綺麗

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テンプレート:Otheruseslist テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox綺麗』(きれい)は、サザンオールスターズの6枚目のアルバム1983年7月5日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル

解説

このアルバムは、収録の一曲でもある「EMANON」のシングルとの同時発売である。タイトル表記以外は、2作品ともジャケット写真を含めて外観が同じため、間違えて買われることも多かった。この2作品を含む以降の作品は全て、発売元がサザン専用のプライベートレーベル、ビクターTAISHITAレーベルからの発売となった。ちなみに命名は、メンバーの原由子による(ビクタータイシタ参照)。ジャケットに使用されている花は、LP盤と再発のCD盤とでは微妙に異なる。本作は収録曲のほぼ全てがメンバーによる作詞・作曲・編曲のみで構成されたアルバムであり、クレジットでは「EMANON」の弦・管編曲者が八木正生であるのみである。

1998年の再発盤の初回限定盤は、オリジナルLP復刻ジャケット(いわゆる紙ジャケット)仕様で、森雪之丞によるライナーノーツが封入されている。

収録曲

シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。なお、オリジナルでは8曲目からB面となっている。

  1. マチルダBABY
    アルバム曲だがライブで演奏される頻度が非常に高い。原由子が弾くシンセサイザー1980年に流行したテクノならではの特徴的な音色で、ライブでは曲順の構成上、『ミス・ブランニュー・デイ』と連続して演奏される場合が多い。またライブではサビの部分で爆発する演出が恒例となっているが、2004年の年越しライブ『暮れのサナカ』で演奏された際、爆発の火花が天井に引火し、小さく炎上している模様が生中継だったWOWOWで放送された。
  2. 赤い炎の女
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    スパニッシュ音楽を取り入れた曲で、歌詞はレズビアンについて歌われている。2006年の『THE 夢人島 Fes.』では、マイナーな楽曲の1つとして演奏された。
  3. かしの樹の下で
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    桑田佳祐原由子によるデュエット曲。前作『NUDE MAN』所収「流れる雲を追いかけて」に続き、中国残留孤児をテーマとした楽曲である。
  4. 星降る夜のHARLOT
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    “HARLOT”とは英語で売春婦の事で、歌詞も売春婦の日常を描いたもの。
  5. ALLSTARS' JUNGO
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    18thシングル「EMANON」c/w。
    1999年のライブ『SAS事件簿 in 歌舞伎町』では、メンバー各自のソロパートが設けられた、長尺バージョンが披露された。
  6. そんなヒロシに騙されて
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    原由子ボーカル曲。
    “ヒロシ”とはメンバーの松田弘から拝借した名前だが、歌詞の内容と本人に直接関係はない。ジューシィ・フルーツ(1983年)と高田みづえ(ジューシィ・フルーツと同時発売)もカバーしヒット。間奏では男性メンバーによる原に向けたアイドルのファンのような掛け声も収録されている。
  7. NEVER FALL IN LOVE AGAIN
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    歌詞にレイ・チャールズが登場している。レイ・チャールズはこの後1988年にサザンの「いとしのエリー」を「ELLIE MY LOVE 〜いとしのエリー」としてカバーしている。
    1991年の「THE 音楽祭 1991」以降はコンサートでの演奏が一度も無かったが、2013年のスタジアムツアーにおけるアコースティック・コーナーで22年ぶりにサザンとしてライブ演奏が解禁され、サザン史上最も演奏間隔の開いた楽曲の一つとなった。
  8. YELLOW NEW YORKER
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    白人至上主義人種差別への怒りをぶつけ、黄色人種としてのアイデンティティーを歌った曲。
  9. MICO
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    “MICO”とは歌手の弘田三枝子のことである。弘田は公式にもこの愛称を用いている[1]
  10. サラ・ジェーン
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    少女が日常に退屈して家出をする内容の曲。
  11. 南たいへいよ音頭
    • 作詞・作曲:関口和之/編曲:サザンオールスターズ
    ベース関口和之メインボーカル曲。作詞・曲も本人が担当。
    タイトルに「音頭」とあるが、音頭ではなく、南国風の楽曲となっている。演奏時間が約2分30秒とかなり短い曲。
    関口のソロアルバム『World Hits!? of Southern All Stars』でこの曲がセルフカバーされた。
  12. ALLSTARS' JUNGO (Instrumental)
    • 作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    同曲のインストゥルメンタル。間奏部分のみ収録されている。演奏時間はわずか43秒と、現時点でサザンの楽曲として最も収録時間が短い曲である。
  13. EMANON
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:八木正生
    18thシングル。
  14. 旅姿六人衆
    • 作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ
    歌詞には“Mr.Suizu”という人物が登場するが、これはサザンのステージディレクター水津雄二のことである。この歌詞の前に「華やかな者の影で今 動く男達」とあるが、『華やかな者』はサザン自身、それに続く歌詞はステージを影で支えるスタッフ達を指しており、タイトルは全国でのライブツアーに回るサザンのメンバーを、歌詞はライブのスタッフとファンへの感謝の気持ちを表している。平井堅が、この曲が大好きであるという発言をしており、後に2003年の『27時間テレビ』の中の『桑田佳祐の音楽寅さん』復活コーナーで桑田と平井が変則的にカラオケ音源でデュエットした。
    この曲は桑田の「ごめん、俺が悪かった」というセリフで始まる。特に重要な言葉というわけではなく、桑田の遊び心で呟きを収録したという説が有力である。誰の声であるかは不明ながら「あ〜あ、悪かった」という声もこの後に収録されているという噂もあるが、実際には聞こえないので都市伝説であろう。
    テレビ朝日ワールド・プロレスリング』の特番でエンディング・テーマに起用されたことがあり、日本テレビ系『ザ!世界仰天ニュース』に出演する加藤大のテーマソングのような形でもよくOAされている。また、2006年にフジテレビ系列で放映された『死亡推定時刻』で、クレジットはなかったもののエンディング・テーマに使用され、作中でも登場人物によって繰り返し歌われた。

参加ミュージシャン

再発

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:サザンオールスターズ テンプレート:日本レコード大賞アルバム大賞

テンプレート:オリコン週間LPチャート第1位 1983年
  1. http://columbia.jp/~mico/