ULTRA N PROJECT

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テンプレート:Pathnav ULTRA N PROJECT(ウルトラ エヌ プロジェクト)とは円谷プロダクションによる、雑誌連載・映画・テレビドラマからなる連動企画。

概要

円谷プロダクションが、新たなウルトラマン像(円谷プロではこれをネオスタンダードヒーローと呼称)の開拓を目指して製作した企画。

2004年に第一弾『ウルトラマンノア』が雑誌連載とイベントショーなどで展開、同年10月にはテレビシリーズ『ウルトラマンネクサス』、さらに12月には映画『ULTRAMAN』が発表された。それぞれ独立した作品として発表されたが、『ネクサス』終盤において各作品の繋がりが明確になった。

しかし『ネクサス』の視聴率・玩具売上不振による打ち切りや『ULTRAMAN』の興行不振、これらに伴う続編の製作中止などから本企画は事実上頓挫した。このことは、撤退の決定を行った当時の円谷プロダクション社長・円谷英明が解任される一因になったとされる[1]

2010年にはウルトラマンノアが『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』にゲスト出演している。

作品一覧

各作品にはそれぞれNから始まるテーマが設けられている。

  1. ウルトラマンノア』(雑誌連載) - NOA NOSTALGIA (魂の原点回帰)
  2. ULTRAMAN』(映画) - NEXT EVOLUTION (次なる進化)
  3. ウルトラマンネクサス』(テレビシリーズ) - NEXUS TRINITY (三つの連鎖)
  • 企画の順番は「劇場作品(『ULTRAMAN』)」→「テレビ作品『ネクサス』」→「空白期間のためのキャラクター(ノア)」である[2]。劇場作品の企画から全ては始まっており、その中で「劇場作品を盛り上げる」ためにTVシリーズとして『ネクサス』の初期案が上がり、それに合わせて、劇場作品上映およびTVシリーズ放送開始までの空白期間を埋めるべく、雑誌展開を基軸に置いたニューヒーロー(ウルトラマンノア)の制作が見込まれた。当初『ULTRAMAN』は『ネクサス』の放送前に公開される予定であった[3]。ウルトラマンノアが従来ではなかった特徴を持つスーツ(光反射の強烈なメタリックシルバー塗装、アクションの障害になる背中の翼など)なのは、本来雑誌展開を主体とするため従来とは異なるものを造形したためである。
  • 本プロジェクトの世界観(ネクサス世界観、神に近いウルトラマンというノアのキャラクター設定)は、『ULTRAMAN』脚本および『ネクサス』のシリーズ構成・脚本である長谷川圭一が大きく関与している[2]
  • 当初は『ULTRAMAN』の続編として『ULTRAMAN2 requiem』の製作も予定されていたが、『ULTRAMAN』の興業不振に伴い中止となっている[4]
  • ウルトラマンフェスティバル2004で特別映像がショーの前に流された。

登場キャラクター

ウルトラマン

本企画には各作品に、様々な姿のウルトラマンが登場する。

ウルトラマンノア(『ウルトラマンノア』『ウルトラマンネクサス』に登場)
太古より全宇宙の平和を守り続ける伝説の存在。詳しくはウルトラマンノアを参照。
ウルトラマン・ザ・ネクスト(『ULTRAMAN』に登場)
青い発光体(ビースト・ザ・ワン)を追って地球にやってきた赤い発光体が、航空自衛隊のパイロット真木舜一と融合することによって出現した銀色の巨人。詳しくはULTRAMANを参照。
ウルトラマンネクサス(『ウルトラマンネクサス』に登場)
真木舜一から離れた光が、数年の時を経て新たなデュナミストと融合することによって出現した銀色の巨人。その姿を目撃したナイトレイダー隊員・孤門一輝の言葉により、「ウルトラマン」のコードネームで呼称されることになる。なお「ネクサス」の呼称は、孤門が受け継がれてきた光の意味を総括する上で一度だけ使用したもので、実際にウルトラマンがその名で呼ばれることはない。スペースビーストの脅威から人々を守るために人知れず戦い続ける。詳しくはウルトラマンネクサスを参照。

これらのウルトラマンには銀色のボディに胸部の赤いエナジーコア、3本の縦線が走った眼といったデザイン上の共通点が見受けられる。

ウルトラマン・ザ・ネクストとウルトラマンネクサスは共にアンファンス (ANPHANS) とジュネッス (JUNIS) と呼ばれる2つの形態をもつ(但し、2つの形態の意味合いはザ・ネクストとネクサスとで微妙に異なる)。また、この2体の必殺光線の名前はいずれも「 - レイ・シュトローム(英語の「光線」とドイツ語の「流れ」を合わせた造語)」で統一されている。

『ウルトラマンネクサス』終盤において、この3体はすべて同一存在であることが明かされる。

デュナミスト(適能者)

『ウルトラマンネクサス』ではウルトラマンに変身する者をデュナミスト(適能者)と呼称する。『ULTRAMAN』でウルトラマン・ザ・ネクストに変身する真木舜一も、劇中では呼称されないがデュナミストの一人とされる。デュナミストとなる資格は、姫矢のように夢の中で見たとある遺跡の奥にたどり着くこと(真木舜一は偶然)であり、デュナミストが「生きる意味」を見出したとき、光はデュナミストから分離し、前のデュナミストが次に光を受け継ぐのにふさわしいと選んだ者が次のデュナミストとなる。

  1. 真木舜一:元航空自衛隊のイーグルドライバー。ある日未知の赤い光に遭遇し、ウルトラマン・ザ・ネクストに変身する。
  2. 姫矢准:元報道カメラマン。悲しい過去を背負い、自分が光を受け継いだ意味を追い求めて孤独な戦いを続ける。「エボルトラスター」で、ウルトラマンネクサスに変身する。
  3. 千樹憐:姫矢の次にネクサスの光を受け継いだデュナミスト。遊園地でアルバイトをしている。アメリカ・ダラス出身のハイブリッド新生児だが、その出生ゆえに悲しい宿命を背負う。
  4. 西条凪:ナイトレイダー副隊長。最終回でのみ変身する。光を受け継ぐことをダークザギに予知されたため、その運命を狂わされるが、孤門と出逢い助けられることも運命づけられる。劇中ではアンファンス形態のみの登場だが、後に丸山浩は「ジュネッスルージュ」という凪が変身する黒と白のジュネッスの非公式形態を、自分のツイッターで描いている。
  5. 孤門一輝:凪と共に最終回でのみ変身する物語上最後のデュナミスト。ナイトレイダー隊員としてそれまでのデュナミストたちの戦いを間近で見届け、受け継がれてきた光の意味を総括する役割を担う。ネクサスの各形態を経て、光の巨人の真形態であるウルトラマンノアへと究極変身し、闇の巨人との戦いに終止符を打つ。

闇の巨人 ウルティノイド

シリーズを通した敵キャラクターとして、ウルトラマンと酷似した姿のキャラクターが登場する。それぞれウルトラマン同様変身する者(暗黒適能者)が存在するが、こちらはデュナミストとは呼称されない。また、ウルティノイドとは一体どのような存在であるか、ウルトラマンと正逆の波長をもつこと以外作中では明言されていない。

暗黒適応者
  1. 斎田リコ:物語上最初に現れた暗黒適応者。闇の力に取り憑かれた溝呂木に殺害され、操り人形としてダークファウストにされる。
  2. 溝呂木眞也:元ナイトレイダー副隊長。自身の心の弱みを闇に突かれ、闇の力を手にダークメフィストとなる。悍ましいデスゲームを仕掛け、ナイトレイダーとウルトラマンを苦しめる。
  3. 三沢広之:MP(メモリーポリス)の一員だったが、アンノウンハンドの手によって、闇に堕ち、溝呂木に代わってダークメフィスト・ツヴァイとなる。
  4. 石堀光彦=山岡一:アンノウンハンドの正体であるダークザギの人間態。来訪者研究スタッフの身体を奪い、ナイトレイダー隊員となってTLTに潜入する。自身の姿を取り戻すためにスペースビーストと闇の巨人たちを操り、リコに溝呂木だけでなく、TLTでさえも道具として利用し、様々な手段と陰謀を巡らせる。

邪悪なる暗黒破壊神 ダークザギ

  • 身長:50メートル
  • 体重:5万5千トン

ダークサイドノア」とも呼ばれ、ウルトラマンノアに相似するボディの体色は、漆黒と赤いラインが走っており、胸にはノアと同様のY字形のエナジーコアが存在する。ノアの究極技「ノア・ザ・ファイナル」によってノアとともに次元の彼方へと姿を消した。後に『ウルトラマンネクサス』に登場するダークファウスト、ダークメフィストへと連なる黒い巨人ウルティノイドの一人目で、設定上は不死身とされる。

その正体は20年前に地球にやって来たM80さそり座球状星団の異星人「来訪者」が、スペースビーストを駆逐するために造り上げた対ビースト用最終兵器人造巨人「ウルティノイド・ザギ」で、かつて母星をビーストから救った光の巨人(ウルトラマンノア)を模して造られており、そのためウルトラマンノアと似た姿になっている。

他の生物を取り込む(捕食する)ことで進化するスペースビーストに対抗するため、自己進化プログラムを組み込まれている。しかしその結果歪んだ自我に目覚め、「光の巨人の模造品」と自覚するようになり、それを越えようと倒すべきビーストを逆に進化・増殖させてしまい、自らがビーストを支配する頂点となって暴走していった。

その脅威に対応出来なくなった来訪者たちは、最後の手段としてザギを自分たちの母星ごと爆破、その結果起こった超新星爆発が地球でのビースト発生の発端となる。後に地球へ飛来し、復活の時を待ち続けた。

クロムチェスターδの攻撃も全く受け付けず、ジュネッス、ジュネッスブルーをも遙かに凌駕して寄せ付けない超戦闘能力を有するものの、ネクサス真の姿であるノアの前に敗れさり、宇宙の藻屑と化した。

  • カラーリングとノアイージスを除けば、ウルトラマンノアとほぼ同じデザインであり、身長・体重も同じであるが丸山浩によるとスーツ的にはかなりのパーツがノアより省略されているらしい。
  • N PROJECT開始当時は、目がノアと同じく黄色だったが、ネクサス最終回では体のラインカラーと同じく、目は赤色となった。これはゲーム版も同じ。
  • ライブステージでは目が黄色だが、場合によっては赤になる。N PROJECT開始時の限定ソフビ人形は目が黄色だが、後の再版では赤で統一された。
  • 「本来は凪が闇に落ちて変身する予定だった(ZAGI→NAGIなどの設定もある)[5]」という設定と、またライブステージなどにおける「ノアとザギは本来一つ」という台詞から、現在とは立ち位置の異なるキャラクターだった。
  • 名前の由来はギザの大ピラミッドの「ギザ」を逆にしたもの[6]
  • 『円谷プロ全怪獣図鑑』では、別名を「暗黒破壊神」と記載しているテンプレート:Sfn

『バトルオブドリームNOA』での登場

遥か古代、M80さそり座球状星団でのウルトラマンノアとスペースビーストの戦いで、ビーストが殲滅された後、来訪者によってウルティノイド・ザギは生み出されたが、暴走を始め、打つ手がなくなった来訪者は自分たちの母星を爆破した。

その時の超新星爆発で起こった膨大なエネルギーの影響で、ノアと共に次元を越えて異世界(M78星雲世界)へと飛ばされ、時代は不明だが、ダークザギは怪獣軍団を率いて暴れ出して光の国を襲い、ゾフィーを打ち負かして人質に取り、光の国とウルトラ兄弟たちを絶体絶命の危機に追い詰める。

最終決戦ではウルトラ6兄弟と彼等の加勢に現れたノアの活躍により、ノア捨て身のノア・ザ・ファイナルで、ザギはノアと共に再び次元を越えて元の場所(ネクサス世界)へ送り返される。

『ウルトラマンネクサス』での登場

第34話ラストと、最終回となる第37話に登場し、これにより『ネクサス』と『ノア』の世界観も共通であることが明示され、初登場時はネクサスの遺跡を破壊。吉良沢優は来訪者たちが感じた恐怖とイメージに表れた荒れ狂う黒い巨人の姿にアンノウンハンドの正体を見る。

18年前に少年時のクラスA超能力者の海本隼人は、「ザギが飛来、復活することで地球が滅ぶ」という来訪者の警告を受け取るが、その場に居合わせた来訪者研究スタッフの科学者・山岡一はザギへの恐怖と絶望を抱き、それを好機としたザギはアメリカ・コロラド州の山中にて、ザギを恐れる山岡に憑依し、彼の体と意識を乗っ取ることに成功。直後、同じ研究スタッフだった西条波を殺害。当時8歳だった波の娘・凪の心にビーストへの深い憎しみを植えつけるが、それは凪がウルトラマンネクサスの光を受け取る日のためにザギが予期して打った布石であった。

その後、石堀光彦と名乗ってナイトレイダーに入隊、TLT内部に潜伏するアンノウンハンドとして、ネクサスとスペースビーストの戦いを影から操る黒幕となり、ファウスト、メフィストという闇の巨人たちを生みだしてはネクサスにぶつけ、TLTの情報を盗み、利用しながら秘かに機会を伺い続けた。

最終回でレーテを守る来訪者たちの力が弱まったことを契機に、凪に真相を聞かせて挑発し、その憎しみと怒りで変身させたことを引き金に、ネクサスの光を奪いさり、レーテに限界まで蓄積されたビーストと闇への恐怖の波動を吸収して復活。奇しくも、5年前にザ・ネクストがザ・ワンと戦った新宿へ降り立ち、世界中にビーストを出現させて人々を恐怖と絶望の中へ突き落とし、新宿を邪悪なる暗黒破壊神の力で蹂躙してゆく。

孤門一輝が変身したネクサスと戦闘を展開し、連続変身するネクサスをも劣勢に追いやるが、人々の期待と応援を受けたネクサスがノアに変身したことで形勢が逆転。ノアに圧倒され、ノア・インフェルノで大気圏外まで吹き飛ばされた後、ライトニング・ザギを放つもライトニング・ノアに押し返されて消滅する。

『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』に登場するダークザギ(SD)

映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』に登場。

  • 身長:14センチ~50メートル
  • 体重:150グラム~5万5千トン

異形の手のモノがダークザギのスパークドールズをダークライブして送り込んだ刺客。今作でも圧倒的な実力は健在で、ウルトラマンタロウ(SD)にも「今までの相手とは桁が違う」と言われる。ジャンナインを余裕でねじ伏せ、その後登場したウルトラマンギンガにもグラビティ・ザギでダメージを与え、世界各地をワープしながら激しい空中戦を繰り広げるが、最後は至近距離でのギンガクロスシュートとライトニング・ザギの撃ち合いの末エナジーコアを破壊されて倒され、スパークドールズに戻る。スパークドールズは異形の手のモノが回収したため、ヒカルの手には渡らず終わる。

その他の媒体におけるダークザギ

  • 『ウルトラマンゼロ&オールスターウルトラマン 超絶!!ウルトラリーグ』では黒幕として登場。ウルトラマンゼロのウルティメイトブレスレットを奪うために、エンペラ星人レイブラッド星人と手を組んで怪獣軍団を送り込み、ゼロやウルトラ戦士たちを襲う。
  • 円谷プロ公式サイトで恒例のエイプリルフール企画では、礼節を弁えた穏やかで知的な人物となっている。本人曰くこちらの方が「素」で、普段の言動は、悪の愚かさと正義の素晴らしさを子供たちに教えるための「悪の作法」であるという。それゆえ、悪役としての職務に忠実であると共に、ウルトラ戦士たち(特にゾフィー)を尊敬している。多くのウルトラ戦士や怪獣は「普段とネット上での性格が違いすぎる」と感想を漏らし、ネクサスも「ギャップが尋常じゃない」と述べる。また、2009年のエイプリルフールイベントによると、かつてウルトラマンティガと戦ったこともあるらしい。また、間接的にだが「マクロスシリーズ」とおぼしき世界の事柄も関知している。
  • ウルトラゾーン』でのミニコーナー「怪獣ことわざ」に、「おびに短しダークザギに長し」という絵が登場する。また、最終回となる第23話のアイキャッチでは、ゼットン(二代目)に勝利した姿が描かれている。
  • 円谷プロ50周年を記念して開催された『ウルトラ怪獣総選挙』では、合計50体の候補怪獣の1体として選ばれた。キャッチコピーは「ゆるふわ愛され破壊神」。総投票数799480票中の16316票を得て第17位の結果となった。

能力

※印は、劇中未使用の技。

ライトニング・ザギ
ノアのライトニング・ノアとは左右逆のポーズで放つ赤黒い色の必殺光線。雑誌展開ではライトニング・ノアと同等の威力であり、『ネクサス』最終話では新宿都市街を広範囲に破壊するが、ライトニング・ノアとの押し合いに敗れ、そのまま倒される。ライトニング・ノアと違い、光線を発射するまでの溜めと間が少ない。なお、新宿都心で放つ際は右手のみで放つ。『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』でも使用し、ギンガのギンガクロスシュートと押し合いを演じる。
グラビティ・ザギ
両拳から超重力光線を放つザギ版グラビディ・ノア。『ネクサス』最終回でジュネッスブルーを追い詰めるも、人々の声援を受けコアファイナルを発動させたネクサスに打ち払われる。『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』でも使用し、ギンガにダメージを与える。
ザギ・シュート
握り拳から強力な光弾を発射するザギ版ノア・シュート。『ネクサス』最終回で使用、クロムチェスターδを撃墜し、ネクサス(アンファンス)を吹き飛ばす。
ザギ・リフレクション
円形のバリアを張るザギ版ノア・リフレクションで、敵の光線を跳ね返す能力も持つ。クロムチェスターδのミサイル攻撃を防ぐ。
※ザギ・インフェルノ
腕に暗黒の炎を纏って相手に叩きつけるザギ版ノア・インフェルノ。
※ザギ・スパーク
腕から牽制用の光の刃を放つザギ版ノア・スパーク。
※ザギ・ブリザード
ザギ版ノア・ブリザード。暗黒波動の雪嵐で相手を芯まで凍らせる。
※ダークネス・ザギ
ザギ版シャイニング・ノアで、体から放つ闇で相手を吸収する。
※ザギ・ウェーブ
手から放つ闇でビーストを解放し、傷ついたビーストを回復させる。ザギ版ノア・ウェーブ。
※ザギ・ギャラクシー
ノア・ギャラクシーのザギ版で、暗黒波動で集めた隕石群を操る。
※ザギ・ミラージュ
闇の幻影で、敵を幻惑する。ノア・ミラージュのザギ版。
※ザギ・スルーアイ
ノア・スルーアイのザギ版。両目の特殊光線で、闇の中を見通す。
ザギ・パンチ
暗黒重力波動の必殺パンチを繰り出す、ザギ版ノア・パンチ。ノアに対し放つが、通用しない。『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』ではジャンナインへの最初の攻撃技として使用し、ジャンナインを一発で吹き飛ばす威力を見せる。
ザギ・キック
ノア・キックのザギ版。暗黒重力波動の必殺キック。一撃でネクサス(ジュネッス)を怯ませるが、ノアには通じない。
※ザギ・エルボー
ザギ版ノア・エルボー。超高速肘打ち。
※ザギ・ザ・ファイナル
ザギ版ノア・ザ・ファイナルで、自身の体の全暗黒エネルギーを放出して、全ての光を闇へと還元、もしくは変化させる。ただし、本来のノア・ザ・ファイナルとは効果が著しく異なる。
ダークフィールドG展開
ネクサスのメタフィールドを無効化する強力な暗黒時空間「ダークフィールドG」を展開する。ダークフィールドGの中ではスペースビーストの能力は増幅され、逆にネクサスは力を充分に発揮できない。また離れた場所で任意に展開することも可能で、倒されたビーストの回復や強化再生さえも可能にする(後述する闇の巨人たちのダークフィールドにはそこまでの能力はない)。
『ウルトラマンネクサス』本編では、姿を見せないアンノウンハンドとしてネクサスとスペースビーストの戦闘に介入してフィールドを展開するが、ダークザギ自身がフィールドを展開する描写は見られない(本編以外では、PS2ゲーム『ウルトラマンネクサス (プレイステーション2版)』のEpisode「冥王 -ザギ-」ではダークザギが両手を上げてフィールドを展開する描写が見られる)。
なお、ビーストを出現させるアンノウンハンドは人間時でも展開でき、ブラストショットによる一撃をブラックホールのように吸い込むだけでなく、送り返す能力も見せる。

闇の巨人 ダークファウスト

  • 身長:48メートル[7]
  • 体重:3万2千トン

突然、姫矢の前に現れて「自分はウルトラマンの影、無限に広がる闇の権化」と名乗る闇のウルトラマン。言葉通り、ネクサスと相反する能力を持ち、数々の超能力を用いてネクサスを苦しめる。高い戦闘能力を持つ反面、予期せぬ反撃を受けるとあっさり退却するなど弱々しい部分を持っている。

正体は孤門の恋人の斎田リコ。彼女は孤門と知り合った直後に溝呂木によって殺害され、彼の手で「操り人形」とされており、無意識にファウストに変身してネクサスと戦い続ける。ネクサスと同様、リコが変身前に負傷していた部分に対するダメージには特に弱く、変身中の負傷が変身解除後にも残存している。

溝呂木から正体を明かされたことで絶望したリコは孤門の前でファウストに変身し、ネクサスから光を奪い去ろうとするが、意を決した孤門からディバイトガンナーによる銃撃と呼びかけを受け、僅かにリコとしての意識を取り戻す。しかし、直後に溝呂木が召喚したノスフェルの爪から孤門を庇って致命傷を負い、リコの姿に戻った後に光となって消え去る。

  • 声:稲田徹
  • デザインモチーフはピエロ[8]。カラーリングは左右非対称で、足の爪先も反るように尖っている。
  • 『ネクサス』本編では自らを「ファウスト」と言い、姫矢准も「ファウスト」と呼ぶが、エンディングのコーナーのネクサス・シークレットファイルでは、「ダークファウスト」と呼ばれている。
  • ノスフェルによって致命傷を負わされた際に、ウルトラマンのカラータイマーに相当する器官が点滅する。これは本作に登場する闇の巨人の中で唯一である。
  • 『円谷プロ全怪獣図鑑』では、別名を「赤き死の巨人」と記載しているテンプレート:Sfn

能力

ダークフィールド展開
両腕を胸の前で交差させ、上方向に広げるポーズを取り、ネクサスのメタフィールドを無効化する暗黒時空間「ダークフィールド」を展開する。ダークフィールドの中では、闇の巨人とビーストの能力は増幅し、逆にネクサスは力を充分に発揮できない。さらに、周囲に電波障害を発生させる。ファウストのダークフィールドはいずれもネクサスのメタフィールド展開中あるいは展開後に浸食するため、自力でダークフィールドを展開することは一度もない。
ダークレイ・ジャビローム
正面に真っ直ぐに伸ばした腕から放つ闇の光線。オーバーレイ・シュトロームと互角の威力を持つ。第11話でネクサスにダメージを与える。
ダーククラスター
巨大な闇の球を造り射出する。闇の球は敵の頭上で小さな小弾に分裂し、雨のように降り注ぐ。第7話と第11話でネクサスにダメージを与える。
ダークフェザー
腕を振り、闇の力を敵に向かって放つ。威力は低めで、主に牽制に用いられる。第7話、第9話、第11話、第12話で姫矢やネクサスに使用するも、第12話でダメージを与えた他は、サークルシールドで防がれたり、アームドネクサスで弾かれたりと、あまり効果を上げることはない。第11話では孤門にも放つが、姫矢の放ったブラストショットが発生させたバリアに防がれる。
ダークフラッシャー
右腕を突き出し、衝撃波を放つ。第9話で姫矢を威嚇するために連続発射する。
ダークシールド
左手から円形状のバリアを発生させる。第10話で使用、クロスレイ・シュトロームを防ぐ。
エネルギー吸収能力
第12話で使用、ネクサスを押さえ込み、光の力を奪おうとするが、孤門の呼びかけを聞いたためにリコの記憶が戻り、中断する。

闇の巨人 ダークメフィスト

  • 身長:50メートル
  • 体重:5万トン

ファウストに続いてネクサスの前に現れる闇のウルトラマンで、元ナイトレイダー副隊長の溝呂木眞也と合体している。ダークエボルバーを用いて闇の巨人へと変身し、その際に顔に亀裂が入り、中からメフィストが飛び出すという変身プロセスを取る。

ネクサスの光を奪ってより強力な存在になろうと企み、ファウストやスペースビーストを操り、幾度も姫矢と死闘を繰り広げる。右腕のアームドメフィストにはかぎ爪状のメフィストクローを装備し、ジュネッス以上に接近戦を得意とする。

溝呂木と合体する際に彼と会話し、「溝呂木が望む溝呂木自身」と名乗る。姫矢との最後の戦いでは、満身創痍のネクサスを追い詰めるものの、ハイパーストライクチェスターによってエネルギーを補充されたネクサスに次第に圧倒され、互いの必殺光線の激突の後、ネクサス最後の渾身のジュネッスパンチによって敗北する。

第32話で再登場した際には、人の心を取り戻した溝呂木が闇と相反する光の力で変身したため、メフィストクローを装備していない。ツヴァイとの戦いでは序盤では優勢だったものの、変身前に負傷していたため劣勢に陥り、その末に致命傷を受けながらも動きを封じ込め、ネクサスに自分ごと撃つよう要求。共にアローレイ・シュトロームを受けて消え去るが、瀕死の溝呂木は元の姿に戻り、凪との和解後に息絶える。なお、光の力で変身した際は溝呂木の顔に亀裂が入りメフィスト化する時、通常時の紫の渦ではなく、ネクサスに近い金色の渦になる。

  • デザインモチーフは死神。背骨や肋骨状のモールドに意匠を入れている[9]
  • 名前の由来がファウストメフィストゲーテの文芸作品から採られている。
  • 悪のウルトラマンはこれまで何度かソフビなどで玩具化されたが、武器のメフィストクロー(玩具名アームドメフィスト)や変身アイテムであるダークエボルバーまで発売されたのは、今のところメフィストのみ。
  • 『円谷プロ全怪獣図鑑』では、別名を「黒い悪魔」と記載しているテンプレート:Sfn

能力

ダークシフトウェーブ
メフィストクローを地面に突き立てて闇の波動を放つことにより、ネクサスのメタフィールドを無効化する暗黒時空間「ダークフィールド」を展開する。ダークフィールドの中では、闇の巨人とビーストの能力は増幅し、逆にネクサスは力を充分に発揮できない。さらに、周囲に電波障害を発生させる。溝呂木の姿のままでもダークフィールドの展開は可能。ファウストと異なり、自分の力でダークフィールドを展開することもある。
ダークレイ・シュトローム
アームドメフィストを組みあわせて発射する強力な破壊光線。オーバーレイ・シュトロームと互角の威力を持つ。24話で使用、空中でオーバーレイ・シュトロームと激突し、巨大な対消滅爆発を起こす。いわゆるウルトラマンの十字に組んで放つ光線とは、手が左右逆になっている。
ダークレイクラスター
巨大な闇の球を造り射出する。闇の玉は小さな小弾に分裂し、敵目がけて降り注ぐ。第24話で使用、1発目はサークルシールドで防がれ、2発目は発射前にハイパーストライクチェスターのミサイル攻撃で妨害される。オーバーレイ・シュトロームとダークレイ・シュトロームの激突による対消滅爆発の中で、メフィストが次に放とうとした技もこれだと思われるが、放つ前に突進してきたネクサスのパンチに阻まれる。
ダークレイフェザー
三日月型の光線を放つ。連射が効き、主に牽制などに用いる。第24話で使用、地上のナイトレイダーを牽制し、ハイパーストライクチェスターにダメージを与え、ウルティメットバニッシャーを相殺する。
メフィストショット
メフィストクローから緑色の光弾を放つ。第14話でネクサスに使用するも回避される。
ハイパーメフィストショット
メフィストクローから放つより強力なメフィストショット。光弾の色が赤色になっている。第24話では7連射するもスピルレイ・ジェネレードで撃ち返される。
ダークグレネード
右手にエネルギーを溜めて作り出す、爆発性の強い光弾。メフィストクローを装備していない状態でも使用可能。第15話でボードレイ・フェザーをかわした後に使用、空中のネクサスを撃墜する。
ダークディフェンサー
円形状のバリアを作り出す。メフィスト自身は未使用だが、溝呂木は第18話でディバイトランチャーを防ぎ、ガルベロスの前方にも大型のバリアを張ってナイトレイダーの攻撃を防ぐ(前者は姫矢の放ったブラストショットに破壊され、後者は溝呂木の撤退と共に消滅する)。
テレパシー
テレパシーで相手の脳裏に映像を送る。第14話で薫少年に使用、彼の妹・理子を体内に取り込んだノスフェルを倒そうとする孤門の姿を見せることで、薫少年が孤門を憎むように仕向け、孤門の心を追い詰めようとする。

闇の巨人 ダークメフィスト(ツヴァイ)

  • 身長:50メートル
  • 体重:5万トン

ダークメフィストと同じ姿と能力を持つ闇のウルトラマン。普段はダークメフィストと同様の姿だが感情の高まると共に目が赤く発光する特徴を持つ。アンノウンハンドの闇の力で操られたMPの三沢広之がダークエボルバーで変身した姿。

ジュネッスブルーを苦戦させるが、そこへ人の心を取り戻した溝呂木のメフィストの乱入によって阻止される。メフィストとの対戦では戦闘経験の差からやや押され気味だったものの、相手の2ヶ所の傷を突いて形勢を逆転させ、さらに致命傷を負わせることに成功する。しかしメフィストに動きを封じられ、アローレイ・シュトロームによって、共に爆散する。

  • 本作は放送短縮のため急遽、制作した話であると雑誌テンプレート:Fullインタビューで語られている。
  • スーツはダークメフィストの予備スーツの改造。
  • 『円谷プロ全怪獣図鑑』では、別名を「黒い悪魔」と記載しているテンプレート:Sfn

能力

※は劇中未使用。

ダークファランクス
メフィストクローを超高速で突き出し、相手の体を連打する。バーストクラスターをかわしたジュネッスブルーに高速飛行で接近して使用、ダメージを与える。
※ダークレイ・シュトローム
ダークメフィストの使用する物と同じ類の破壊光線。
※メフィストショット
上に同じくメフィストの使用する物と同じタイプの破壊光線。
ダークレイフェザー
同じくメフィストの使用する物と同型の破壊光線。ジュネッスブルーに3発連続で使用するが、全てかわされる。
バーストクラスター
ダークメフィストの使用するダークレイクラスターの強化版。ダークレイクラスターと異なり、ある程度の誘導性を持っている。空中でダークレイフェザーをかわすジュネッスブルーに使用するが、やはり全てかわされる。
ダークフレイム
右腕から放射する、火炎状の光弾。地上にいる孤門たちに3発連続で放つ。
エネルギー吸収能力
エナジーコアを掴み、ネクサスの光の力を奪おうとするが、光の力で変身した溝呂木のメフィストに妨害される。

闇の巨人 ダークルシフェル

媒体によって「ダーク・ルシフェル」、あるいは単に「ルシフェル」とも表記される。『ネクサス』本編に登場が予定されていた闇の巨人だが、放映短縮のため未登場[10]

本来の構想では一連の事件の黒幕として石堀が変身することが検討されていた[6]

鋭い牙と鉤爪を持ち、首の左右にダークファウストとダークメフィストの面が配置され、全身にザ・ワンの要素を配したダークザギという趣で、ウルトラマンと怪獣をミックスしたデザインとなっている。胸部にはエナジーコアのようなY字の部位が存在し、中心は抉られたような造型にになっている。赤のラインは血管のイメージに近く、下記の特徴も含めて他の闇の巨人とは大きく異なった要素で構成されている。また、背には翼のように伸びる黒い突起物が存在する。スーツを製造した場合の覗き穴は、牙が生えた口が想定されていた。なお、これらの形態は最終形態と脚本の長谷川が語っているが、それ以前の形態のデザインは不明。

ルシフェルという呼称、三面、全身黒色であるなどダンテの『神曲』におけるルチフェロ(ルシファーサタン)の描写に近いデザインをしている。外見的な特徴として、映画『ULTRAMAN』におけるザ・ワンと類似した特徴を多く持つ。背部にあるベルゼブア形態時の翼に似た突起物、青く光る眼(ザ・ワンに取り込まれた有働も時折瞳を青く発光させる)、三つの首(ベルゼブア以降、首の付け根に吸収した生物の小さな顔を持つ)や足・腕につく鋭い突起物など。

イラストレーターの丸山浩によれば、決定稿以外ではヒューマンタイプ(ヒーロータイプとも)など多数のデザイン案が存在し、そちらのデザインの一部は『ウルトラマンメビウス』に登場するハンターナイトツルギおよびウルトラマンヒカリにも一部使用されているという(角のような耳など)。

『ウルトラマンネクサス TV COMPLETE DVD-BOX』封入ブックレット掲載の小説『再臨 -ドリームス-』では、孤門と凪の前に現れた元MPの黒服の男が変身する。ダークザギをも超える存在と名乗り、再び世界を闇で塗りこめるために姿を現す。

後年への影響
ウルトラマンサーガ』の企画段階では、決定稿とは異なる物語の黒幕として登場する案があった[11]
ウルトラマンギンガ』に登場するダークルギエルは、キャラクターイメージにダークルシフェルの要素も取り入れられている[12]

怪獣

『ウルトラマンネクサス』には「スペースビースト」と呼ばれる怪獣が登場する。また『ULTRAMAN』に登場する怪獣「ビースト・ザ・ワン」も劇中では語られていないがスペースビーストの一種であり、『ウルトラマンネクサス』に登場するスペースビーストは、ザ・ワンが倒された際に飛び散った細胞から生まれたとされる。 テンプレート:Main

脚注

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参考文献

テンプレート:ウルトラシリーズ
  1. テンプレート:Cite book
  2. 2.0 2.1 大決戦!超ウルトラ8兄弟 超全集』(小学館、てれびくんデラックス 愛蔵版)
  3. テンプレート:Cite book
  4. 舞台には阪神大震災復興10周年として神戸を予定していたが、次作『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』に引き継がれた。
  5. 『ウルトラマンネクサス ヒーローピクトリアル Vol.2 千樹憐編』(小学館
  6. 6.0 6.1 『ウルトラマンネクサス TV COMPLETE DVD-BOX』封入ブックレット P.6。
  7. 等身大にもなれる。場所によって大きさは変わる。
  8. DVD『ウルトラマンネクサス』Volume3 作品解説書より。
  9. DVD『ウルトラマンネクサス』Volume4 作品解説書より。
  10. 『ウルトラマンネクサス ピクトリアルVol.2』にデザイン画が掲載されている。
  11. 応援ありがとう! ウルトラマンサーガ感謝祭 第三章(10:40~)
  12. Blu-ray『ウルトラマンギンガ 4』(バンダイビジュアル BCXS-0790)封入 作品解説書 SPARK NOTES Vol.4。