画鋲

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画鋲(がびょう)または押しピン(おしピン)とは、掲示物を壁面に固定する際などに使われる、金属プラスチックなどの頭部に、鋭いを取り付けた器具のこと。

プッシュピンテンプレート:Lang-en-short)、またはアメリカ英語サムタックテンプレート:Lang-en-short)、イギリス英語ドローイングピンテンプレート:Lang-en-short)と呼ばれる。

種類

ファイル:Pin1.jpg
ダルマ型画鋲
  • 金属製画鋲
    • 二重画鋲: 金属製の円板の中央に針を取り付けたもの。以前から広く使われている。紙製の掲示物や看板の上からビニールを貼り付けて防水する際、紙の部分を壁面や板に固定する際には、このタイプの画鋲が便利である。壁面に深く突き刺すと指先で外しにくいため、専用の取り外し器がある。なお二重画鋲は戦時中に材料の鉄の代わりにレコード盤を打抜いたものを2枚重ねて作ったものが「二重画鋲」という名前で売り出され、これが一般に普及したこと、抜きやすいなどの理由で、その後も溝がついたものが作られることとなった。
  • プラスチック製画鋲
    • ダルマ型: 持ちやすく、落ちても針が上に向かないように、プラスチック製の頭部をだるまひょうたん型の形状にしたもの。
    • マップピン: 頭部は少し小さめのプラスチック製の球形で、針は細めにできている。壁に貼り付けた地図の上から突き刺し、位置を表示するために使われる。
    • L字型: 針が円形ではなくL字型のもの。ぐらつき難く、抜いたあとピン跡が目立たない。
  • ユニバーサルデザインの画鋲: 手が不自由な人、力の弱い人でも扱いやすいよう、頭部がシリコーンゴム製のリングなどでできている。以下の特徴がある。
    • 直接針に触れる事がない
    • 特別な道具が無くても抜けやすい
    • 落としても針が上に向かず安全

用途・用法

壁面に掲示物をあてがい、画鋲の針で掲示物を突き刺し、壁面に密着させることによって対象物を固定する。軽く刺して針の部分だけで支えるような貼り方では掲示物が切れて落下してしまうことがあるため、金属やプラスチック製の本体部分で掲示物と壁面を押し付けるように密着させる必要がある。

以前は金属製の円板の中央に針を取り付けたタイプの製品が広く使われていたが、などに落ちた場合に針が上を向くことが多く、で踏んだ場合に負傷する危険性がある点、壁面の材質や刺さり方によっては取り外す際に手間がかかる点、針が折れる可能性がある点、さび腐食に弱い点などから、近年ではプラスチック製の製品の普及が進みつつある。それでも、構造が簡単で値段も安いので現在もいたずらに使われることがあり、故意に他人を負傷させたり自転車のタイヤをパンクさせるなどの器物損壊といった軽い事件もたまに起きている。

一部の賃貸家屋では、壁面への損傷を防ぐため、賃貸借契約によって画鋲の使用が禁じられている物件もある。

また、近年では一部のプロレス団体で「画鋲デスマッチ」として無数の画鋲が敷き詰められた箱に対戦相手を叩き落としたりといった、試合中の凶器としての用途にも用いられることもある。2010年10月17日大日本プロレス後楽園ホール大会で行われたBJW認定デスマッチヘビー級選手権試合伊東竜二(王者)vs石川修司(挑戦者))では、3万個の募集に対して4万9205個の画鋲が全国各地から提供され、蛍光灯ガラスボードと共に全て使用された。

呼び名

「画鋲」という呼称が全国的に使われるのに対し、「押しピン」という呼称は中部地方およびそれより東ではあまり使われない。これらの地域で使う場合には上記の金属製画鋲を「画鋲」、プラスチック製画鋲を「押しピン」と呼んで区別することが多い。[1]

脚注

  1. ATOK.com:日本語アンケート「日本語の使い方」2

外部リンク

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