石川浩司

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テンプレート:Otheruseslist テンプレート:Infobox Musician 石川 浩司(いしかわ こうじ、1961年7月3日-)は、日本ミュージシャン東京都出身。東京農業大学第二高等学校卒業、和光大学中退。身長170cm。通称はたまのランニング

経歴

父は東大卒の国家公務員(I種・キャリア)、母は皇后美智子の学友というハイソな家庭に長男(他に弟が二人)として出生。生まれは東京だが父が“転勤族”状態であったため、幼少時から高校時代にわたり、神奈川県藤沢市群馬県前橋市など住居を転々とする。高校卒業後、受験勉強を口実に単身上京。浪人を一年したのち和光大学に合格するも、三日間通っただけで中退。友人のすすめで芸能山城組に所属するが、太鼓の基本を習ってすぐに辞めてしまう。

その後、病院の深夜受付のアルバイトをかたわらに、北千住の「甚六屋」江古田の「マーキー」両国の「フォークロア・センター」などで弾き語りをはじめる。またたく間に彼の住む高円寺のアパートは、アンダーグラウンドで表現活動をしていた「地下生活者」たちのたまり場となる。その中に、知久寿焼柳原陽一郎(当時・幼一郎)もおり、後のバンドたま』結成へとつながっている(詳細はたまの項目を参照されたい)。

『たま』ではパーカッショニストとして活動(時々ドラマーと呼ばれるが誤り)。太鼓の他に湯桶などを打楽器として使い、それらを組み合わせたパーカッションセットには、マダムソースの前掛けもあしらっている。その音楽はシュールな歌詞に、アコースティックなサウンドを合わせた個性的なものだった。楽曲によってはオルガンなども演奏している。TBS系音楽番組『三宅裕司のいかすバンド天国』出身バンド(イカ天バンド)の代表格となり、ヒット曲『さよなら人類』で1990年NHK紅白歌合戦にも出場。

バンド内では、テレビドラマ裸の大将放浪記』にて芦屋雁之助演じる画家山下清に類似した、坊主頭と白のランニングシャツ(タンクトップ)・半ズボンの服装がトレードマークであり、通称「たまのランニング」と呼ばれた(命名はダウンタウン松本人志)。本人曰く、毎回ライブ中に暑くなって服を脱ぎ、最後には上半身裸になってしまうので、始めからランニング姿でライブに出るようになったとのこと[1]

その後も地道にバンド活動を続けていたが、2003年10月バンド解散、新しい活動を模索。ソロや他のミュージシャンとの共演、一般からの依頼による「出前ライブ」などの音楽活動を続ける他、『たま』メンバーであった知久と共に音楽ユニット『パスカルズ』に参加・活動。ヨーロッパなど海外公演を多く行い、フランス新聞ル・モンド」に紹介されたり、音楽チャートで1位になるなどの人気を獲得している。

音楽活動のほかに、雑誌でのエッセイ連載や、書籍なども数冊執筆。その個性的なキャラクターで『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』『たけしの誰でもピカソ』などのTV番組出演、また映画害虫』をはじめ、いくつかの映画・舞台役者として参加している。2012年公開の大林宣彦監督映画『この空の花 -長岡花火物語』では山下清役として出演。

空き缶コレクターであり、自分がこれまでに飲んだドリンク類の空き缶を約2万種類ほど所蔵している。その数は非公認ながらおそらく世界一。地方や海外での旅行の際に見つけたという珍品も多く、そのきっかけは、和歌山県に行った時に買った「掛布みかんジュース」(当時阪神タイガースで活躍していた掛布雅之のイラストの描かれたジュース)だと言う。他にもインスタントラーメンの袋(ベビースターラーメンの様なラーメンスナックの袋も含む)やカップ麺の蓋(下述の「イラスト図鑑 インスタントラーメン」は、石川がコレクションしている物を掲載した書籍)や納豆のパッケージ、また衛生用マスク(サージカルマスク)もパッケージごとコレクションしている。コレクションの一部は、公式ホームページでも紹介している。

2000年、アート系レンタルショーケース(貸し箱ギャラリー)の先駆けとされるアートショップ「ニヒル牛」(西荻窪)をプロデュース開店。手作りによる雑貨・アクセサリー、自主制作のアート作品などを展示販売するスペースを賃貸する形式であり、現在では同様の形態をとる店舗が都内を中心に広まっている。

CD

※たま時代の作品についてはたまの欄を、パスカルズについてはパスカルズ公式HP内を参照されたい。

  • おいしいうそがいっぱい
    • 現在廃盤。2013年7月より自主音楽配信サイト・ウキュピレコードにて配信。
  • ホルモン鉄道(石川と北陸地方でインディーズ活動する歌手大谷シロヒトリ(現:大谷氏)との共同制作)

書籍

  • イラスト図鑑 インスタントラーメン(同文書院
  • すごろく旅行のすすめ(筑摩書房
  • すごろく旅行日和(メディアファクトリー
  • おとなのなぞなぞ ~Riddle For Adult~(主婦と生活社
  • 「たま」という船に乗っていた(ぴあ株式会社) (ISBN 978-4835609096)
    • 現在絶版。出版社の許諾を得て公式ウェブサイト上に全文が公開されている[2]

俳優業

※バンド時代を除く単独での出演。

映画

舞台

  • 雰囲気のある死体(2006年・劇団うわの空・藤志郎一座
  • 12人はご機嫌ななめ(2006年・劇団うわの空・藤志郎一座)
  • 桜 -sakura -(2007年・劇団うわの空・藤志郎一座)
  • どん底(2008年・シアターコクーン公演)
  • 祈りと怪物(2012年〜2013年・シアターコクーン公演)

テレビ吹替・ナレーション

脚注

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外部リンク

テンプレート:たま
  1. 『たま』解散後はランニングを「封印」し、メディア出演等でランニング姿のオファーも原則的に断っていたが、2012年の映画『この空の花』出演に際して「封印」を解き、翌2013年よりライブ等にも再びランニング姿を披露するようになった。
  2. 石川浩司「「たま」という船に乗っていた石川浩司のひとりでアッハッハー、2007年5月。(参照:2008年1月9日。)