福島潟
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福島潟(ふくしまがた)は、新潟県新潟市北区新鼻に位置する潟。潟の下流は新井郷川と同分水路、福島潟放水路へとつながり、周辺部には水の公園福島潟が整備されている。
概要
福島潟は毎年、国の天然記念物であり豊栄地区の鳥でもあるオオヒシクイをはじめとする220種類以上の渡り鳥が飛来するため、国指定福島潟鳥獣保護区(集団渡来地)に指定されている(面積163ha)。また、多くの水生・湿性植物などが450種類以上確認されているほか、オニバス、ミズアオイ、ミクリなど全国的にも希少となっている植物の北限の地としても確認されている。このように、多くの自然が残されているため、福島潟は環境省の「日本の重要湿地500」、「21世紀に残したい日本の自然百選」、「にいがたの景勝百選」などに選ばれており、さらに「福島潟の草いきれ」として環境省の「かおり風景100選」にも選ばれている。
データ
- 面積:193ha
- 海抜:0m
歴史
- 1731年、阿賀野川の水を排水するために前年に設けられた松ヶ崎堀割が洪水で決壊し、阿賀野川の本流となった。そのため、福島潟の水位が下がる。
- 1934年、新井郷川は北蒲原郡濁川村(現同区濁川地区)で阿賀野川に合流していたが、北側の松ヶ崎浜村(現同区松浜地区)から直接日本海へ注ぐ「新井郷川分水路」が開通して流量が増加し、福島潟の水位が低下した。
- 1975年9月、国営による干拓工事が終了し、ほぼ現在の形となる。国営干拓事業では当初 福島潟を全て干拓する予定だったが、工事が始まってから二度の水害に襲われた際に福島潟の治水機能が見直されたために半分程度残したといわれる。