インドガン
インドガン(印度雁、Anser indicus)は、動物界脊索動物門鳥綱カモ目カモ科マガン属に分類される鳥類。
分布
アフガニスタン、インド、ウズベキスタン、カザフスタン東部、キルギス、タジキスタン、中華人民共和国西部、ネパール、バングラデシュ、ブータン、モンゴル、ロシア南東部[a 1]
日本では、1968年に千葉県、1972年に長崎県、1986年に小笠原などでの記録があるが、かごぬけ個体の可能性もある[1]。
種小名indicusは「インドの」の意で、和名と同義。バイカル湖以南のモンゴル高原などで繁殖し、冬季になるとインドなどへ南下し越冬する[2][3][4]。
形態
全長71-76センチメートル[2]。翼長オス45-48.2センチメートル、メス40.6-46センチメートル[3]。翼開張140-160センチメートル[2]。頭部の羽衣は白く、眼後部と耳孔を被う羽毛(耳羽)から後頭にかけて2本の黒い筋模様が入る[4]。頸部の羽衣は黒く、側頸に白い縦縞が入る[2][4]。体上面の羽衣は淡青灰色で[3]、羽毛の外縁(羽縁)が白い[4]。胸部から体側面にかけての羽衣は灰色で、後方に向かうにつれ黒みがかる[4]。腹部や尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)の白い。尾羽の色彩は黒く、先端と外側尾羽は白い[4]。
生態
河川、湖沼、湿原、農耕地などに生息する[2][5]。昼間は土手などで休み、夕方になると活動する[5]。非繁殖地では大規模な群れを形成する[5]。
繁殖形態は卵生。4-5月に平均4個の卵を産む[3]。抱卵期間は28-30日[3]。
高度8000m以上の薄い空気の中でヒマラヤを越えて移動する、世界で最も高い所を飛行する鳥である[6]。
人間との関係
越冬地では狩猟と対象とされることもある[3]。
関連項目
脚注
- ↑ 初野謙「迷鳥大図鑑」『BIRDER』25巻10号、文一総合出版、2011年、21頁
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、103頁。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、27頁。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、87頁。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、136頁。
- ↑ BBC地球伝説
参考文献
外部リンク
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