波動

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波動(はどう、英語:wave)とは、単にとも呼ばれ、同じようなパターンが空間を伝播する現象のことである。

などの水面に生じる波動に関してはを参照のこと。

量子力学では、物質(粒子)も波動的な性質を持つとされている。

物理学における波動

物理学では波動と言うと、何らかの物理量の空間分布パターンが伝播する現象を指す。特にそのパターンが周期的であるような波動が頻繁に扱われるが、周期性は波動において必要な性質ではない。ただ、線型な波動(重ね合わせの原理が成り立つような波動)では、波を、周期性を持つ波(特に正弦波)の重ね合わせで表現すると便利である。

周期性を持つ波動、特に、正弦波では、振動数周期振幅波長波数などの物理量が定義される。

同じ時刻に場の量が同じ値をとる点の集まりによってできる面を波面という。波面が球面のものを球面波という。波面が平面のものを平面波という。

媒質が進行方向に平行に振動する波を縦波、垂直に振動する波を横波という。

波の空間パターンを作る物質や物理量(あるいはその分布)を媒質という。空気中を伝わる音波の媒質は空気である。空気の圧力分布のパターンが伝播するのが音波である。水面を伝わる波の媒質は水である。地震波の媒質は地球内部を構成するマントルや岩石である。電磁波は電場と磁場のパターンが伝播する。

古くは古代ギリシャ時代から、光は波なのか粒子なのかと疑問視されており両方の説が存在していた。1600年代になりオランダの数学者・天文学者・物理学者のクリスティアーン・ホイヘンス光の波動説を近代風に基礎付けした。一方イギリスのアイザック・ニュートン(1643年~1727年)は光は粒子であるとする説を『光学』において展開した。

媒質が無い状態での波動には、ニュートンによる物理学古典物理学では説明出来ない現象もある。例えば電子や光を含む電磁波は波動性と粒子性を同時に有しており、これを粒子と波動の二重性と言う。これは現代物理学によってようやく説明可能になった。

1924年、ド・ブローイ物質波という考え方を発表した。その2年後には、この物質波の考え方を発展させてシュレーディンガーが波動力学を構築した。波動力学では、「物質というものはすべて波としての性質を併せ持っている」と説明する。この波動力学は、後になりハイゼンベルクのマトリックス力学と実質的に同等のものであるということがやがて理解されるようになり、これらは量子力学として統一されることになった。

波特有の性質(線形の場合)

ホイヘンスの原理により説明される。

主な波動

関連項目

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