ウントリセプチウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウントリセプチウム (Untriseptium) は、原子番号137にあたる未発見の超重元素に付けられた一時的な仮名(元素の系統名)である。
特徴
理論上、存在可能な最後の元素である可能性がリチャード・ファインマンによって指摘され、それに因んでファインマニウム (Feynmanium, Fy) という名で非公式に呼ばれる事がある。
ボーアの原子模型
ボーアの原子模型では、原子核の電荷(電子にとっては引力)に対抗するため、それに見合った電子の速度(いわば遠心力)が必要となる。最も原子核に近い1s軌道の電子が最も高速となるが、その速度は v:電子速度、Z:陽子数、α:微細構造定数、c:光速 のとき、次式で表される。 テンプレート:Indent
微細構造定数の逆数 (α-1) は約137なので、陽子数138ではvが光速を超える。当然、光速を超えることはできず、原子核に衝突して電子捕獲により原子番号が小さくなる。
ディラック方程式
相対性理論のディラック方程式では、原子が基底状態にあるときのエネルギー E は m:電子の静止質量、c:光速、Z:陽子数、α:微細構造定数 のとき、次式で表される。 テンプレート:Indent
陽子数138では平方根の中がマイナスとなり、エネルギーが虚数になってしまう(負のエネルギーが存在しうる波動関数のパラドックス)。
関連項目
テンプレート:未発見元素を含む元素周期表en:Extended periodic table#End of the periodic table