虚無への供物

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虚無への供物』(きょむへのくもつ)は、日本の小説家・中井英夫の代表作とされる推理小説1964年に単行本として刊行された。

小栗虫太郎黒死館殺人事件』、夢野久作ドグラ・マグラ』とともに、日本探偵小説史上の三大奇書と並び称される。推理小説でありながら推理小説であることを拒否する、反推理小説(アンチ・ミステリー)の傑作としても知られる。

1997年にはテレビドラマ化された。

成立

1954年9月の洞爺丸転覆事件をきっかけに、『虚無への供物』が構想されたという。それから数年がかりで全体の半分まで書き上げ、1962年の江戸川乱歩賞に前半の第二章までしかない未完成状態で応募した。結果は、戸川昌子の『大いなる幻影』、佐賀潜の『華やかな死体』の二作が受賞作で、『虚無への供物』は次席にとどまった。登場人物達がノックスの十戒ヴァン・ダインの二十則江戸川乱歩幻影城など、実在する小説などを参照し推理を繰り広げる事から選考委員は本作を冗談小説と解釈していた。

その翌年に、後半部まで書き上げ、1964年2月29日、講談社から完成版『虚無への供物』が刊行された。この時は「塔晶夫」名義であったが、のちに本名の中井英夫に変えられた。

あらすじ

テンプレート:節stub 氷沼家を舞台として繰り広げられる奇妙な殺人事件。その現場に居合わせた主人公たちが推理合戦を交わすが、推理は衒学趣味の様態を呈し、いよいよ混迷へと陥っていく。

登場人物

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テレビドラマ

薔薇の殺意〜虚無への供物』(ばらのさつい〜きょむへのくもつ)のタイトルで1997年1月26日から3月2日まで、NHK-BS2日曜ドラマ枠でテレビドラマ化された。全6話。2012年現在、DVD化などはされていないが、CS放送などで再放送されることがある。

キャスト

スタッフ

サブタイトル

各話 放送日 サブタイトル
第1話 1997年1月26日 紅い月
第2話 1997年2月テンプレート:02日 橙の誕生
第3話 1997年2月テンプレート:09日 蒼い蕾
第4話 1997年2月16日 黄の部屋
第5話 1997年2月23日 藍の行方
最終話 1997年3月テンプレート:02日 白い旅路

脚注

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関連項目

外部リンク

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