電脳警察サイバーコップ

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組電脳警察サイバーコップ』(でんのうけいさつサイバーコップ)は、1988年昭和63年)10月2日から1989年平成元年)7月5日まで日本テレビ系列で全36話(うちラスト2話は特別編)が放送された、東宝(東宝企画)制作の特撮テレビ番組

放映時間は当初は毎週日曜午前10:30 - 11:00(JST、マストバイ局に同時ネット)であったが、1989年(平成元年)4月12日放送分(第25話)以降は毎週水曜17:00 - 17:30(JST[1])に変更された。

ストーリー

時は1999年、世界の中心都市TOKYOシティーでは、より凶悪化した犯罪が多発していた。そこで警視庁はそれに対処すべく特殊部隊ZAC(ザック、ZERO-SECTION ARMED CONSTABLE 0課装甲警察部隊)を編成。織田久義キャップの下、ビットスーツと呼ばれるパワードスーツを身に纏うサイバーコップたちが、日夜犯罪摘発に明け暮れていた。
そんなある日、ZACに新米警察官、武田真也が入ってくる。彼にはインターポールに保護される以前の記憶がなく、自分が何者なのかが分からないという。彼がZACに入ったことと、デストラップと呼ばれる犯罪組織の出現で苛烈する戦い、果たして彼は何者なのか? そして彼を付け狙うバロン影山とは?.....

概要

本作品は『メガロマン』以来、東宝が9年振りに制作した特撮番組であり、同時に従来の特撮番組とは一線を図す要素が多数盛り込まれた作品でもある。

その要素の最たるものが、当時としては珍しいVTR方式による撮影であるテンプレート:Sfn[2]。既に1983年(昭和58年)放送の『アンドロメロス』でもVTR方式による撮影は試みられていたが、同作品がスタジオ撮影が主だったのに対し、本作品ではロケーション映像にもVTR方式を活かした画面合成などが行われる[3]など、より進んだ形で採り入れられているのが大きな違いとなっている[4]

また作劇面でも連続ドラマとしての要素が導入されており、アクションよりも登場人物の人間性を前面に押し出したストーリー展開が視聴者にアピールされている。番組中盤までは記憶喪失である主人公のジュピターこと武田真也の過去が番組最大の「謎」となっており、彼を巡る登場人物同士の葛藤や人間関係も物語の骨子となっていた。第3クール以降は、主人公・武田真也とヒロイン・上杉智子、準主人公・北条明と敵幹部・ビーストマスタールナの恋愛が物語の軸となり、敵味方の人物像をより深く掘り下げる描写が垣間見られた。登場人物の人間性を深く掘り下げたストーリー展開に加え、従来の特撮番組ではいわゆる「お約束」とされてきた決めゼリフやヒーローが変身後に取るポーズなどの様式美の廃止、随所に挿入されている洒落の効いたセリフ、主人公とヒロインのキスシーンをほのめかす描写、児童番組としては異例の飲酒シーンも数多く描写されるなど、児童のみならず大人の鑑賞にも堪えうる作品作りが心掛けられた。

しかしそういった作劇面での斬新さはメインターゲットとされた児童層へのアピールには必ずしも繋がらず、スポンサーのタカラ(現タカラトミー)が販売した玩具はかなりの苦戦を強いられた。放送当時、タカラに営業マンとして勤務していた田中圭一が描いたマンガ『サラリーマン田中K一がゆく!』によると、本作品はバンダイ東映と組んで制作する戦隊シリーズのような特撮作品をタカラでも展開するという意欲の下で企画が進められ、大々的な制作発表も行われたという。しかし発売した玩具は経営陣が期待する売れ行きにはならなかったようで、田中はクリスマス商戦の際小売店店頭に立って主力商品のひとつ「サンダーアーム」(いわゆる「なりきり玩具」である)をアピールするも、なかなか売れ行きが伸びなかったというエピソードを描いている。一方、その「サンダーアーム」は本作品放送期間中にフジテレビ系列で放送されたテレビドラマ『君の瞳に恋してる!』で出演者が使用したところ、ヒット商品となり、番組終了後に「サウンドアーム」というマイナーチェンジ版が発売された。

主題歌

挿入歌

  • 「BRAND-NEW TOMORROW」(第34話)(作詞:田口俊、作曲:VAX POP、編曲:梁邦彦、歌:千葉美加)

スタッフ

キャスト

スーツアクター

ゲスト

登場人物

ZAC(ZERO-SECTION ARMED CONSTABLE)

漫画版では連載当初、マーズが毛利でサターンが北条であったがTV版に合わせて途中からマーズが北条、サターンが毛利になっている。

武田 真也(たけだ しんや)
コードネームはジュピター。本作品の主人公。インターポールからZACに途中加入した新米警察官。明るい性格で感情的になることもしばしば。過去の記憶をなくしていたが、実は23世紀の未来からやって来た未来人で、そこをビットスーツごとインターポールに保護されていた。武田真也という名はインターポールで仮につけられた名前である。未来世界ではコンピュータによる支配と戦う人類解放軍の戦士で、Z-226(ゼット・ダブルツーシックス)というコードネームで呼ばれていた。記憶を取り戻すにつれ、その宿命に苦悩する。最終回はルシファー、上杉とともに未来世界へと帰還する。
北条 明(ほうじょう あきら)
コードネームはマーズ。ビットスーツチームのリーダー。冷静沈着で任務遂行には私情を挟まない、警察学校を首席で卒業したエリート。言葉遣いはやや雑。他者に対する姿勢は基本的に辛辣で、特に扱いづらい相手には突き放した態度で臨むことも多い。最初は他のメンバーと違い警察学校出身ではなく、経験も浅い武田を「トーシロー」と素人呼ばわりし、彼の力量を認めようとしなかったため衝突していたが徐々に打ち解けていった。少年時、父親が死んだことに対しての復讐のためにハッカーになったが、織田キャップに補導されて更生、それ以来キャップを慕っている。デストラップの女幹部ビーストマスター・ルナと恋に落ちる。
毛利 亮一(もうり りょういち)
コードネームはサターン。人情家でチームのムードメーカー。可愛い女の子に目がないお調子者だが、そういった面は周囲を和ませるために意識して演じている部分もある。序盤においては何かと衝突の耐えなかった武田と北条の間に入って仲裁をしていた。戦闘は好まない。田舎に幼い弟妹を残してきている。
西園寺 治(さいおんじ おさむ)
コードネームはマーキュリー。格闘技の達人で、チーム最年少。若干、マザコン気味。後からZACに入った武田を先輩と呼んでいる。刑事として殉職した兄を超えるため、警察に入る。趣味は人形遊び(これが描かれたシーンでは、メインスポンサーであるタカラのリカちゃん人形が使われていた)。
ルシファー
第16話から登場。武田を狙う23世紀から来た未来人。23世紀では武田とともにコンピューターによる支配を阻止しようと戦っていたが爆発による時空の歪に武田、バロン影山とともに落ちて20世紀にやって来た。バロン影山の策略により武田が裏切っていたと思っていたが、後に和解し、ともに戦う。馴れ合いを好まず「あとはお前たちでやるがいい」と言って風のように去ることもしばしば。最終回は武田、上杉とともに未来世界へと帰還する。
上杉 智子(うえすぎ ともこ)
チームの実質的なまとめ役でサイバネーションシステムの起動、ブラックチェンバー移送やバックアップを担当する。経験の浅い武田を当初は先輩として気にかけるも、後にお互いに好意を抱くようになり、失われた記憶を取り戻すにつれ苦悩を深くする武田の心の支えとなっていく。最終回では、彼とともに未来世界に渡る決意をする。彼女もビーナスのコードネームを持っているが、このコードネームが使用されたのはのなかみのるによるコミックボンボン掲載のコミック『電脳警察サイバーコップ・ジュピター』のみであり、TVシリーズでは使われていない。
織田 久義(おだ ひさよし)
ZACの鬼隊長。時に厳しく時に優しく若い隊員たちを包み込み、的確な指示を与える。その人柄のためか隊員たちの信頼も厚い。時々、寒いダジャレを言う。
島津 瑞恵(しまづ みずえ)
ZACの秘書兼キャップ代行。織田キャップのサポートを行い、織田の不在時には指揮を執ることもある。かつてビットスーツの研究員と恋仲になった過去があるが、その彼は研究所を襲ったミサイルの犠牲になっている。以来独身を通し、彼の子供とも言うべきビットスーツを使用するZACの仕事についている。
矢沢 大介(やざわ だいすけ)
ZACのコンピューターオペレーター。情報収集及び解析を行い、作戦を補佐。コンピュータや科学に関する知識が豊富。
朝倉 美穂(あさくら みほ)
ZACの通信担当。天然ボケ。話し方はやや舌足らずな印象がある。命を投げ出すZACの任務に対し、いつも逃げ腰になる普通の女の子。

デストラップ

バロン 影山(バロン かげやま)
前線司令官。実はデストラップの真の支配者でジュピターやルシファーと同じ未来人。強力な光線を放つ指輪が武器。後にフューラーの頭脳を取り込んで超能力者となった。
フューラー
表向きはデストラップの首領だが、正体はバロン影山が造った世界最大のスーパーコンピューター。
首領としての姿は睦五朗の顔をオプチカルワークで表現したものであるが、放映当時の雑誌テンプレート:Fullにおいては暗闇の中に佇む睦五朗の顔がフューラーとして紹介された。
エインシュタイン博士
自らの理論を「超理論物理」と称するハイテク工学の天才。デストロイド・オミノス軍団を指揮する。第24話で戦死。デストラップの幹部は全てバロン影山が造ったアンドロイドであるが、本人たちはそのことを知らず、エインシュタインも死に際して自らの「人生」を振り返る言葉を遺した。名前の由来はアルベルト・アインシュタインから。
プロイド博士
フルネームはアーサー・C・プロイド。心理学の天才。非人間型のガロガ軍団を指揮する。武器は電磁鞭。モデルとなった科学者が既に死んでいること、過去の記憶が無いことなどをコップから指摘され、さらに破壊されて機械の部分が露出した自分の身体に驚愕しつつ死んだ。名前の由来はアーサー・C・クラークジークムント・フロイトから。
デューウィン女史
生命科学の天才。デストロイド・ハルコス軍団を指揮する。武器はナイフ。エインシュタインやルナに対するライバル意識を持つ。バロン影山は時折「デューウィン博士」と呼ぶ。バロン影山がフューラーに漏らした言葉によって自らがアンドロイドであることに気づき、プロイドやルナにそれを間接的に示唆するが、バロン影山に裏切りを指摘され殺される。名前の由来はチャールズ・ダーウィンから。
ビーストマスター・ルナ
第25話から登場。エインシュタイン博士の妹として製造されたアンドロイド。オミノス軍団に加えて、野獣戦士(ビーストソルジャー)四天王(タイガー、ホーク、タートル、サラマンダー)やその量産型のブラッククローズを指揮する。苛烈な性格だが、戦いの中で出会った北条と恋に落ちていく。

サイバービット

サイバーコップが身にまとうビットスーツのこと。それぞれ惑星のコードネームが付けられている。装着はビットステーションによって行われる。ビットステーションは当初ZAC本部に設置されていたが、後には専用車両ZACローダーに連結したコンテナ内部に搭載しての運搬も可能となった。

JP00X-1 ジュピタービット
武田と一緒に発見されたビットスーツ。マスクの部分が複眼になっている。攻撃、防御共に優れている万能型赤色のビットスーツ。23世紀のビットスーツで、他のサイバーコップのビットスーツ開発の参考にされた。危機的状況に陥ると(怒りが頂点に達し、前後の会話に関係なく毎回「許さねぇ!」と叫ぶ)、背中のベンチレーテッドフィンが開き、頭のサイバーエネルギー吸収アンテナが立って、異次元からミラクルなパワーが呼び寄せられるサイバーボミングが発動する。この際、武田は無意識状態に陥るため周囲や仲間のことも構わずに攻撃を行うという問題を抱えていたが、第7話でこれを克服。以降はボミング状態でも意識を失わずに戦えるようになった。体内に東京を二日で滅ぼすウィルス「P4B2」の抗体を持つ。また、第16話では心眼を会得し、第25話でも使用している。
JP-001-HP マーズビット
北条が装着するビットスーツ。形式番号で分かる通りZAC開発のビットスーツとしては最も初期のものである。パワーに優れ、火器管制装置FCSの強化により、射撃兵器の扱いに長けている、緑色のビットスーツ。両足のスタビライズギアにより、より正確な射撃が可能。他のビットスーツよりも装甲が非常に薄く、防御力が低いのが弱点。
JP-002-ER サターンビット
毛利が装着するビットスーツ。両肩にディスクレーダーを装備しているほか、各種センサーを内蔵している、情報分析を主とする白黒色のビットスーツ。防御力は高いが体内の分析装置の重さのため、機動力は極めて低い。胸部にメモリーカードスロット(記憶媒体は3.5インチフロッピーディスク)を装備している。
JP-004-HP マーキュリービット
西園寺が装着するビットスーツ。加速装置を装備しており、高速高機動力に優れた水色のビットスーツ。後方センサーの力が弱く、後ろからの攻撃に弱い。
ルシファービット
第16話から登場。ルシファーが装着する、ジュピターと互角以上に渡り合える能力を持っている白色のビットスーツ。ジュピターと同じ23世紀のビットスーツで、マスクの部分が複眼になっている他、ルシファーが「ルシファー・ビット!」と叫ぶことで時空を超えて装着される。サイバーコップと異なり、ビットステーションを必要としない。最初は敵として登場し口に黒いマスクを装着していたが、ジュピターと和解する第21話でのサイバーグラビトンの使用による衝撃でマスクが外れ、それ以降はマスクを装着しなくなった。その後は仲間となりサイバーコップと共に戦うこととなる。
ビーナスビット
漫画版で上杉が着用するビットスーツ[2]。テレビ版には登場せず。

装備

サイバーアーム

サイバーコップの腕のアームシステムジョイントに装着する特殊武装。左右どちらの腕にも装着可能だが、本編では右腕のみの装着であった。装備する際には「セットアーム!」と叫ぶ。それぞれがブラックチェンバーという黒いトランクに入れられており、街のあちこちに隠された専用端末や、公衆電話、銀行のATMなどにブラックチェンバーカードを差し込んでナンバーを入力することで、ZAC本部から地下チューブを通って運ばれ、道路にカモフラージュされた出口から射出される。

CA-001 トライショット
第6話から登場。超高層ビルをも撃ち抜く破壊力を持ったマシンガン。照準はサイバーコップの目と同調して、狙った敵を正確に捉える。パワーユニットを外せば単発射撃用の大型銃になるが、こちらは本編では未使用。主にマーズが使用する。第27話では至近距離からの連射でクラブ・ハルコスを倒した。
CA-002 ディスクラッシャー
第1話から登場。硬度特殊合金の切断メカで、高速回転のディスクソーはダイヤを切り裂くことができる。回転速度はサイバーコップの脳波でコントロールされる。両側面に張り出しているパワーカッターは、前方にスライドして太さ30cmのワイヤーも切断するハサミになっている。主にサターンが使用する。
CA-003 スラッシュキャリバー
第1話から登場。接近戦用の武器で、通常は鋭い剣のブレードユニットを装着して使用する。剣を外しても、本体のアイアンクローを起こして爪による攻撃が可能だが、こちらは本編では未使用。敵の動きを捉えるセンサーがサイバーコップの腕と連動して、素早い攻撃もかわせる。主にマーキュリーが使用する。
CA-004 ボルトワインダー
第1話から登場。丈夫なワイヤーの先端に、2種類のユニットを装着して発射する装備。破壊力抜群のハンマーとアンカーの二面を持つ多用途兵器である。ハンマーユニットはぶ厚い大理石の壁をつらぬくことができ、アンカーユニットはそのセンサーで正確に目標を捉えて打ち込むことができる。主にサターンが使用する。
CA-005 ロックバスター
第2話から登場。超硬度、超回転力を持つドリルで、核シェルターの頑丈な壁をも破壊するその威力を利用し、救出活動などにも使われる。ドリルユニットは3つに開いて岩も挟み砕けるほか、分離して、地下に潜む敵を爆破する地底ミサイルにもなるが、どちらも本編では未使用。
CA-006 リニアスピーダー(本編未使用)
サイバーアームでは唯一の、両足に装着する装備。最高時速300kmの超高速走行メカで、そのスピードはサイバーコップの脳波と連動し、自由に操ることができ、リモートコントロール走行で敵の追跡、偵察などにも使用可能である。

サイバーウェポン

サイバーコップの肩に装着する大型火器。装備する際には「セットウェポン!」と叫ぶ。やはり、ブラックチェンバーに入れられて運ばれてくる。主にマーズが使用する。マーキュリーが使用したこともあるが、撃つ度に反動でよろけてしまった。サイバーウェポンは仲間からエネルギーを分けてもらうことで威力を強化することが可能で、本編ではマーズがサターンとマーキュリーのエネルギーでファイヤースラッガーを強化したほか、マーキュリーがサターンのエネルギーでメガストームを強化して使用している。

CW-001 ファイヤースラッガー
第1話から登場。どんなに頑丈なものでも、一発で破壊する力をもつ一撃必殺のバズーカである。発射時に放熱パネルカバーから放出されるエネルギーは溶鉱炉一個分にも相当し、天面から出てくる強力センサーはサイバーコップと連動し、相手を捉えて逃がさない。
CW-002 メガストーム
第5話から登場。超高層ビルを一瞬にして瓦礫の山にしてしまう、ものすごい破壊力を秘めた武器である。ヘッドキャップを開くと6発のミサイルが一斉発射され、スペースシャトル並のスピードを持つミサイルは、サイバーコップと連動されたセンサーによって的確に相手を捉える。ミサイルは1発ずつ発射することも可能。

ジュピター専用サイバーアーム

ジュピターがサイバーボミングすることで召喚、装着されるジュピター専用の装備。サイバーボミングする前のジュピターは他のサイバーコップと共通のサイバーアームを使用する。

CA-00X サンダーアーム
ジュピターの右腕に装着される手甲状の武器。パンチ力を大幅に強化する。上部の銃口からレーザーを発射可能。31話ではネオ・オミノスが使用したこともある
ポリスシールド
サンダーアームと同時に左手に装着される盾。あらゆる攻撃をはね返す。

ルシファー専用装備

ルシファーは、サイバーコップとは違い、ZACが開発したサイバーアームは使用せずに彼専用の装備で戦う。

インパルスマグナム
ルシファーが愛用する2丁拳銃。普段は両腿に装着されている。変身前にも使用可能で、ショルダーホルスターに収めている。
パルサーカノン
ルシファーの背中に装備された、2つの速射砲。使用時には両肩に移動する。
ギガマックス
第20話から登場。ルシファー唯一のサイバーアーム。戦闘機のような形状のビーム兵器で、遠隔操作で自由に敵を追跡・攻撃できる上、ルシファー自らがぶら下がって飛行することも可能。バズーカモードに変形させて肩に装着することも可能。光線ライフル銃のヘビーガンと盾のシールドに分離させることもでき、さらにヘビーガンは剣のブレードモードに変形し、シールドはルシファーの背中に装着する飛行ユニットに変形させて使用することも可能。ヘビーガンから放たれる光線はジュピターのサンダーマグナム以上の威力を誇る。遠距離・中距離・近距離とあらゆる局面に力を発揮する万能武器である。ただし、シールドモード、ブレードモード、飛行ユニットモードは本編未使用。ルシファーが呼べば自動的に飛んでくるが、第17話では引きずっていた棺桶から取り出していた。サイバーコップたちに貸したこともある。
サイバーグラビトン
ルシファーの胸から発射される超サイバーエネルギー光線。ルシファー最強の必殺武器。エネルギーを大量に消費するので、多用は出来ない。

ZACの装備

ZAC隊員達が携帯する装備。護身用なので、デストロイドには効果はほとんどない。

Self Defence-GUN MODEL'88 SDガン
光線銃。
POLICE BATTON MODEL-88 ポリスバトン
伸縮可能な電磁警棒。

必殺技

ジュピター

ハイパー・アタック
突進してサンダーアームによってより強力になったパンチを決める。序盤で使われていた必殺技だったが、第6話を最後に使用されなくなった。
ハイパー・クラッシャー(本編未使用)
超強力な握力を使った攻撃で、どんなに固い金属でも握りつぶしてしまう。
ハイパー・シールド(本編未使用)
相手からの攻撃を防ぐバリヤーで、どんなに強力な武器も防ぐことができる。
ハイパー・ストーム
腕をかなりの勢いで一回転させることで空気の渦を起こし、それを飛ばして相手を切り裂く。第10話で使用。
ハイパー・レイザー
サンダーアームの銃口から光線を放つ。威力は低い。トリア・ガロガを倒した他、第13話では落下してくる衛星アルテミス2の自己防御機能を破壊した。
ローリング・チャージャー
腕を連続回転させることによりエネルギーをチャージし、攻撃力を飛躍させる。この技が初めて使用された第7話以降に使用されるようになった技は、この技でエネルギーを溜めることで使用可能になる。
サンダー・レイザー
エネルギーをレーザービームに変えて放射することにより、厚さ10メートルの鉄板を切り裂くことができる。第7話で初使用。
サンダー・マグナム
エネルギーを固形化した光子ナパーム弾を放つ。一発で戦車を粉々に破壊する爆発力を持っている。連射することも可能。第10話で初使用。
サイバニック・ウェーブ
超必殺技で、その場で1秒間に百発のパンチを繰り出し、その衝撃波を放って敵を粉砕する。第23話で初使用。威力を調節すれば、リニアモーターカーを押し戻して緊急停車させることも可能。
サンダー・アタック(本編未使用)
ローリング・チャージャーでパワーアップしたパンチで、ハイパー・アタックの数倍の威力を持つ。

サイバーコップ

フォーメーションIII
マーズ、サターン、マーキュリーの合体技。2種類ある。1つはマーズとサターンが両腕を合わせてジャンプ台を作り、スラッシュキャリバーを装備したマーキュリーがそれに乗ってジャンプ、敵に突っ込んで剣を突き立てる戦法で、オフト・ハルコスを倒した。もう一つはマーズとサターンが敵を左右から捕らえてジャンプ、空中で敵の両手足を掴んで敵を仰向け状態にして落下し、落下地点でマーキュリーが無防備な敵の背中に逆立ちキックを食らわす戦法で、マッハ・ハルコスを倒した。
スペシャルバトルフォーメーション
ジュピターら4人のサイバーコップが横一列に並んで手を繋ぎ、マーズら3人がジュピターにエネルギーを与える。ジュピターが、ルシファーから借りたギガマックスバズーカモードから最大限のパワーを引き出すために使用。
サンダーグラビトン
ジュピターとルシファーが、全エネルギーをギガマックスに込めて発射する最強技。最終決戦でバロン影山のサイコバリアを破った。さらに、そのエネルギーは次元の裂け目を発生させ、それによってジュピターとルシファーは未来へと還ることができた。

登場マシン

JP-CMX-01A ブレードライナー
第9話から登場。全長2.835mmのジュピター専用大型高性能バイク。通常最高速度は時速400kmだが、ブースターを使用することで時速600kmに加速可能。機体前部に7.7mm高エネルギー機銃を装備。車体下面から左右に伸びるサイドホイールにより、ビルの谷間などの狭路も走行可能。
ZACローダー
ZAC専用車両。ベース車両はトヨタ・ランドクルーザー60系(後期型)。ビットスーツの装着に使用するビットステーションは、これによって牽引されて運ばれる。ビットステーションが牽引できるようになるまではZAC本部でビットスーツを装着した後、ZACローダーに乗って事件現場へ向かうことが多かった。
撮影用車両は1台しか存在しないが、劇中で2台登場するシーンがたびたびあった。この場合はもう1台のZACローダーを合成処理で登場させている。

放送リスト

  • 劇中の日付は概ね実際の本放送日に合わせられており、第13話が1999年(平成11年)の大晦日、第14話からは2000年(平成12年)になる。
  • 第14話は1989年(平成元年)1月8日に放送予定だったが、昭和天皇崩御のニュースのために1989年(平成元年)1月15日に繰り下がって放送された。
話数 放送日 サブタイトル 登場怪人、メカ 脚本 監督
テンプレート:要出典範囲
1 1988年
10月2日
最強の刑事! ジュピター登場
  • エナ・ハルコス
武上純希 村石宏實
2 10月9日 街がしずむ! 海上都市を救え!
  • エレ・オミノス
3 10月16日 激突! サイボーグタンク
  • エナ・ガロガ
  • ディオ・ガロガ
  • ドーベルマンV109(声:茶風林
4 10月23日 交通パニック! コンピューターの罠
  • ディオ・オミノス
5 10月30日 危うし王子! ダークゾーンからの脱出
  • ディオ・ハルコス
  • トリア・ガロガ
大橋志吉 松本清孝
6 11月6日 狙われた織田! ZAC大ピンチ
  • トリア・オミノス
ごうどかずひこ
7 11月13日 殺人ジェット!! 東京市街戦
  • テセラ・ガロガ
  • シーガル戦闘機
武上純希 北村義樹
8 11月20日 危うし電子ダム! 東京暗黒作戦
  • トリア・ハルコス
ごうどかずひこ
9 11月27日 激走マシン!! ブレードライナー登場
  • テセラ・オミノス
  • デモンエッグ
武上純希 村石宏實
10 12月4日 幽霊ホテル!? ゾンビがいっぱい!
  • テセラ・ハルコス
11 12月11日 空とぶ戦車!! ハイウェイの死闘 武上純希
田哲平
松本清孝
12 12月18日 ドラゴンが舞う! ふしぎなX(クリス)マス
  • ベンデ・ガロガ
  • オリオン
ごうどかずひこ
13 12月25日 衛星が落ちる!! ジュピター殉職!?
  • ベンデ・ハルコス
大橋志吉 村石宏實
テンプレート:要出典範囲
14 1989年
1月15日
武田の秘密!! まぼろしの未来を見た!
  • ベンデ・オミノス
武上純希 北村義樹
15 1月22日 未来を変えろ!! 希望の戦士ジュピター
  • エクシ・ハルコス
ごうどかずひこ
16 1月29日 地獄の使者!? ルシファー登場!!
  • エフタ・ハルコス
  • ルシファー
武上純希 村石宏實
17 2月5日 ルシファーの逆襲!! 悪魔の挑戦状
  • ルシファー
ごうどかずひこ 平田道夫
18 2月12日 ボミング不能!! 巨大UFO現わる!
  • オフト・ハルコス
  • クリスタロ
武上純希
ごうどかずひこ
村石宏實
19 2月19日 上杉の反乱! あぶない女刑事(デカ)
  • エニャ・ハルコス
  • クリスタロ
武上純希
20 2月26日 うなる必殺武器!! ギガマックスの威力
  • ルシファー
武上純希
ごうどかずひこ
北村義樹
21 3月5日 5人目のコップ!? 究極のサイバー・ルシファー
  • エクシ・オミノス
  • デカ・ハルコス
  • クリスタロ
武上純希
22 3月12日 にせサイバー!! ZAC絶体絶命 ごうどかずひこ 大井利夫
23 3月19日 最後の必殺技!! サイバニック・ウェーブ 武上純希
大橋志吉
24 3月26日 ミサイル発進!! 激突デストラップ基地
  • エフタ・オミノス
  • エンデカ・ハルコス
ごうどかずひこ 村石宏實
25 4月12日 恐怖の女戦士! ルナ登場[6]
  • ビーストソルジャー四天王
武上純希
26 4月19日 見えない要塞をたたけ!!
  • スパイダー・ガロガG
  • ブラッククローズ
北村義樹
27 4月26日 こわれたサイバービット!!
  • コブラ5
  • クラブ・ハルコス
ごうどかずひこ
28 5月10日 シティ空爆! ひこう船爆弾
  • リング・オミノス
  • リング・ハルコス
大橋志吉 大井利夫
29 5月17日 上杉暗殺! いそげコップ
  • マッハ・オミノス
  • マッハ・ハルコス
武上純希
30 5月24日 悪魔の山を走りぬけ!!
  • ダーク・オミノス
  • デモンエッグ
ごうどかずひこ 平田道夫
31 5月31日 奪われたサンダーアーム
  • ネオ・オミノス
  • ハスラー
戸田博史
32 6月7日 おそわれたロフト!!
  • テッド・ハルコス
ごうどかずひこ 北村義樹
33 6月14日 リニアカーをまもれ!!
  • カノン・ハルコス
  • クリスタロ
武上純希 村石宏實
34 6月21日 デストラップのさいご!!
  • 超人類バロン
  • カノン・ハルコス
35 6月28日 リクエストトップ10特集 PART.1
36 7月5日 リクエストトップ10特集 PART.2

映像ソフト化 

  • ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)は全9巻が東宝ビデオよりリリースされている。
  • 2005年(平成17年)1月21日から3月25日にかけてDVDが東宝ビデオより発売された。全3巻の各2枚組で各巻12話収録。
巻数 発売日 収録話
VHS
第1巻 ウルトラ・ポリスZAC誕生! 1989年9月8日 第1話 - 第4話
第2巻 フューラー襲撃! 危うしZAC 1989年9月8日 第5話 - 第8話
第3巻 激突! ウルトラ・メカニック!! ブレードライナー登場 1989年10月13日 第9話 - 第12話
第4巻 白い弾丸! ルシファーの挑戦!! 1989年11月10日 第13話 - 第16話
第5巻 激斗! あぶない女刑事 上杉智子!! 1989年12月8日 第17話 - 第20話
第6巻 爆発! 最終兵器サイバニック・ウェーブ!! 1990年1月12日 第21話 - 第24話
第7巻 恐怖の女戦士ルナの哀しみ 1990年1月12日 第25話 - 第28話
第8巻 運命のめぐあい! 北条とルナ 1990年2月9日 第29話 - 第32話
第9巻 さらばジュピター!! 未来の戦士たちよ 1990年2月9日 第33話 - 第36話
DVD
VOL.1 2005年1月21日 第1話 - 第12話
VOL.2 2005年2月25日 第13話 - 第24話
VOL.3 2005年3月25日 第25話 - 第36話

備考

演出関連
マーズ・サターン・マーキュリーは、装着者を演じている役者が当時ジャパン・アクション・クラブに所属していてスーツアクターも兼任していた。そのため、「ゴーグルが透けて中の人の顔が見える」「マスクのみ外して素顔にスーツ姿で戦う」等といった演出が普通に行われた。これは、ヒーローの変身前後の一体感を増すための手法として、後の特撮作品にも使われている。このうち、「ゴーグルが透ける(紗を外す)」という手法は当初使用されていなかったが、ビットスーツ着用時の表情も見てもらいたいという想いから、毛利亮一 / サターン役の冴場都夢が第13話の撮影中に監督に内緒で紗を外してしまったのがきっかけとなり、マーズ・マーキュリーもそれに倣ったという。
また第7話では、モニター損傷により外部が見えなくなったマーズが自分の手でゴーグルを剥ぎ取る最中に電飾が光る演出が見られるが、このギミックは演じた塩谷庄吾が造形スタッフから型を借りての自作(塩谷は模型作りが趣味だった)によるもので、この時塩谷は左手首を骨折していた。塩谷はこの他にも電飾入りのマーズビットを自作しており、これはZAC本部でビットスーツのチェックが行われるシーンで使用された。
後年の作品への影響
本作品のメインスポンサーであるタカラは、本作品に続く特撮ヒーロー作品として、巨大ヒーロー作品『サイバーマン』を企画しており[7]、本作品においてクリスマス時期の大型商品がなかったという反省からサポートロボットの登場が予定されていた[7]。またヒーローがサポートメカを装着するというコンセプトなどが、後に制作された特撮ヒーロー作品『電光超人グリッドマン』の元になったとされる[7]
また本作品の終了から数年後に制作され、やはりタカラがメインスポンサーであったアニメ『機甲警察メタルジャック』は、「実現せずに終わった本作品の続編企画が母体となった」という情報が同作品のファンの間で周知の事実として放送当時語られていた(この点について、同作品の制作サイドから公式なアナウンスはなされていない)[8]
その他
  • 第16話で武田が使用している松葉杖は、当時右足を骨折していた吉田友紀が実際に使っていたものである。
  • 2009年(平成21年)9月から2010年(平成22年)5月まで、チャンネルNECOの「特撮ドラマ王国20」枠にて再放送が行われた。

関連項目

  • 超星神グランセイザー - 本作品と同じく東宝制作の特撮テレビドラマで、本作品にレギュラー出演していた吉田友紀・千葉美加・冴場都夢がそれぞれ出演している。
  • こちら葛飾区亀有公園前派出所 - 同作品の65巻に収録されている「ロボコップ両さんの巻」にて、本作品のパロディでもある劇中劇の特撮『感電警察ハイパーコップ』が東京13チャンネルで放送されているという描写がなされている(こちらは人気だったのかパート2が作られている)。

脚注・出典

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参考文献

外部リンク

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  1. ローカルセールス枠のため讀賣テレビなど一部地域では放送時間が異なる。
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite book
  3. その一例として、放送当時はまだ着工されて間もない新宿の東京新都庁舎を、1999年という時代設定に合わせて幾度か実景に合成する、といったものが挙げられる。
  4. 前述の通りVTR方式による制作が行われた作品は過去にもあるが、放送開始前の1988年(昭和63年)9月18日に放送された特別番組『来るぞ!超SFX!!電脳警察サイバーコップ』内では、出演していた村石宏實監督が「初のVTR特撮番組である」と説明していた。
  5. 宇宙船』vol.49(1989年夏季号)p.20
  6. 放送時間変更後の初回だったため、敵味方の登場人物やキャラクター、登場メカなど全てに紹介テロップが入っている。
  7. 7.0 7.1 7.2 テンプレート:Cite video 封入解説書「MAKING of GRIDMAN」タカラ グリッドマン担当 赤松和光インタビューより。
  8. 「機甲警察メタルジャック Just Dream On」ブックレット6p