作山古墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:Otheruseslist テンプレート:日本の古墳 作山古墳(つくりやまこふん)は、岡山県総社市にある前方後円墳。国の史跡に指定されている。
概要
ごく低い丘陵上に築造されていて、墳丘の長さは約286メートル、後円部の最高地点24メートル・直径174メートル、前方部の長さ110メートル、前面部幅174メートル、高さ22メートル。独立した小さい丘陵を加工した、三段築成の前方後円墳である。各段には密接した円筒埴輪が立ち並んでいたと推測されており、斜面は角礫が葺かれている。北側(前方部から見て左側)に造り出しがある。外周には周濠がない。後円部の外周には幅約20メートルの段[1]が巡っていた。前方部前面と南東部に小さな丘が残っていて見栄えに欠け、また、巨大古墳としては陪塚が伴っていない[2]。
5世紀の中頃、古墳時代中期に造営された古代吉備王国の豪族の墓と思われる。全国で9位の規模[3]の古墳で、岡山県下では造山古墳に次いで2位の規模である。
大正10年(1921年)3月3日に国の史跡に指定された。なお、これまで発掘調査は行われていない。
岡山市の造山古墳も同様に「つくりやまこふん」と読むが、地元では作山は「さくざん」、造山は「ぞうざん」と区別して呼んでいる。
前方部左隅に無料の駐車場、トイレ、岡山県の観光案内看板が有る。陵墓等に指定されていないことから、自由に墳丘に立ち入ることができる。交通アクセスは良好とは言えないが、吉備路自転車道が近くを通っている。
- Tsukuriyama Kofun(Soja) Koenbu 20080803.JPG
くびれ部から後円部を望む
- Tsukuriyama Kofun in Soja-20080803.JPG
南東部から
周辺の古墳群
北の丘陵には17基の前期古墳が、北東の三須丘陵には墳丘長140メートルの前方後円墳(小造山古墳)が存在し、前期・後期合わせて約350基の古墳群が形成されている[2]。
脚注
- ↑ 作山段と呼ばれる。
- ↑ 2.0 2.1 (村上(1991) 129ページ)
- ↑ 全国10位とのデータもある。1 大仙古墳(486メートル)、2 誉田御廟山古墳(425メートル)、3 上石津ミサンザイ古墳(360メートル)、4 造山古墳(360メートル)、5 河内大塚山古墳(335メートル)、6 見瀬丸山古墳(318メートル)、7 渋谷向山古墳(302メートル)、8 ニサンザイ古墳(290メートル)、8 仲津山古墳(290メートル)、9 作山古墳(286メートル)
参考文献
- テンプレート:Cite book
- 岡山県高等学校教育研究会社会科部会歴史分科会/編 『新版 岡山県の歴史散歩』 山川出版社 1991年 123ページ