武田花
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武田 花(たけだはな、1951年10月31日 - )は写真家、エッセイスト。東京都出身。本名は武田花子。両親は作家の武田泰淳、随筆家の武田百合子。主な被写体は、猫と時代から取り残されたような町並みで、写真はモノクロ写真である。
来歴・人物
小学校から高校までは、立教女学院に通う。中学、高校時代は寄宿舎生活であった。
父・泰淳は子供を書斎に入れなかったため、小学生の頃、父親の職業がわからず、友達から作家だと教えてもらった。
高校卒業後、父にカメラを買ってもらったことがきっかけで、写真学校に入学するが、すぐに退学。翌年東洋大学に進学する。
大学卒業後、アルバイトをしながら野良猫の写真を撮り続け、1980年に初の写真集『猫町横丁』を刊行。
1986年、35歳での初めての写真展「猫のいた場所」を開催、翌1987年に刊行した写真集『猫・陽あたる場所』により広く知られるようになる。
1990年には、『眠そうな町』で第15回木村伊兵衛賞を受賞。一方でフォト・エッセイも刊行するようになる。
母の作品『富士日記』の舞台となった、富士山麓の別荘「武田山荘」を譲り受け、山荘の一部を暗室に利用するなどしていたが、2006年に建物の老朽化により取り壊した[1]。
また、母の残した資料類(原稿や日記帳、ノートなど)は「死後、焼いてくれ」という遺言に従い処分したが、2005年に、父の残した大量の資料を日本近代文学館に寄贈。その中には、中国への従軍時の日記もあり、泰淳が殺人行為を犯したことも記入されていた。
写真集
- 猫町横丁 駄猫・雑猫グラフィティー イザラ書房 1980.4
- 猫のいた場所 出帆新社 1982.5
- 猫・陽あたる場所 現代書館 1987.10
- 眠そうな町 アイピーシー 1990.3
- 猫 TOKYO WILD CATS 中央公論社 1996.4
- SEASIDE BOUND 中央公論新社 2001.7
- 猫・大通り 現代書館 2007.6
フォトエッセイ
- 煙突やニワトリ 筑摩書房 1992.6
- カラスも猫も 筑摩書房 1995.4
- 嬉しい街かど 文藝春秋 1997.7
- One day そして、陽は落ちる 日本放送出版協会 1997.11
- 季節にしっぽ 角川春樹事務所 1998.5
- 仏壇におはぎ 角川春樹事務所 2004.6
- イカ干しは日向の匂い 角川春樹事務所 2008.5
写真掲載
- 武田百合子『遊覧日記』作品社 1987.4
- 川本三郎『私の東京町歩き』筑摩書房 1990.3
- 川本三郎『東京万華鏡』筑摩書房 1992.6
- 梅津ふみ子『風の猫』毎日新聞社 1996.5 - 武田花・深瀬昌久ほか写真
参考資料
- 村松友視『百合子さんは何色』筑摩書房