岩手上郷駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:駅情報 岩手上郷駅(いわてかみごうえき)は、岩手県遠野市上郷町板沢にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)釜石線の駅である。
駅構造
(入口側) | テンプレート:Color釜石線(下り) | 釜石・宮古方面 |
---|---|---|
(反対側) | テンプレート:Color釜石線(上り) | 遠野・花巻方面 |
※案内上ののりば番号は割り当てられていない。
駅周辺
歴史
当駅は1914年(大正3年)4月18日に岩手軽便鉄道が遠野 - 仙人峠間を開通させた時に開設された。当初は第1早瀬川橋梁の工事が遅れた関係で仮橋運行となり、路線自体が貨物営業のみであった。5月15日から旅客営業が開始されたが、これについては5月19日の説もある。その頃は762 mm特殊狭軌の軽便鉄道であった。また、岩手軽便鉄道の中間区間での工事が難航して、東側で部分開業をしたため、東線として孤立した区間で運行していた。花巻 - 仙人峠の全線が完成したのは1915年(大正4年)11月23日のことであった。
1936年(昭和11年)8月1日に国有化されて国鉄の駅となった。その後は国鉄標準の1,067 mm軌間への改軌工事が進められた。しかし第二次世界大戦の戦局悪化に伴い労働力や資材が不足して改軌工事は一旦中止となった。1948年(昭和23年)9月にアイオン台風によって山田線が大きな被害を受けると、三陸海岸方面への鉄道連絡を早期に回復させるために釜石線の工事が再開されることになり、12月に再着工した。1950年(昭和25年)10月10日に、仙人峠を越える区間が完成して釜石線が全通するとともに、遠野 - 足ヶ瀬間の改軌工事が完成し、全区間を1,067 mm軌間の列車が運転されるようになった。
年表
- 1914年(大正3年)4月18日 - 上郷駅(かみごうえき)として開業。当初は貨物駅であった[1]。
- 1914年(大正3年)5月15日[2] - 旅客営業開始(5月19日の説もある)。
- 1916年(大正5年)2月10日 - 岩手上郷駅に改称[3]。
- 1936年(昭和11年)8月1日 - 岩手軽便鉄道の国有化により国鉄釜石線の駅となる。
- 1944年(昭和19年)10月11日 - 国鉄釜石東線の開業に伴い、所属の路線名が釜石西線に変更となる。
- 1950年(昭和25年)10月10日 - 国鉄釜石線の全通により、再び釜石線の駅となる。1,067 mm軌間への改軌工事が完成する。
- 1965年(昭和40年)10月1日 - 専用線を除く貨物取扱廃止。
- 1972年(昭和47年)9月10日 - 貨物取扱を完全廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の駅となる。
- 1993年(平成5年)10月1日 - CTC化により無人化。岩手上郷駅長が廃止され、遠野駅長管理下となる。
その他
- エスペラントによる、「Cervodanco(ツェルヴォダンツォ:鹿踊り)」という愛称がついているが、何故かほかの駅にはあるエスペラント名の標識がこの駅にだけはない。
隣の駅
脚注
- ↑ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1914年4月25日(国立国会図書館デジタル化資料)
- ↑ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1914年5月21日(国立国会図書館デジタル化資料)
- ↑ 「軽便鉄道停車場名称変更」『官報』1916年2月18日(国立国会図書館デジタル化資料)