TORO-Q

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TORO-Qは由布院エリアを中心に運行された

TORO-Q(とろきゅう)とは、九州旅客鉄道(JR九州)が由布院駅 - 南由布駅間を久大本線で運行していた観光用トロッコ列車である。

概要

由布院市街地道路の混雑緩和と観光促進を兼ねて、2003年に運行が開始されたトロッコ列車である。これは南由布駅前に車を止めて、そこから由布院駅までは列車で移動するパークアンドライドを推進させるという目的である。この列車のために南由布駅に折り返し設備が設けられた。

専用車両の老朽化などにより、2009年(平成21年)11月29日の運転をもって運行を終了した。なお、11月7日乗車分より、記念乗車証を配布していた。

運行概況

朝に快速「トロッコ列車」として大分駅 → 由布院駅間で運行され、その後は、由布院駅 - 南由布駅間で「トロQ列車」として5往復の折り返し運行を行った後、夕方に快速「トロッコ列車」として大分駅へ戻るダイヤであった。

由布院 - 大分間運行の快速「トロッコ列車」は全車座席指定席であるが、由布院駅 - 南由布駅間の「トロQ列車」は全車自由席であった。

停車駅

快速「トロッコ列車」
由布院駅 - 南由布駅 - 向之原駅 - 南大分駅 - 大分駅

車両

5両編成で両端が気動車(キハ65 36キハ58 569)、中間3両がトロッコ車両のトラ70000形無蓋貨車(74858,72792,74319)となっている。全車とも大分鉄道事業部大分車両センター所属。

2002年に大分県湯布院町(現在の由布市)で開催された「全国トロッコ列車サミット」の際に、先にトロッコ改造されていたトラ70000形無蓋貨車3両に気動車2両(キハ65及びキハ58)を連結し、内装や外観塗装など改造が施され、「TORO-Q」と命名された。車両デザインは水戸岡鋭治

トロッコ車両3両は国鉄時代末期の1987年に改造されたもので、当初は「アドベンチャー号」の愛称で鹿児島運転所に配置され、肥薩線などで使用された。一時期は、観光列車「いさぶろう・しんぺい」に併結して運転していた時期もあった。車内には木製のベンチとテーブルを備えている。窓は設けられていない。

キハ65 36は1989年四国旅客鉄道(JR四国)から譲り受けたもので、JR四国に在籍していた当時に座席がバケット式の固定クロスシートに取り替えられている。キハ58 569はかつてシーサイドライナーとして走っていた車両で、座席がグリーン車の廃車発生品のリクライニングシートに取り替えられている。

気動車2両は運用終了後、小倉工場で国鉄急行色に塗り替えられ、検査切れの2010年8月までイベント列車に使用した[1]。 その後、気動車2両は2013年6月5日に小倉総合車両センターへ回送され、キハ58 569は小倉総合車両センターで留置し、キハ65 36は解体された。またトロッコ車3両は大分鉄道事業部大分車両センターで保管。 2014年4月時点では、キハ58 569とトロッコ3両は車籍は有しているものの、いずれも保留車の扱いとなっている。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

  1. 観光列車「トロQ」、国鉄カラーで復活 - 朝日新聞 2010年2月1日