セミヌード
テンプレート:出典の明記 テンプレート:性的 セミヌード(Semi nude)はヌード写真・映像のうち、肌の露出が比較的小さいもののことで、女性の場合乳首を隠しているヌードを主に指す。「セミ」は半分といった意味を表す英語の接頭語であり、全裸(オールヌード)に対しての半裸とでも訳されよう。男性の場合、セミヌードという表現はあまりしない。
定義
セミヌードという言葉は話者の主観に頼る部分もあり、厳密な定義が難しい場合もある。
理屈からいえば水着姿や下着姿も裸に近いことになるが、通常はセミヌードとは言わない。セミヌードという言葉が示す意味は、ほとんどの場合「乳首を見せないヌード」ということである。また、薄い布や濡れたシャツをまとい乳首が透けている場合や、尻部を丸出しにした場合もセミヌードと言われることがある。
通常、女性のヌードで、陰毛を見せている場合はヘアヌード、乳首を見せている場合はオール(フル)ヌード、乳首を隠している場合をセミヌードという使い分けをすることが多い。
ただし、現代の着エロ物などの場合、乳首は見せていないが、陰毛や場合によってはアナルを見せている物などもあり、一般的な定義では分類できない。
また、逆に、写真・映像等の話題性を高めることが求められる広告・報道などにおいては、しばしば誇張された表現が使われ、混乱を招く例も見られる(例:2004年の岩崎恭子のセミヌード)。井上和香の肩を出した広告写真がセミヌードとされたこともある(2003年)。[1]
女性のセミヌード
モデルが女性の場合、セミヌードのパターンとして次のようなものがある。上半身裸(トップレス)も背後から撮影したり、手ブラや髪ブラをしたり、体育座りやしゃがんで太股を使って乳首を見せないようにしたり、脱いだ衣装や小道具などを使ったりして乳首を見せないようにする。
- モデルは全裸だが、乳首・陰毛が写っていない状態(営業上、広告等で「フルヌード」と言い換えることがある)
- モデルはトップレスだが、乳首が写っていない状態
- モデルがごく薄い衣類を身に付けており、体の輪郭や色が透けている状態
このほか、乳首が写っている状態や、単に水着姿や下着姿である状態もセミヌードと呼ばれることがあるが、一般的ではない。
なお、陰毛が写っている場合は全体の露出度が小さくてもヘアヌードとされるのが一般的である。
セミヌードは身体の一部が隠れるためモデル側の抵抗感が比較的少なく、また、ヘアヌード・オールヌードとは区別され、芸術的なイメージもあるためか、人気のある有名タレントが公開することもある。さらに、テレビCMやCDジャケットなどでは通常のヌードがはばかられるため、セミヌードとする場合が多い。
セミヌード小史
大正時代の赤玉ポートワイン(寿屋 (現:サントリー))のポスターは有名(1922年)。今日の基準ではソフトなもので、セミヌードといえないかもしれないが、当時は物議をかもした。
男性グラビア誌を中心に、全裸にはなっても、乳首だけは見せない、という強い主張をもったグラビアモデルの系譜があった。1980年頃、浅野裕子(浅野ゆう子)が月刊『プレイボーイ』誌で披露したセミヌードは、乳首こそ見せないものの、ほとんど全裸であった。武田久美子の一連の写真集は笹ふんどしや貝殻水着など大胆なポーズにも関わらず中々乳首を見せなかった(後にヘアヌードを発表)。渡辺美奈代も全裸になっても乳首は見せなかった。
また、一般的なセミヌードとは違うものの意外な露出として話題になったものとしては田村英里子の半ケツヌード、宮沢りえのふんどし写真などがある。
雑誌など
セミヌード写真を多く載せる雑誌はほとんどが男性誌である。ただし『an・an』や『FRaU』などの一部の女性誌は女性に人気のある人物については男女問わずセミヌードを掲載している。男性誌ではなくこちらに登場する芸能人も多い。
男性のセミヌード
モデルが男性の場合、主な用法には以下のようなものがある。全裸の場合、背後から撮影したり、脱いだ衣装や小道具、手などを使って陰毛・男性器を見せないようにする。
- モデルが全裸で、陰毛・男性器が写っていない状態。
- モデルが全裸で、陰毛が写っているが男性器が写っていない状態。
- モデルが上半身裸である状態。
このように、男性における「セミヌード」という語の用途は女性のそれと大きく異なる。とくに、乳首の露出の有無が重要視されず、また上半身裸が通常のヌードに分類されることがほとんどないことは両者の最も重要な違いであるといえる。
また、モデルの陰毛が写っている状態であっても、陰茎が写っていなければセミヌードに含める場合も多い。これはセミヌードの定義を前述の「完全なヌードではない状態」に設定していることになるが、女性とは違いこの定義が使われることは男性ではそれほど珍しいことではない。男性は陰部から陰茎が突出し、陰嚢が垂れ下がってており、全裸で前面から撮影すればこれがそのまま映像に写りこむのが自然な状態である。このため、男性器の写っていない男性ヌードは不自然であり、完全なヌードとはみなされにくいのである。この状況は、性器が突出しておらず陰毛に隠れることが多い女性とは対照的であるといえる。
ただし日本の場合、「男性ヌード」と称されるもののほとんどは陰毛が写っていない。前述のように、全裸の男性を正面から撮影すると男性器が写ってしまうことが多いが、男性器は日本国内においては通常修正が必要である。しかしこれを写さずに陰毛だけを画面内に収めようとすると不自然なポーズ・アングルをとらざるをえなくなることが多いため、日本の男性ヌード写真は必然的にセミヌードが多くなるのである。