南米諸国連合
南米諸国連合(なんべいしょこくれんごう、UNASUR: スペイン語:Unión de Naciones Suramericanas、ポルトガル語:União de Nações Sul-Americanas、英語:Union of South American Nations、オランダ語:Unie van Zuid-Amerikaanse Naties)は、2007年に結成された「同一通貨、同一パスポート、一つの議会」を目指す南アメリカの政府間機構。南米国家共同体(なんべいこっかきょうどうたい)ともいう。
沿革
2004年12月9日にペルーで開催された南米12ヵ国の首脳会議の宣言により発足した政治、経済での統合組織・南米共同体(なんべいきょうどうたい、スペイン語: Comunidad Sudamericana de Naciones, ポルトガル語: Comunidade Sul-Americana de Nações, オランダ語: Zuid-Amerikaanse Statengemeenschap, CSN)が前身。
2005年に南米・アラブ諸国連合首脳会議を開き、34ヵ国が参加した[1]。
2007年4月16日、第一回南米エネルギー首脳会議がベネズエラのマルガリータ島で2日間の日程で開かれ、南米全12ヵ国が参加した。
- 初日の16日は、エネルギー相会議と外相会議、首相等の二国間協議が行われた。
- 二日目の17日は、「マルガリータ宣言」(南のエネルギー統合の構築)を採択して、閉幕した。
2008年5月、ブラジルの首都ブラジリアで南米12カ国(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ、ペルー、ボリビア、コロンビア、エクアドル、チリ、ガイアナ、スリナム)の首脳会議が開かれ、次のような目的のための設立条約が採択された。
- 加盟国間の政治的対話の強化
- 南米統合の促進
- 地域貧困の撲滅
- 識字運動
2010年8月6日、ベネズエラのカラカスで南米・アフリカ首脳会議の準備会が開かれた。同首脳会議[1]は2011年11月、リビアで開かれる。アラブとアフリカ地域の連携を目指している[1]。南米諸国連合は、両地域の多面的協力、地域統合に向けた努力の強化や一極構造は終わり多極構造の世界に向かって居るとの認識で南地域同士の共同・統合で世界の構造変化を進めていく考えを示した。
2011年11月29日、パラグアイの首都アスンシオンで開催された。議長国となったパラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領は、大国の介入なしに加盟国が直接対話することを強調し、自主的な地域統合を続ける決意を表明した。
加盟国
- メルコスール
中南米カリブ連合
中央アメリカ及びカリブ海諸国の参加も得て、ヨーロッパ連合をモデルにした“アメリカ合衆国・カナダ抜き”の地域統合体「中南米カリブ海諸国共同体」の結成を2011年7月に予定しており、前段階として「ラ米・カリブ首脳会議」が存在する。統合が実現すれば、フランス領ギアナを除く南米全域に、人口約3億8千万人の国家連合が生まれる。
2011年4月26日、ベネズエラの首都カラカスで、中南米カリブ海の新たな地域機構「中南米カリブ海諸国共同体」設立に向けた外相会合が開かれ、共同体の性格や運営の基本を定めた基本文書案が合意に達した。ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は開会のあいさつで、「この100余年に中南米で起きた事件の中で、もっとも重要な政治的出来事だ」と指摘。大国の干渉に苦しめられてきた歴史を振り返り、「われわれは、メキシコからアルゼンチンまで大きな平和地帯を強化しなければならない。戦争も、干渉も、クーデターももうたくさんだ」と述べた[2]。
2011年7月29日、基本文書が合意に達し、12月2日、「ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体」が正式に発足した。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 小倉英敬「ラテンアメリカ 脱・新自由主義の歴史的意味」『世界』2011年6月号)
- ↑ 中南米カリブ海共同体設立 運営の基本を合意 外相会合 平和地帯強化を強調 しんぶん赤旗2011年4月29日
関連項目
外部リンク
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