諸法実相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Sidebar 諸法実相(しょほうじっそう、実相)とは、中村元によれば鳩摩羅什摩訶般若波羅蜜経妙法蓮華経などを漢訳する際に、次の6種の原語に対して当てた訳語である。

その6語とは、『ダルマター』、『ブータ』、『サルヴァ・ダルマ・タタター』、『ダルマ・スヴァバーヴァ』、『プラクリティ』、『タットヴァスヤ・ラクシャナ』であり、いずれも同義であるとされ、悟りの立場から見る(仏知見)諸々の存在のあるがままの真実の姿かたちをいう。言い換えれば縁起する存在を表す用語である。

諸法実相は大乗仏教の根本に位置づけられる概念だが、中国、日本における解釈は宗派によって異なる。

例えば、三論宗では空の理法であり、天台宗では三諦(空・仮・中)からなる中道第一義諦の理法であり、禅宗では森羅万象本来の面目を表す。