十字キー

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ファイル:Famicom controllers.jpg
ファミリーコンピュータ(任天堂)のコントローラ。一番左にあるのが十字キー。
ファイル:Sega Mark III. Joypad.jpg
SG-1000IIオセロマルチビジョンセガ・マークIIIマスターシステムのジョイパッド(セガ・エンタープライゼスツクダオリジナル)。任天堂の実用新案権を侵害しないように、レバー(つまみ)が取り外し可能、8方向ボタンを用いている。
ファイル:PC Engine Controller.jpg
PCエンジンNECホームエレクトロニクス)の初期型コントローラ。任天堂の実用新案権を侵害しないように、十字キーが一体化したボタンを用いている。
ファイル:PSX-Original-Controller.jpg
PlayStationソニー・コンピュータエンタテインメント)の初期型コントローラ。十字キーの代わりに4個のボタンを用いている。但し、上下左右が独立したボタンではなく、一体成形のパーツで方向キーを構成しているため、構造的には似たような物である。PlayStation 2PlayStation 3および、PlayStation Portableも同様。
ファイル:Virtual Boy controller.png
唯一、十字キーボタンを2つ装備したバーチャルボーイのコントローラー。

十字キー(じゅうじキー)は、主にゲーム機コントローラに使用されるボタン。十字キー元祖の任天堂としての公式名称は十字ボタン#呼称参照)。ゲーム内におけるカーソルの移動や、プレイヤーが操作するキャラクターの移動に使われる。

概要

上下左右に配置された4つのスイッチがあり、その上を十文字のカバーが覆っている。十字の中心には支点があり、カバーがシーソーのように動くことで、上と下または左と右のスイッチが同時に押せないようになっている。

任天堂在籍の開発者横井軍平によって開発された[1]。十字キーが初めて装備されたゲーム機は1982年発売のゲーム&ウオッチドンキーコング』。コンパクトながら親指だけで4方向にキーを押す感覚が伝わる画期的な操作性は携帯型ゲーム機にも相性が良く、その後ファミリーコンピュータなどの家庭用ゲーム機にも装備された。なお、装備数は一つの機器に一つであるが、任天堂のバーチャルボーイのコントローラーはこれを唯一2つ装備しており、ゲームによって両方または片方を使う。

実用新案権

十字キーについては、1982年に任天堂が実用新案登録出願を行い、1992年に「方向性スイッチ」という名称で実用新案権を取得している(出願番号:実願昭57-57437、公開番号:実開昭58-159132、公告番号:実公平3-13951、登録番号:実用新案登録1889504号)[2]。ただし、これは十字キーそのものについての包括的な権利ではなく、特定の構造の十字キーについてのものである。このため、他のメーカーはこの実用新案権を侵害しないように、任天堂とは構造の異なる十字キーを採用する場合が多かった。なお、当時の実用新案権の存続期間は出願から12年間(または出願公告から10年のうちの短い方)であったため、この権利は1994年に消滅している。

呼称

任天堂の実用新案の名称は前述の通り「方向性スイッチ」であったが、その後の任天堂、セガ日本電気松下電器等のゲーム機関連の特許出願等の中では、「十字キー」という名称が広く使用されている。 市場での名称としては、任天堂企画部の萩島光明はゲーム雑誌『ニンテンドードリーム』の質問回答コーナーにて「十字ボタンです。説明書もそれで統一しています」との説明をしており、任天堂はニンテンドーDSニンテンドー3DSなどの取扱説明書や、ソフトウェアの説明書でも「十字ボタン」と記述が統一されている。また、他のメーカーは「方向キー」「十字キー」などの名称を用いている。

「十字ボタン」の主な使用例

脚注

  1. ただし、実用新案を登録する際、発明者の名前を十字キーの図面を書いた人物の名前で登録したため、後日山内溥に怒られるというエピソードもあった。
  2. テンプレート:PDFlink 15ページ

関連項目

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