Kazaa Lite
Kazaa Lite(カザー ライト、K-Lite)はFastTrack ネットワークに接続するピア・ツー・ピアのファイル共有ソフト。スパイウェアやアドウェアを取り除いたKazaaの無許可修正版。K++ Loader と KL Extensionsプラグインによって多くの付加機能が加えられている。
目次
概要
Kazaa
Gnutellaを越えるピュアP2P型ソフトとして2001年3月に開発された。プロトコル名はFastTrack。
スーパーノードといわれる上位のノードがサーバとして働き、下位のノードは検索情報などを保持しない。ピュア型ハイブリッド型の利点を併せ持つ。(スーパーノード型ハイブリッドP2P)
Kazaa Lite
本家Kazaa社がオーストラリアのベンチャー投資会社Sharman Networks社に売却されたことにより、スパイウェアやアドウェアが組み込まれた為、有志が、スパイウェアやアドウェアの入っていない海賊版を作成した。
歴史
Kazaa
2001年3月にニクラス・ゼンストロームとジャニス・フリースがKazaaを開発し、配布(この二人は、後にskype、joostを生み出す)。Gnutellaの分散特性に、「スーパーノード」を加えたことにより、効率と安定性が上がり、みるみるユーザー数を増やしていくことになる。そして、2002年にオーストラリアのシャーマン・ネットワークス社にカザー社を売却。シャーマン・ネットワークス社は、マルウェアを組み込んだKazaaを配布した為に、マルウェアを取り除いたKazaa Liteが無許可で作られることになる。その後、シャーマン・ネットワーク社は、提訴されていた裁判に和解し、巨額な和解金を支払う。2002年には、Morpheusとのライセンスを巡る問題から、MorpheusをFastTrackネットワークから追い出し、一時は、ダウンロード数が世界一になったと言われていたが、BitTorrentやeDonkeyなどの台頭で、ユーザー数はかなり減っている。
- 2000年7月 ニクラス・ゼンストロームとジャニス・フリースが開発し、アムステルダムを拠点とするFastTrack社(後にKaZaAに社名を変更)を創業。
- 2001年3月 Kazaaプログラムの配布を開始。2001年4月20日にはFastTrackのユーザー数はおよそ2万人だったが、6月6日にはユーザー数が15万を超える。
- 2001年11月29日 オランダの著作権団体Buma/Stemraとの裁判で敗訴。(後述)
- 2002年3月 KaZaA.comなどのカザーの資産をシャーマン・ネットワークス社に売却。
- 2007年10月4日 P2Pソフト「KaZaA」にシステム乗っ取りの深刻な脆弱性が発見される。
Kazaa Lite
シャーマン・ネットワーク社から配布されることになったKazaaにマルウェアが組み込まれていたために、作成された。Yuri というモスクワ在住者が作者と言われている。オリジナルKazaaがマルウェア付きになった為、乗り換えたユーザーもかなりいたようで、Kazaa Liteのユーザー数は、オリジナルKazaaと同程度のユーザー数だと言われている。
Kazaaにバンドルされているマルウェア
- Cydoor (spyware)
- このプログラムは、インターネット接続を利用して広告をダウンロードし、利用に関する統計情報を送信。
- B3D (adware)
- PCがB3Dコードの引き金となるウェブサイトにアクセスしたときに、広告ポップアップを出させる。
- Altnet (adware)
- P2Pネットワークを形成し,広告や有料コンテンツのダウンロードを促進させるソフト。
- The Best Offers (adware)
- 広告を表示し、サーフィング嗜好を追跡。
- InstaFinder (hijacker)
- 存在しないサイトへの検索を、事前に定義された Web サイトへリダイレクトするブラウザヘルパーオブジェクト。広告を表示し、他のアドウェアプログラムをダウンロードし実行することが可能。
- TopSearch (adware)
- コンテンツ所有者のファイルをKaZaAネットワークで検索結果の上位に表示するというサービス。
- RX Toolbar (spyware)
- このツールバーは、Microsoft Internet Explorerで見るすべてのサイトをモニターして、インターネットへ接続し第三者へ情報を配信する。
- New.net (hijacker)
- このプログラムは、ブラウザのアドレスバーに名前解決できないドメイン名、存在しないURLを入力した場合、自身のスポンサーの関連Webサイトに接続をリダイレクトする。 また、このプログラムはNEW.net社が提供するTLD(Top Level Domain)をもつWebサイトに接続をリダイレクトする。
K++について(通称:Kpp)
K++はKazaaプログラムの機能のいくつかを向上させるためのローダ。K++はKazaa Liteをメモリ上に読み込み、プログラムをロードしている間にプログラムコードの部品を改変して、Kazaa Liteによって使用される内部機能を変更する。
- 「さらに検索」の回数を無制限にする
- 複数ソースからのダウンロードの方式を改善
- 参加レベル(PL)を最も高いレベルに固定
- サードパーティ製のDLLをロードしない
- 到達することがないようなソースは.datファイルに保存しない
- デバッグオプション
- ネットワーク名を変更可能
カザー事件
豪カザー事件
2001年10月3日 Morpheus・KaZaA・GroksterをMPAA・RIAAが著作権侵害で提訴
2005年9月5日 豪州連邦裁で敗訴、KaZaAユーザーが著作権を侵害していると判断、開発元にソフトウェアの修正を命じた
2006年7月28日 1億1500万ドルでレコード業界と和解
- この和解をもって、レコード業界が豪州と米国で提起したKaZaAに対する訴訟は終了
蘭カザー事件
2003年12月19日 オランダ最高裁で控訴審の判決を支持『KaZaA』配布は合法と判断
- オランダの音楽著作権団体Buma/Stemraとの差止請求で勝訴
関連事件
- KaZaAから無料でダウンロードしたシカゴの女性に22,500ドルの支払いを命じた
- 著作権侵害に対して、相当額の賠償金を支払うことに合意
種類
- Kazaa Lite
- Kazaa Lite K++
- Kazaa Lite Resurrection
- Kazaa Lite Tools K++