コレラタケ
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テンプレート:生物分類表 コレラタケ(虎列剌茸、学名 Galerina fasciculata)は、フウセンタケ科ケコガサタケ属のキノコ。旧名ドクアジロガサ(毒網代傘)。細菌性感染症のコレラに似た症状を呈し、致命的な毒性を持つことから、社会に対して毒キノコとしての注意を喚起するため、このように改名された。
特徴
秋のやや遅くに、スギなどの朽木や古いおがくず、ゴミ捨て場に単生~群生する。傘は小型で、湿ったときは暗肉桂色で、乾くと中央部から明るい淡黄色となる。柄は細長く中空で、上部に不完全なつばがある。
中毒症状
中毒症状は、その名のように食後概ね10時間(摂食量により、6–24時間)後にまずコレラの様な激しい下痢が起こり、1日ほどで一度回復する。その後4–7日後に肝臓、腎臓などの臓器が破壊され、劇症肝炎や腎不全症状を呈し、最悪の場合死に至る。この症状はタマゴテングタケ、ドクツルタケなどの症状と同じであり、これらと同様アマトキシン類によって引き起こされる。毒性分は、加熱によっても失われない。
類縁種
同じケコガサタケ属にはヒメアジロガサ (Galerina marginata) などがあり、その多くが猛毒であることが分かっている。
類似の食用キノコ
センボンイチメガサとは良く似ており、他にもクリタケ、ナラタケ、エノキタケ、ナメコなどと間違えた中毒例がある。
エノキタケ栽培後の廃培地からも発生する本種は、「食用キノコを収穫した後に生えるから大丈夫」と誤解され、食中毒を起こす可能性が高い。
外部リンク
- Aタイプの中毒を起こす猛毒きのこ 滋賀大学教育学部