ギザの大ピラミッド

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ギザの大ピラミッド

ギザの大ピラミッド(ギザのだいピラミッド、テンプレート:Lang-en)とは、ピラミッド建築の頂点とされる「クフ王のピラミッド」である。エジプトギザに建設された。世界の七不思議で唯一現存する建造物である。このピラミッドはエジプト第4王朝のファラオ、クフ王の墳墓として紀元前2540年頃に20年以上かけて建築されたと考えられている。完成時の高さ146.6mは、14世紀にリンカン大聖堂が完成するまで世界で最も高い建造物であった。

ギザの大ピラミッドに至るまでの沿革

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三大ピラミッド (最後方がギザの大ピラミッド)

一般に、ピラミッドの出現は、ファラオ(王)を頂点とした中央集権国家が確立したことを示している。したがってピラミッドの建造が盛んなことは、エジプト中央集権国家としても盛期であったと言える。

ギザの三大ピラミッド(ギザの大ピラミッド〈クフ王のピラミッド〉、カフラー王のピラミッドメンカウラー王のピラミッド)が建造された時代は「エジプト古王国時代(第3-第6王朝)」であり、この時代のピラミッドは、規模・技術ともに最高水準を示すことから、当時のことは、別名で「ピラミッド時代」ともいわれる。

なお、ピラミッドの語源は諸説あって確定できない。語源の最も有力な説はギリシア語で三角形のパンを指すピューラミスπυραμίς pyramis ピラミス、ピラムスとも)に由来する、という説である。古代エジプト語名は「メル(mer)」で、「昇る」という意味。ミル、ムルとも発音し、ヒエログリフでは△と表記した。

ギザの大ピラミッド

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クフ王のピラミッド断面図
1.入口 2.盗掘孔 3.上昇通路入口 4.下降通路 5.未完の地下室 6.上昇通路 7.女王の間 8.水平通路 9.大回廊 10.王の間 11.控えの間 12.脱出孔

クフ王が建設したギザの大ピラミッドは、ピラミッド建築の頂点とされ、最大規模を誇る。

現在高さ138.74m(もとの高さ146.59m)、底辺230.37m、勾配51度50分40、容積約235.2万m³で、平均2.5tの石灰岩を約270万-280万個積み上げたと計算される。長さと高さの比は黄金比である。14世紀にリンカン大聖堂の中央塔が建てられるまで世界で最も高い建築物であった。

こうした規模とともに石積技術も最高水準にある。例えば、底辺の長さの誤差は20cm、方位の誤差は1分57秒-5分30秒という正確さである。

王の間上部には、重量軽減の間と呼ばれる空間があり、19世紀にイギリスの軍人ハワード・ヴァイスが発破によって発見した。最上部にはクフ王の名前が残されている。

シャフト

王の間と女王の間にはそれぞれ通気孔が存在する。これは「シャフト」の名で呼ばれ、部屋の温度を一定に保つためのものと考えられているが、女王の間から伸びるものだけは通気孔と見るには両端が塞がっており、また構造的にもピラミッド内を右往左往するなど妙な面が目立っていた。女王の間の通気孔とされているこの穴は何故か薄い壁で巧妙に封鎖して隠されており、これは1872年フリーメーソン会員ウェインマン・ディクソンが発見するまで存在すら知られていなかった。

さらに1993年ルドルフ・ガンテンブリングによって行われたロボット、「ウプワウト (UPWAUT)」によるシャフト調査で、女王の間から伸びているこの小さな通路だけは外部へ通じていないばかりかピラミッド内の回廊を避けて設計されており、独立した通路として別に長々と蛇行していたことが明らかになった。さらに通路入口より60mほど先に青銅の取っ手が取り付けられた厚さ6cmほどの石灰岩の扉で閉じられた部屋があることがここで判明している。その後の調査で、扉にドリルで小さな穴をあけ、そこにファイバースコープを差し込み調査の結果、扉の向こう側にひびの入った壁が確認された。エジプト考古学庁長官ザヒ・ハワス博士は、この空間がクフ王の玄室に繋がっている可能性が高いと考えている。

さらに王の間のシャフトはオシリスを表すオリオン座の3つ星を、女王の間のシャフトはイシスを表すシリウスの方向を示している。これは古代エジプト人のオシリス信仰によるものであるとされている。

関連項目

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テンプレート:S-start テンプレート:S-ach |-style="text-align:center" |style="width:30%"|先代:
赤いピラミッド |style="width:40%; text-align:center"|世界一高い建造物
前2570年前後 — 1300年
146.6 m |style="width:30%"|次代:
リンカン大聖堂 テンプレート:S-end テンプレート:ギザ テンプレート:世界の七不思議 テンプレート:Asbox