特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(とくていゆうがいはいきぶつとうのゆしゅつにゅうとうのきせいにかんするほうりつ)平成4年(1992年)12月16日法律第108号。最終改正:平成17年(2005年)4月27日。バーゼル条約に対応する国内法であり、バーゼル法とも呼ばれる。特定有害廃棄物の運搬、輸出入の制限、処理などを規制するための法律。
目的
この法律は、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約等の的確かつ円滑な実施を確保するため、特定有害廃棄物等の輸出、輸入、運搬及び処分の規制に関する措置を講じ、もって人の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的とする(第1条)。
内容
バーゼル条約により指定されている特定有害廃棄物等(有価物も対象とする)を輸出する際は、輸出の承認を受けなければならない。これは、外国為替及び外国貿易法第48条第3項によるものである。経済産業大臣へ申請を行い、写しが環境大臣へ送られる。環境大臣は相手国(輸出先)や通過地点の国の承認を得、経済産業大臣に輸出を許諾する。その後に、申請者が経済産業大臣によって許可される。
輸入の場合は、外国為替及び外国貿易法第52条の規定により、やはり承認が必要となる。承認後、環境大臣が輸出国に対して同意を行った後に輸入できる。
制定の背景
1970年代から1980年代にかけて、有害な廃棄物が先進国から開発途上国へ輸出され、不法に投棄され、環境汚染が発生したり、船からの荷揚げを拒否されたりする事件が多発した。これらは、規制が緩く安価な処理費用ですむ開発途上国へ有害廃棄物を輸出するために起こった事件である。このようなことから、有害廃棄物の越境移動問題は、地球的規模での対応が必要な問題であるという認識が強まり、1989年に国連環境計画(UNEP)を中心として、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約が採択され、1992年に発効した。
日本では、1992年に本法を制定し、1993年にバーゼル条約に加盟している。