八軒家船着場
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八軒家船着場(はちけんやふなつきば)は、大阪市中央区の旧淀川(大川)左岸に有る船着場。
古代
上町台地の北部は、現在の大阪平野が古代に河内湖(草香江)と呼ばれる湖だった頃より港が有ったとされる。河内湖と大阪湾は、上町台地北部を通る難波堀江(なにわのほりえ)と呼ばれる運河で結ばれ、難波津と呼ばれる港が有った。
八軒家船着場が有る上町台地の北端には、平安時代には渡辺津と呼ばれる港が有った。窪津、大江の岸、楼の岸とも呼ばれ、熊野本宮大社への参詣路である熊野街道の起点として駅楼が置かれていた。
近世
江戸時代には八軒の船宿などが軒を並べていた事から八軒家浜と呼ばれ、京洛から淀川を下ってきた三十石船が到着した。熊野参詣の起点としてだけでなく、京都と大坂を結ぶ淀川舟運の要衝として栄えた。
その様子は多くの書物に遺されている。十返舎一九「東海道中膝栗毛」第八編では、舟を下りた弥次郎兵衛と北八が「大坂の八軒家」で上陸し、また摂津名所図会「八軒屋」、浪華百景「八軒屋夕景」には八軒屋の賑わいが描かれている。
京阪電鉄天満橋駅から土佐堀通りを挟んだ向かいにある永田屋昆布店の軒先に石碑が建っている。
現代
2008年3月29日、往時の八軒家浜の賑わいを水都大阪の再生の拠点とするため、八軒家浜船着場が開港した。「水都大阪2009」のイベントの際にはラバー・ダックが船着場に現れた。
同時に三隻までの船が着岸できるようになっており、4社の観光船が就航している。隣接する京阪電鉄天満橋駅と直結されており、2009年8月1日にはフレンチレストラン「リバースイート大阪」観光船案内所・情報発信スペースからなる『「川の駅」はちけんや』が開業したほか、後には大川沿いを天神橋まで続く遊歩道が整備された。
アクセス
- 最寄駅
- 最寄バス停
参考文献
- 永田屋昆布本店「八軒家の今昔 熊野街道のはじまり」