酸化剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

酸化剤(さんかざい、Oxidizing agent、oxidant、oxidizer、oxidiser)は、酸素原子を転移される化合物または、酸化還元反応に於いて電子を得る物質と定義されている。いずれの場合も酸化剤は還元される

端的にいうと、

  • 酸化剤は還元される
  • 還元剤酸化される
  • 分子中のすべての原子にはそれぞれ酸化数を付与することができる。この数は酸化剤が作用したときに変動する。
  • 反応物の酸化状態の変化によって酸化還元反応が生じる。

定義

酸化は文字通り物質が酸化物になることを意味する。この過程は金属酸化鉄への変化)、非金属硫黄硫黄酸化物への変化)および有機物炭素水素二酸化炭素への変化)に当てはまる。主な酸化剤は酸素であり、空気の21%を占めている。

多くの一般的な酸化剤は酸素を含み、これは酸素が収納されていると見なすことができる。例えば、過塩素酸カリウムは同じ体積の酸素ガスと比べ非常に多くの酸素を含んでいる。

酸化剤の例

酸化鉄(III)の生成

4Fe + 3O2 → 2Fe2O3

この化学反応では鉄の酸化数が0から3+に増加している。逆に酸素の酸化数は0から2-に減少している。この反応は2つの半反応式で表すことができる。

  1. 酸化の半反応式;Fe0 → Fe3+ + 3e
  2. 還元の半反応式;O2 + 4e → 2 O2−

鉄は酸化数が増加しているため還元剤であり、酸素は酸化数が減少しているため酸化剤である。

主な酸化剤

関連項目