ホワイトノイズ

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テンプレート:カラードノイズ

ファイル:White noise spectrum.png
ホワイトノイズに近似させ生成したノイズのパワースペクトラム
ファイル:White noise.png
ホワイトノイズの例

ホワイトノイズ (White noise)、あるいは白色雑音(はくしょくざつおん)とは、不規則に上下に振動するのこと。通常、可聴域のホワイトノイズを指すことが多い。フーリエ変換を行い、パワースペクトルにすると、全ての周波数で同じ強度となる。「ホワイト」とは、全ての周波数を含んだ光が白色であることからその表現を借りたものである。ちなみに、ピンクノイズもホワイトノイズ同様、周波数成分が右肩下がりの光がピンク色であることからきたものである。 簡単に言うと、「ザー」という音に聞こえる雑音がピンク・ノイズで、「シャー」と聞こえる音がホワイト・ノイズである。 テンプレート:Side box

特徴

ホワイトノイズは全ての周波数で同じ強度となるノイズである。これはWiener-Khintchineの定理から、自己相関関数がデルタ関数となることと同じである。統計学の言葉で言うと、定常独立であることを意味していて、簡単にいえば非常に不規則なノイズということである。

なお厳密には自己相関関数にデルタ関数といった無限を含むものは実在し得ないので、理想的なホワイトノイズは実在しない。しかし、実用上には有限値の十分理想ホワイトノイズに近いものをホワイトノイズとして扱う。また、離散信号(デジタル音声)においては0 - ナイキスト周波数まで同じ強度となるノイズであればホワイトノイズである。

ホワイトノイズならばガウスノイズ正規分布のノイズ)であるとしばしば誤解されるが、白色という概念とガウス性という概念は異なるものである。しかし、系のモデルで白色とガウス性の2つを同時に仮定することは多い。ホワイトガウスノイズ(白色ガウス雑音)は実世界のノイズとしてよい近似であるからである(中心極限定理)。これらのモデルは加法性ホワイトガウスノイズ (AWGN、additive white Gaussian noise) と呼ばれる。

定義

以下の2つの条件を満たすようなw(t) をホワイトノイズと定義する。

  • <math>\mu = E[w(t)] = 0</math>
  • <math>R(t_{1}, t_{2}) = E[w(t_{1}) w(t_{2})] = \sigma^{2}\delta(t_{1} - t_{2})</math>

ただし、σ²はw分散で、δはディラックのデルタ関数である。1つ目の式は平均ゼロを表している。そして2つ目の式は自己相関はσ²であり相互相関はゼロであることを表している。

自己相関をフーリエ変換するとホワイトノイズパワースペクトルが得られる:

  • <math>|W(\omega)|^{2} = \sigma^{2}</math>

パワースペクトルの値はωに依存しないので、全ての周波数で一定の値(白色と呼ぶ)になっている。

また離散化された列としてのホワイトノイズの定義は、同様にベクトルwに対して以下のように定義される。

  • <math>\mu = E[\boldsymbol{w}] = 0</math>
  • <math>\boldsymbol{R} = E[\boldsymbol{w} \boldsymbol{w}^{T}] = \sigma^{2}\boldsymbol{I}</math>

ただしTは転置を、I単位行列である。1つ目の式は平均ゼロを表している。2つ目の式は相互相関行列が、対角成分がσ²でそれ以外はゼロということを表している。

なお、ここではホワイトノイズを実数として考えたが、複素数に対しても定義できる。相関演算の定義に複素共役の演算が入るため、ホワイトノイズの定義もこれに応じてやや変化する。

生成方法

実際上は正規乱数をホワイトノイズとして利用する。なおこのときガウス性も満たすので、ホワイトガウスノイズとなる。

Excelの分析ツールを用いて、正規乱数を作成することができる。

関連項目

外部リンク