端脚類

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端脚類(たんきゃくるい、Amphipoda)は甲殻類の一つ。軟甲綱フクロエビ上目(嚢蝦上目)に属する。ヨコエビタルマワシワレカラなどが含まれる。

概要

1万種類以上が知られる大きなグループで、熱帯から極地まで世界中に分布する。陸と淡水でも見ることが多いが、その多様性は大部分が海で見られる。名称は、体の両端に脚がある、との意で、胸部の歩脚の他に、腹部後方と尾部の附属肢が歩脚状になることがあるためである。

特徴

体長は数mmから数10cmまで、種類によって差があるが、概して小型の動物である。体は左右や上下に扁平な、やや細長いものが多いが、非常にひょろ長い体を持つ例もある。

頭部は胸部の第一節ないし第二節まで癒合するが、背甲は発達しないので、ほとんど体全部の体節が背面から見える。

複眼は柄が無くて体に対して小さく、深海や地下水にすむ種類では退化している。頭部には2対の触角があり、胸部の脚は2対の顎脚と5対の歩脚からなる。それらの胸脚は外肢を欠き、単純な歩脚の形を取る。腹部は三節からなる後体部と三節の尾部に分かれる。

オスの顎脚はセミ幼虫の前脚のように太い。いっぽうメスの腹部には保育嚢(ほいくのう)というを抱える器官があり、ここで卵を保護する。生まれた子どもは小さいながらも親とほぼ同じ形をしている。

生態など

ほとんどが産で海底の土壌内によく生息している。一方で淡水域や湿った陸上にも生息域を広げており、地下水中までも進出している。個体数も多く、プランクトンベントス土壌動物として、かなりの割合を占めている。 深海溝に生息するものは体長2-3 cm程度までの大きさが多いが、体長28 cmのものも発見されている。[1]

食性は種類によって異なり、プランクトンや生物の死骸、デトリタスなどを食べるが、他の生物に寄生するものも多い。いっぽう、敵は刺胞動物魚類鳥類など多岐にわたる。

食物連鎖の下位ながらも、生物の死骸や糞を食べる分解者として、また他の動物の餌として重要な位置を占める。人間にとって直接の利用価値はほとんどないが、自然界で果たす役割は大きい。

産業への影響

場合によっては、大発生し、漁業や農業に被害を与えるというケースも報告され、特に2008年富山県ヒラメの養殖場でヨコエビが大量発生してかかったヒラメを食い荒らすという、漁業被害が報告されたが、これは、出し平ダムから流れた排水による富山湾の富栄養化が原因の一端だと思われている。

2009年には長野県安曇野で、ワサビの根を食い荒らした被害も起こっている。

分類

ヨコエビ亜目 テンプレート:Sname
100近い科が知られ、端脚類の中でもっとも多様化したグループといえる。海域はもちろん淡水域や湿った陸上、地下水などあらゆる環境に適応している。主に底生の自由生活種だが、寄生・共生するものもある[2]
クラゲノミ亜目 テンプレート:Sname
クラゲノミタルマワシなどが分類される。クラゲホヤなどに付着し、寄生生活をするものがある。
ワレカラ亜目 テンプレート:Sname
ほぼ海産で、岩場の海藻流れ藻につかまって生活する。体は細長く、5cm以上になるものもいる。藻類に擬態しており、見かけは昆虫のナナフシに似ている。
インゴルフィエラ亜目 テンプレート:Sname
細長い体型をしている。海水、汽水に生息するが、地下水にもすんでいる。

参考文献・出典

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  1. ナショナルジオグラフィックス南太平洋深海で発見、超巨大な端脚類』2012年2月10日閲覧
  2. 大塚攻・駒井智幸 「3. 甲殻亜門」 『節足動物の多様性と系統』 石川良輔 編、岩槻邦男馬渡峻輔 監修、裳華房、2008年、172–268頁