NHKニュース10

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組NHKニュース10』(エヌエイチケイ ニュース テン)は、2000年3月27日から2006年3月31日にかけて、NHK総合テレビBSハイビジョン、モバイル.nおよび海外向けのNHKワールド(NHKワールドTV、NHKワールド・プレミアム)の各チャンネルにおいて、生放送されていた報道番組である。BSでの放送は2000年12月1日から2005年3月25日まで。過去に1度だけ衛星第2テレビで放送されたこともある。

概要

これまでNHKの夜間深夜枠のニュースワイドは主に21時台の『NHKニュース9』と23時台の『NHKニュース11』の2つのニュース番組が存在していたが、テレビ朝日系列『ニュースステーション』に対抗する形で上記2番組を統合し(『ニュース9』は時間を縮小した上で継続)、1時間枠だった『NHKニュース7』も時間を縮小した上で、新たに22時台にニュース枠を創設しスタートした。構成はニュース・特集・スポーツニュースに加えて気象情報と市況を伝える。気象情報はCGを使用したもので、カスタム仕様。初年度は全国の地域の話題を生中継で紹介するコーナー、2年目までは海外ニュースをまとめて放送するコーナーがあった。

週刊現代』2005年2月5日号に、(NHKが)平日の22時台に『ニュースステーション』の対抗番組を作るという話は、NHK会長が川口幹夫であった時代から持ち上がっており、久米宏(『ニュースステーション』司会)の番組に対抗する報道番組を作ってほしいという自民党の意向を受けた幹部から声が上がっていたが、自民党に迎合して人員や機材の物量で民放を圧倒するような真似をすることを川口をはじめ複数の幹部が許さなかったため実現には至ってこなかったものの、1997年にNHK会長が川口から海老沢勝二に交代し、2000年春から本番組が始まったという経緯があると報じられた。

しかしながら視聴率は、開始当初から『ニュースステーション』に大きく水を空けられており、NHKの他の報道番組とは違って毎年のようにリニューアルを繰り返しているのが実情であった。ただし、重大な事件などが発生した場合に、視聴率が上回るケースもあった。対するテレビ朝日は2004年3月に『ニューステーション』を終了、4月に『報道ステーション』(こちらでは久米に代わって古舘伊知郎が司会を担当)を開始させた。

2001年9月11日(アメリカ同時多発テロ事件)、当初は台風情報や狂牛病問題を予定していたが、最初に「ニューヨークの貿易センタービルに航空機が突っ込み煙を上げている」様子を電話リポートを交えて中継、その最中に2機目の航空機が世界貿易センタービルに衝突する瞬間を生中継で放送し、そのまま午前0時まで伝え、NHK総合テレビも翌日までテロ報道一色となった。2機目突入の瞬間にキャスターの堀尾正明が「あっ」と声を詰まらせたが、この模様はNHKが衝突の瞬間を生中継したものとして使用されている。『ニュースステーション』はCNNの中継で第一報を21:57頃流していたが台風情報に切り替えたために、2機目の突入を生中継できなかった。テロである可能性を伝えたのは本番組が先であった。

2006年3月31日に最終回を迎える。エンディングでは、今井環が「古代ギリシャのアリストテレスはこう言いました。『人間は生まれながらに知ることを欲する』」[1]と述べ、番組のキャスター5人が並んで挨拶をし、4月以降の担当番組などを紹介して番組を締めた。

2006年4月3日から、1時間の大型ニュース番組としては21時台の放送へと移行し、新たに『ニュースウオッチ9』としてリニューアルして、2008年度まで視聴率は12%程度で安定していたが、2009年度以降は再び『報道ステーション』に大きく水を空けられている。また、23:30 - 23:55枠『スポーツ&ニュース』と題したニュース枠を新設し、以降、『きょうのニュース&スポーツ』、『Bizスポ』、『Sportsプラス』&『Bizプラス』と変遷を辿っている。

2012年4月13日 - 2013年2月8日には金曜日22:00 - 22:48に生放送の情報番組情報LIVE ただイマ!』が編成された。金曜日限定ではあるものの、本番組以来6年ぶりの生番組が一時復活となっていた。

放送時間

22:55 - 23:00はローカルニュース・天気予報。
重要な事件がある場合は、随時放送時間を延長する。大体23:10までが全国放送(23:10 - 23:15がローカル)となる場合が多いが、大型の台風2001年アメリカ同時多発テロ事件(この時は台風情報中心の予定だったが急遽テロ関連中心の編成になった)・2003年イラク戦争2004年新潟県中越地震では、それよりも長い時間に渡って報道している。また23時台の番組を休止してローカルニュースを挟んだ2部形式で放送することもある。
NHKワールドTVでは、火曜日から土曜日までの1:00 - 1:55までに再放送がある(二ヶ国語放送は英語が主音声となり副音声は日本語となる)。
2006年2月に開かれたトリノオリンピックは時差の関係で番組に内包する形で中継をした試合があり、その時は番組開始時間の繰上げや放送時間の拡大・短縮の処置が取られた。

出演者

キャスター

期間 メインキャスター スポーツ 気象情報 リポーター
2000.3.27 2001.3.30 堀尾正明 榎原美樹 藤井彩子 森本健成 (不在)
2001.4.2 2002.3.29 森田美由紀 榎原美樹
2002.4.1 2004.3.27 今井環 有働由美子 高田斉 松尾剛
2004.3.29 2005.3.25 有働由美子 坂本朋彦 鎌倉千秋
2005.3.28 2006.3.31 野村優夫
備考
  • 2000年度8月の堀尾の夏休みは内多勝康が代行。
  • 榎原は2001年度からメインキャスターから海外ニュース担当キャスターに変更。最終日の挨拶で2001年度の半分が海外取材だったことを明かす。
  • 森本はNHKアナウンサーであるが、気象予報士として出演。2000年度はニュースコーナーも担当。
  • 高田は2000年度から気象ニュースのスタッフ、特に森本のアドバイザーとして参加。
  • 有働は2004年度からメインキャスターとスポーツキャスターを兼務。2002年秋に森田が病気により欠席した際には、森田の代役でメインキャスターを代行した(スポーツキャスターも兼任)。
  • 鎌倉は2004-2005年度気象情報の聞き手も担当、有働がスタジオ不在の場合は代行。

番組オープニングについて

本番組の大きな特徴として年度毎に番組のオープニング映像が変更されたことを挙げることができる。

  • 2000年度:自然と緑の葉っぱが舞うオープニング映像でテーマ曲は明るいポップ調。
  • 2001年度:地球といろいろな人々が映し出されテーマ曲は静かなもの。
  • 2002年度:一転して近未来的な映像でテーマ曲はキレのあるテンポがいいものであった。
  • 2003年度:2002年度のテーマ曲と同じだが、楽器を変えてアレンジ。
  • 2004年度:オープニングとヘッドラインが組み合わさり最後に番組ロゴが出るものを使用。テーマ曲は2002年度と同一人物の作曲(らしい)。
  • 2005年度:2004年度のBGMに若干アレンジを加えスタジオが映し出されたあとのBGMをカットした。

備考

  • 番組ロゴはそれまでの『ニュース7』、『ニュース9』、『ニュース11』とは異なり、独自のものに変更。リニューアルを繰り返した番組だが、ロゴだけは変更されていない。
  • 番組のあと、引き続き各地のローカルニュースを放送する都合でエンディングに「製作・著作」のクレジットは表示されていなかった。ただし特別編成で後続番組がニュース番組以外の時は表示されている。
  • 副音声で英語吹き替え放送による二ヶ国語放送を行っている。NHKワールドTVの再放送は、主音声は英語、副音声は日本語での放送となる。
  • 2004年・2005年2月11日は総合テレビで『NHK紅白歌合戦』の再放送を編成、15分繰り上げて21:45から放送した。6時のニュースや『ニュース9』が休止している。
  • 2005年3月28日からリアルタイム字幕放送を実施した。
  • 最終版セットで使用されていたキャスター用デスクはその後、NHK新潟放送局夕方ローカルニュース番組新潟ニュースファイル』→『新潟ニュース610』で2010年3月まで使用されていた。
  • NHKとしては珍しく芸能ニュースも伝えており、反町隆史松嶋菜々子の結婚記者会見や安室奈美恵の離婚を報じた。

関連項目

脚注

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  1. フジテレビ系列『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』で使用される台詞でもある。