Winamp

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テンプレート:Infobox Winamp(ウィンアンプ、ウィナンプ)はNullsoft(現在はAOLの一部門)に所属するイタリア人プログラマールビナッチ・ジャンルーカ1997年に開発した、Windows用のメディアプレーヤーフリーウェア版とシェアウェアのプロ版がある。フリーウェア版ではMP3フォーマットへのエンコードや音楽CDからのリッピング速度などに一定の制限が加えられているが、再生機能部分に関しては同一である。Winampの意味は、Windowsの、amplifier(アンプ)である。Windows 9x系のサポートはバージョン5.35までで終了。

2013年11月20日、AOLはWinampの配布およびWinamp.comオンラインサービスを同年12月20日を以って終了することを発表。バージョン5.666が最終バージョンとなる予定であった[1][2]。しかし一転し、インターネットストリーミングラジオサイトShoutcastと共に、Radionomy社に買収されることとなった[3]。今後の更新があるかどうかは未発表である。

特徴

特長のひとつに、スキンを使って外観を変える機能がある。その仕様が公開されているため、誰でも自由にスキンを作成でき、実際に多くのスキンが配布されている。

プラグイン方式を採用し、Nullsoft製あるいはサードパーティ製のプラグインを追加することで種々の音声・動画ファイルの再生、各種デバイスへの出力、機能追加などに対応できる。またOgg Vorbis形式は標準で対応しており、PeerCastなどのストリーミング音声も再生が可能である。このような背景から、一般的なメディア再生ソフト・ハードでは再生できない特殊なファイルを再生することができるほか、一般的なメディアファイルについても、より音の良いデコードを行うものや機能の豊富なものを選択することができる。

表示に標準の英語以外を選択すると、Winampを起動するたびにテンポラリフォルダに大量のファイルが作成される。終了と同時に削除されるが、書き込みの遅いディスクを使っている場合、起動速度に影響する。

歴史

初期バージョンは1997年に登場。当初は音声再生専用のシェアウェアだった。翌1998年頃のバージョン2.xがMP3フォーマットの普及と共に爆発的な人気を獲得する。1999年、AOLがNullsoftを買収し、その頃からフリーウェア版が配布され始めた。

2002年、構造・インターフェースを一新したバージョン3.0が発表される。動画の再生に正式対応した(2.xでは動画再生にはサードパーティー製プラグインが必要だった)。しかし2.xに比べて動作が重く、Windows Media Player等に比べて動画再生機能が貧弱であったことと、プラグイン(3.xでは正式にはコンポーネントと呼ばれた)の構造を一新したために、2.xのプラグインに対して下位互換性がないことから評判は非常に悪かった(ただし、別途コンポーネントを追加することで、2.xのプラグインを読み込むことはできた)。これによりWinampの人気は大幅に失速した。その後2.x系も並行して更新が進み、2.90で動画再生に正式対応したため、3.xの存在意義は薄れ、開発停止となった。後に、3.xはWasabi.playerと名を変えてオープンソースのメディアプレーヤーとなったが、再び開発は停止している。

2003年12月、依然として人気が高い2.x系を3.x系と統合したバージョン5.0を発表。バージョン番号は3+2=5の意味であり、4.xは欠番となる。バージョン5.xは2.xとほとんど同じインターフェースを採用したほか、3.x用のスキンにも標準のプラグインで対応した上、3.xよりも高度なスキンを使うことも可能で、間口の広いソフトとなっている。バージョン5.1からは、CDからHE-AACにエンコード、再生できるようになった。しかしPCを使った音楽再生をめぐる状況の変化(iPodならびにiTunesの普及など)も影響し、以前ほどの人気は得られていない。それでも2.xをベースに開発されているため、2.x用のサードパーティによる多数のプラグイン資産が有効ということもあり、メディアファイルを広く活用するには依然利がある(ただし、3.x用のコンポーネントには標準で対応しない)。また、5.x系からシェアウェア版が復活した。2.x以前のシェアウェア登録は5.xでは無効であり、再登録が必要である。

最近のバージョンでは、音楽CDからのリッピングエンコード機能、コンピュータ内のメディアファイルを一括して扱うライブラリ機能、iPodとの連携機能などを標準で搭載し、単なる多形式再生ツールからの脱皮、進化が図られている。

当初、多バイト文字の表示に対応しておらず、それを実現するためにはサードパーティ製のプラグインやパッチを必要としていたが、バージョン5.3でUnicodeに対応した。

2007年10月10日にバージョン5.5がリリースされ、新たに「Bento」(名称は日本の弁当から取られている) というライブラリ中心のインターフェイスが追加された。また、2007年はWinamp登場10周年に当たり、リリース時間は現地時間で10月10日午前10時とされた。英語版以外に、外国語の言語ファイルが同梱されたものもダウンロードできるようになり、2008年7月に公開された5.54からは、一部不完全ながらも日本語版の言語ファイルが用意された。

なお、公式の日本語版言語ファイルが提供されるまでは、プレイリストでの文字化け等に対処するためにT-Matsuoが作成した非公式の言語ファイル「Winamp日本語化キット」が日本語ユーザーにとって必須と言えた[4][5]。同キットはバージョン2.xの頃から提供されてきたが、公式の言語ファイル提供に伴い開発を終了した。T-Matsuoは、公式版言語ファイルのメンテナンスを担当する事となり、その後もWinampと関わっている。

Android版

Android版はバージョン2.1以上に対応している。Android版ではWindows版の最新バージョンにてWi-Fiでの同期に対応している。

クローンソフト

  • XMMS - Unix系OS用のWinampクローン。

再生可能なファイル形式

  • 音声ファイル:aac, mp3, wma, wav, ogg, flac

脚注

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関連項目

  • Shoutcast 音楽ストリーミング配信システム
  • PeerCast インターネット放送用ソフトウェア

外部リンク

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