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(ゆか)とは、建物の内部空間の各階下面に位置する水平で平らな板状の構造物である。上面に位置する天井とは対になりで結ばれる。天井、壁と合わせ建物内部を外部空間から遮断する役割を担うこともある。多層構造の建物では各階層ごとに床がある。

住宅に関連する統計では、居住空間の広さを示す指標として床面積が用いられることが多い。

要求性能

まず床に要求されるのは構造的な性能である。床は固定荷重 (家具・機器など) ・移動荷重 (居住者・一時的に置かれるもの) といった積載荷重を支えなければならない。また、わずかな傾斜が居住性を損ねることもあるため、たわみが発生しにくい構造・念入りな施工が要求される。さらに、直接接触する面としての感触・耐久性・意匠性・耐火性・メンテナンス性が加わり、用途によっては配線や暖房などの機能が加わることもある。

構造と材料

ファイル:床構造.png
在来工法の床構造

在来工法ではコンクリート製の基礎の上に土台が乗りその上に床面が構築される。床材は厚み1cmほどしかなく、土台の上に直接乗せては過重を支えきれないため、地面から90cm間隔で並べられた束石と束柱によって横架材である大引(おおびき)を支え、さらにその上に大引と直角になるように30~45cm間隔で根太(ねだ)が並べられる。床板を直接支えているのはこの根太である。伝統的な日本家屋では、さらに大引と根太の交差箇所に方杖(ほうづえ)という補強部材が斜めに渡されることもある。2階建ての場合、床梁と直交するように根太がかけられ、その上に床板が張られる。根太の材質や取付けが悪いと床が鳴る原因となる。

床には、用途に応じて様々な材料が用いられる。廊下ならば歩行のしやすいもの、居室ならば接触して心地の良いもの、浴室やトイレなどには防水性を備えメンテナンス性の良いものなどが選定される。ここに、一般的な床に用いられる材料を挙げる。

特殊な床

現代では、冷暖房設備の発達やオフィスの OA 化に対応した床が造られるようになった。

暖房床
電気または温水による床暖房を組み込んだ床。住宅などに用いられる。
フリーアクセスフロア(OAフロア)
配線・配管のスペースを設けた二重の床。支持脚の上に取り外し可能のパネル式の床を設置する。主にオフィスなどに用いられる。

関連項目

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参考文献

  • 『図解雑学 建築』ナツメ社 2005年 ISBN 4-8163-2862-9

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