由利高原鉄道

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テンプレート:Infobox 由利高原鉄道株式会社(ゆりこうげんてつどう)は、秋田県鳥海山ろく線を運営する第三セクター鉄道会社国鉄再建法施行により第1次特定地方交通線に指定され、廃止されることになった日本国有鉄道矢島線を引き継ぐため、秋田県および沿線地方自治体である本荘市由利町矢島町(現・由利本荘市)などの出資により設立された。本社は秋田県由利本荘市矢島町に所在。

歴史

  • 1984年(昭和59年)10月31日 - 会社設立。
  • 1985年(昭和60年)10月1日 - 国鉄矢島線の転換を受け、鳥海山ろく線開業。
  • 1989年(平成元年)4月1日 - 運賃改定。6km以上の区間で値上げ。全線520円から540円に。
  • 1997年(平成9年)4月1日 - 運賃改定。6km以上の区間で値上げ。全線550円に。
  • 2000年(平成12年)3月 - 本社を現在地に移転。
  • 2008年(平成20年)4月1日 - 運賃改定。初乗り運賃を160円から180円に、全線580円に値上げ。
  • 2011年(平成23年)
    • 5月17日 - 前社長退任発表に伴い社長公募を発表。
    • 5月20日から5月26日 - 『宇宙戦艦ヤマト』のラッピング車両運行。
    • 6月28日 - 前社長大井永吉にかわり新社長として春田啓郎が就任。

路線

沿線の観光

路線は子吉川に沿っており、支流では秋に鮭の遡上を見られることがある。晴れた日には車窓より鳥海山が望める。終点矢島駅からは猿倉温泉(由利本荘市鳥海町猿倉)の宿泊施設による送迎がある(要予約)。

アテンダント

「まごころ列車」として、秋田おばこ姿のアテンダントが1日1往復(矢島発9:49、羽後本荘発10:47)乗務し、旅客への案内や乗降補助、乗車証明書の配布、車内販売を行っている。アテンダントはイベント列車の企画や営業も行っており、団体列車にも乗務している。

車両

現有車両

2013年3月28日現在、3形式6両の気動車が在籍する。全車に「おばこ」の愛称がつけられている。

YR-1500形(1501,1502 2両)
YR-1000形(後述)を更新工事の施工により改番されたもの。エンジンを6H13AS (230PS/2000rpm) から、DMF13HZ (330PS/2000rpm) に換装し(ただし、出力は330PSを250PSに絞っている)、駆動機関直結方式の冷房を装備、扉の押しボタン式半自動化、外板塗装の変更が実施されている。4両が更新・改番されたが、YR-1505は新型車両YR-3000形投入のため、2011年8月に廃車となった。1505の車体塗装は変更されず従来のままだった。2012年10月にYR-1503も運用を離脱している。YR-1502は2014年7月に運用終了予定[1]

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YR-2000形(2001,2002 2両)
2001は、2000年11月18日に増備された新潟鐵工所製の軽快気動車(NDC)。18m級の車体となり、トイレ冷房が装備された。エンジンは、DMF13HZ (330PS/2000rpm) を1基搭載し、車内はクロスシートで、定員は116名(座席56名)。在来車との協調運転をすることができる。車体には漫画・アニメ作品のラッピングが施されることがあり、2014年4月19日からは『ゆりてつ 私立百合ヶ咲女子高鉄道部』のラッピング車両となっている[2]。以前は『釣りキチ三平』や『宇宙戦艦ヤマト』のラッピングが施されていた。
2002は、2003年3月20日に増備されたイベント対応車で、新潟トランシス製。2001に準じるものの、車内はロングシートとなり、テーブルが設置されている。また、側窓も固定式となった。日本宝くじ協会寄贈の「宝くじ号」である。車体には、鳥海山のイラストが大きく描かれている。

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YR-3000形(3001,3002,3003 3両)
老朽化しているYR-1500形の置き換え用として2012年4月1日より営業運転を開始した日本車両製造製の軽快気動車。松浦鉄道MR600形をベースにしている。以後、毎年1両ずつ配備され、最終的に3両の配備が予定されている[3]。各車両はデザインは共通ながら、それぞれ異なるカラーリングとなり、2012年4月に運転を開始したYR-3001は緑を基調とし、シートモケットの模様は由利本荘市の「御殿まり」をイメージしたもの[4]、2013年3月に運転を開始したYR-3002は夕日と「秋田県旗」をイメージした赤が基調[4]となり、シートモケットの柄は「神代杉細工」となった。2014年3月20日より運転を開始したYR-3003は、沿線を流れる「子吉川」をイメージした青を基調としたカラーリング[4]となっている。

過去の車両

YR-1000形(1001 - 1005 5両)
1985年の転換時に投入された新潟鐵工所製の軽快気動車。当初1001 - 1004の4両が投入されたが、1988年に1両 (1005) が増備された。15m級の小型車で、動軸にかかる軸重を大きくするために偏心台車を採用している。車内はクロスシートであるが、トイレや冷房装置は設置されていない。定員106名(座席51名)。2000年から更新によりYR-1500形へ改番され、2004年、YR-1005がYR-1505に変更されたのを最後に更新工事が終了した。なおYR-1004は状態の悪化から2003年12月31日をもって廃車となっている。

脚注

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外部リンク

  • 7月13日(日)に「サヨナラ1502」運行 - 由利高原鐵道、2014年4月28日
  • 4月19日ゆりてつラッピング車両、発進!!!(由利高原鉄道、2014年3月20日、2014年3月28日閲覧)
  • 『鉄道ダイヤ情報』2012年5月号 - 交通新聞社
  • 4.0 4.1 4.2 由利高原鉄道が新車導入へ - 鉄道ホビダス 編集長敬白、2011年10月17日。