内田百間|内田百テンプレート:CP932フォント]]が小説「サラサーテの盤」を書いており、さらにその小説を元に鈴木清順が「ツィゴイネルワイゼン」という幻想的な映画を制作している。
- テレビアニメ「絶体絶命でんぢゃらすじーさん」では、しばしばこの曲の冒頭部分が流れていた。