箱根山

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テンプレート:Redirect テンプレート:山系 箱根山(はこねやま)は、神奈川県足柄下郡箱根町を中心に、神奈川県と静岡県にまたがる火山体の総称である。富士箱根伊豆国立公園に指定されている。

概要

箱根山は40万年前に活動を開始した第四紀火山である。カルデラ中央火口丘、二重の外輪山で構成され、内側には堰止湖芦ノ湖を形成している。現在でも大涌谷などで噴煙や硫黄などの火山活動が見られ、致死性の火山ガスを噴出する場所もあるが、有史の噴火記録はない。

箱根火山の熱源であるマグマだまりの規模や大きさは不明であるが、これまでの地震観測の結果からマグマだまりの上端は地下5㎞以下の位置にあると考えられている[1]。山体の南側に大きく侵食された湯河原火山が接している。

また、山腹・山麓の多くの場所で温泉が湧出し、古くより湯治場として温泉郷が形成され箱根温泉が発展した。近代からは観光開発が始まり、多くの人が訪れる地となった。

2007年、「箱根火山」として日本の地質百選に選定され、2012年9月には箱根ジオパークとして日本ジオパーク認定を受けた。

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[[三国山 (箱根山外輪山)|テンプレート:Color]]
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[[明神ヶ岳 (神奈川県)|テンプレート:Color]]
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[[丸岳 (箱根山)|テンプレート:Color]]
[[上二子山|テンプレート:Color]]
[[下二子山|テンプレート:Color]]
[[屏風山 (神奈川県)|テンプレート:Color]]
[[浅間山 (箱根町)|テンプレート:Color]]
[[鷹巣山 (神奈川県)|テンプレート:Color]]
[[長尾峠 (神奈川県・静岡県)|テンプレート:Color]]
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[[矢倉沢峠|テンプレート:Color]]
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箱根山の地形図 テンプレート:Smaller

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矢倉沢峠付近から見た箱根山カルデラの山々。湖尻の先に芦ノ湖が広がる。(2013年3月撮影)

活動史

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古期外輪山

箱根火山の活動は約40万年前に始まり、何度も噴火を繰り返して、約25万年前には古箱根火山と呼ばれる標高2,700m にも達する富士山型の成層火山が形成された。その後も噴火を繰り返し、約18万年前に空洞化した地下に山の中心部が陥没して大きなカルデラが誕生した。このとき周りに取り残されたのが塔ノ峰、明星ヶ岳、明神ヶ岳、丸岳、三国山、大観山、白銀山など海抜1,000m 前後の「古期外輪山」である。金時山は外輪山の一峰のように見えるが、古箱根火山の山腹から出た側火山である。

新期外輪山

カルデラ誕生後の数万年は穏やかな活動を続けていたが、約13万年前から再び火山活動が活発になり、カルデラ内に小型の楯状火山ができた。約5万2000年前、この楯状火山が破局噴火を起こし、再び陥没して東部から南部に半月形に取り残されたのが浅間山、鷹巣山、屏風山などの「新期外輪山」である。この噴火で西は富士川から東は現在の横浜市郊外にまで火砕流で覆われた。

中央火口丘

ファイル:Hakone Volcano 20121110.jpg
中央火口丘と芦ノ湖。中央が箱根駒ヶ岳と神山。右が上二子山。

約4万年前になるとカルデラ内で再び火山活動が始まり、台ヶ岳、箱根駒ヶ岳、上二子山、下二子山などの溶岩ドームができた。このときの火砕流により旧早川がせき止められ、現在の仙石原一帯に仙石原湖と呼ばれるカルデラ湖が誕生した。

約3000年前には、神山北西斜面で山体の多くを崩壊させる大きな水蒸気爆発が発生。これにより大涌谷が生まれ、水蒸気爆発によって引き起こされた土石流により仙石原湖の半分以上が埋没して仙石原となり、また早川の上流部(現在の湖尻付近)がせき止められて芦ノ湖が誕生した。

主な山

ファイル:Mt.Kami from Mt.Kintoki 02.jpg
金時山より中央火口丘を望む
奥から神山・大涌谷・台ヶ岳・仙石、右に芦ノ湖。
ファイル:Hakone kintokiyama01.JPG
金時山。富士山の眺望を求めて多くの登山客が訪れる。

箱根山北部の金時山から足柄峠に至るあたりは足柄山(あしがらやま)とも呼ばれ、金太郎の生地として知られている。足柄山は金時山の別名とされる場合もある。

観光

元来、温泉地として有名であった箱根は、明治維新以後、高級リゾート地としての側面も持つようになる。富士屋ホテル本館などはその頃の面影を今に伝える。

さらに戦後には観光地開発が活発に行われ、リゾート施設、別荘地、ホテル、美術館その他多くの娯楽施設が建設されていった。また、箱根山戦争と言われた巨大グループ同士の観光客輸送競争も派生した。

近年では一時期ほどではないが、温泉テーマパークなどの施設が建設され多くの観光客・リゾート客が訪れる。

交通

平安初期以前には東海道が箱根山の西方を北上、金時山より北の足柄峠を越えて東方へ延びていたが、富士山の延暦噴火(800年 - 802年)により通れなくなったため、箱根山の南方の箱根峠を通る街道が整備され、交通の要衝となった。江戸時代には箱根関所が置かれ、厳しい取締りの拠点となった。東海道についての詳細は箱根峠の項目を参照。

東海道はその後国道1号となり変わらず東西の重要な交通路であり、また標高最高地点のある箱根山は最大の難所であったが、東名高速道路国道246号の開通によって、現在は箱根山付近においては幹線としての機能を弱めている。もっとも、観光客などの車で今なお交通量は多い。そのほか、国道138号や各有料道路が走っている。行楽期には全山で渋滞が見られる。

また、観光地として発達したため、険しい山の割に鉄道交通も発達しており電車等で芦ノ湖まで行くこともできる。都心から小田急電鉄ロマンスカー箱根湯本駅まで直通させており、都心からの交通の便は非常に良い。 テンプレート:Main2

箱根山を舞台・背景とした作品

テンプレート:See also ※発表年順 映画

音楽

脚注・出典

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:箱根山

テンプレート:日本の活火山
  1. 出典 : 箱根温泉の成因 - 温泉地学研究所
  2. テンプレート:Cite news
  3. GNSS測量等の点検・補正調査による2014年4月1日の国土地理院『日本の山岳標高一覧-1003山-』における改定値。なお、旧版での標高は1,213m。